YouTubeショートが短編動画合戦で優位になるにつれて、イプシー(Ipsy)は自社が成功する分野を開拓している。
プランBだったYouTubeショートが注力対象になった経緯
イプシーは4月、初めてYouTubeショートのテストを開始した。同社のブランドマーケティング担当シニアバイスプレジデント、ティナ・シム氏は、テストを始めた理由はTikTokが禁止される可能性があったため、その対応策だったと語っている。イプシーは現在340万人のTikTokフォロワーを抱えており、TikTokの禁止は深刻な懸念事項だった。YouTubeショートは潜在的なプランBだったというわけだ。
当初、イプシーのYouTubeショートは既存の短編動画プラットフォームであるTikTokやインスタグラムリールズのコンテンツを再利用したものだった。しかし、YouTubeショートの視聴者数が増えるにつれ、現在ではYouTube専用のオリジナル動画を開発し、それらに投資する方法を検討している。YouTubeショートは同社のソーシャルメディア動画の視聴回数の38%を占めており、6桁になっている月間アーンドメディアバリューに貢献している。また、イプシーのソーシャルメディア担当シニアディレクター、タイラー・ウェントワース氏によると、同社のソーシャルコンテンツの30%がYouTubeショートで公開されているという。
「YouTubeショート動画には勢いがあり、拡大しているし、YouTubeは(視聴者にYouTubeに)アクセスしてショート動画を視聴するように促している」とウェントワース氏は述べる。「いま主要なソーシャルチャネルとしてYouTubeショートを評価する必要があり、YouTubeショート用に特定のオリジナルコンテンツを新しく作成するために社内制作チームと話し合っているところだ」。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
YouTubeショートが短編動画合戦で優位になるにつれて、イプシー(Ipsy)は自社が成功する分野を開拓している。
プランBだったYouTubeショートが注力対象になった経緯
イプシーは4月、初めてYouTubeショートのテストを開始した。同社のブランドマーケティング担当シニアバイスプレジデント、ティナ・シム氏は、テストを始めた理由はTikTokが禁止される可能性があったため、その対応策だったと語っている。イプシーは現在340万人のTikTokフォロワーを抱えており、TikTokの禁止は深刻な懸念事項だった。YouTubeショートは潜在的なプランBだったというわけだ。
当初、イプシーのYouTubeショートは既存の短編動画プラットフォームであるTikTokやインスタグラムリールズのコンテンツを再利用したものだった。しかし、YouTubeショートの視聴者数が増えるにつれ、現在ではYouTube専用のオリジナル動画を開発し、それらに投資する方法を検討している。YouTubeショートは同社のソーシャルメディア動画の視聴回数の38%を占めており、6桁になっている月間アーンドメディアバリューに貢献している。また、イプシーのソーシャルメディア担当シニアディレクター、タイラー・ウェントワース氏によると、同社のソーシャルコンテンツの30%がYouTubeショートで公開されているという。
Advertisement
「YouTubeショート動画には勢いがあり、拡大しているし、YouTubeは(視聴者にYouTubeに)アクセスしてショート動画を視聴するように促している」とウェントワース氏は述べる。「いま主要なソーシャルチャネルとしてYouTubeショートを評価する必要があり、YouTubeショート用に特定のオリジナルコンテンツを新しく作成するために社内制作チームと話し合っているところだ」。
YouTubeショートではエンターテイメント性の高いコンテンツを提供
ウェントワース氏によると、イプシーのTikTokコンテンツは美容に関するヒントやテク、ちょっとした情報など、「トランザクション的な」コンテンツを中心に構成されているという。一方、インスタグラムリールズのコンテンツはその月のサブスクボックスの製品デモンストレーションがほとんどだ。YouTubeショートにおいては、エンターテイメント性が高く、ユーモアがあり感動的なタイアップ動画が最大のエンゲージメントを生み出している。イプシーのYouTubeショート動画の6月の総再生時間は17万4000時間を超えた。動画の視聴者数は通常4桁前半である。ウェントワース氏によると、イプシーには社内コンテンツチームが毎週集まるライターズルーム・セッションがあり、今後の短編動画に使える可能性のある流行のサウンドやオーディオエフェクト、オンラインのユーモアなどについて話し合っているという。
最近、YouTubeショート検討しているブランドはイプシーだけではない。ショートは2020年9月にローンチしたが、グロシエ(Glossier)、ナイキ(Nike)、スキムズ(Skims)、グッチ(Gucci)といった著名ブランドがYouTubeショートに注目するようになったのは2022年になってからだ。そして、YouTubeはショッピングリンクなどの新機能をYouTubeショートに追加し続けている。
イプシーは、YouTubeショートへの注力とともに、3月頃まで休止していた既存のYouTubeチャンネルの再開を行う予定だ。過去3か月間で、イプシーのYouTubeチャンネルの新規登録者数は320%増加し、約6万人に達した。同社のメインのYouTubeチャンネルには142万人の登録者がいる。メインチャンネルの動画は週1回程度公開され、それらも数分程度の短いものだ。製品チュートリアルや、アナスタシア・ソアレ氏やヴァネッサ・ハジェンズ氏らアイコンボックス(Icon Box)キュレーターへのインタビューなどがある。シム氏は、長尺動画に対するオーディエンスの関心をテストしたいと語っている。
「(YouTubeショートの成功は)時間が経つにつれて、別のプラットフォームへの投資を削減したり、ショート動画の制作に対応するためにチームを拡大することを意味するかもしれない」とシム氏。「まず導入してテストを続けたいのは長尺コンテンツなので、大きな変更はまだ実施していない」。
[原文:Ipsy increases focus on YouTube Shorts after dramatic testing results]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)