「良い影響をもたらしている」: アディダス 、インスタ活用でオンライン売上が40%増

アディダス(Adidas)のオンラインセールスにおいて、インスタグラム(Instagram)における販売の存在感が増している。

同社はインスタグラムが3月に発表したばかりのチェックアウト(Checkout)機能を最初期から試験運用している企業のひとつだ。これはアプリから直接商品を購入できる機能で、アディダスを含む20社がインスタグラムに費用を支払ってクローズドβテストに参加し、同アプリ上で直接商品を販売している。アディダスCEOのカスパー・ローステッド氏は、これまでのところ費用を払うだけの価値はあったと語る。

2019年1月から3月にかけて同社のオンライン売上は、前年度比で40%の伸びを記録しており、ローステッド氏はこれはインスタグラムによる部分が大きいとしている。3月3日に行われた同社の業績報告のなかで、ローステッド氏はアナリストらに向けて「インスタグラムが当社の第1四半期におけるオンライン事業に良い影響をもたらしたことに疑いの余地はない」と語っている。「第1四半期のオンライン事業にとってもっとも重要だったのが、新商品の販売、そしてインスタグラムのチェックアウトツールだった」。

見極めに少し時間は必要

アディダスが2018年の同期間に記録した、24%のオンライン売上増をさらに上回ったのには、ほかにも原因がある。同社がインスタグラムでよく売れると思われる一連の限定商品を販売したことも大きい。たとえば同社の商品、フューチャークラフト(Futurecraft)はとりわけインスタグラムにおける販売が好調だったと、ローステッド氏は明かす。

だが、アディダスは四半期ごとに、こうした新商品を販売できるほど幅広く商品展開を行っていない。そのためローステッド氏は、インスタグラムのようなプラットフォームがD2C事業にあたえる本当の影響については、見極めにもう少し時間がかかるだろうとしている。

「当社のオンライン販売の成長は、その四半期にどのような新商品を発売したかによって大きく異なる」と、同氏は語る。「重要なのは、新商品の発売に一貫性をもたせることだ。商品の販売量に応じて四半期ごとに成長率は異なるだろう」。

チェックアウトの良し悪し

アディダスがこれまでインスタグラムで試してきた販売ツールと、今回のチェックアウト機能の違いとして、同社のポップアップ版のページで販売を完了するという点がある。アプリ内における直接販売は購買意欲を刺激するほか、アプリから別のサイトに移動したため商品を買わずじまいといったケースも少なくなる。

チェックアウトの販売プロセスは直感的で、カスタマー体験とデータを自社で管理したい広告主から人気を博す可能性がある。アディダスをはじめ、各社ともインスタグラムにおけるコンバージョンの購入データは入手できる一方で、販売にいたるまでのカスタマーの重要な行動データはインスタグラムのウォールド・ガーデン(壁に囲まれた庭)から外に出ることはない。

UMロンドン(UM London)でコミュニケーションおよびプランニングディレクターを務めるローレンス・ドッズ氏は、「確かにほかにも行動データを得る方法はあるし、行動データを提供しないプラットフォームは多い」としつつも、次のように述べている。「だが、インスタグラムと同じ方法で、同じターゲットオーディエンスにリーチできるようにしているプラットフォームは、ほかにもある。だから、費用に見合うかどうかは、結局のところブランドの考え方次第だ」。

なにはともあれモバイルシフト

アディダスはオンラインの売上を伸ばしており、オンライン事業において大きな成功を収めている。ローステッド氏によると、同社が展開する全地域でオンライン売上は2ケタ成長を遂げており、その理由は27カ国で900万ダウンロードを達成した同社のアプリだとしている。

ローステッド氏は「増加傾向にある指標のなかでもっとも重要なのが、モバイルデバイスにおけるコンバージョンの増加だ」と語り、次のように述べている。「以前、当社のモバイルデバイスのコンバージョン率は低かった。だが、非モバイルからモバイルデバイスへの移行が進むなかで、精力的な取り組みによって、モバイルデバイスのコンバージョン率を大幅に高めることに成功した」。

Seb Joseph(原文 / 訳:SI Japan)