ソーシャルメディアでプレゼンスを確立するには、企業の規模が小さい方が良い場合があることを、家族経営のビューティー企業であるアナスタシアビバリーヒルズ(Anastasia Beverly Hills)は証明している。
アナスタシアは、インスタグラムだけでなく、Snapchat(スナップチャット)においても、もっとも目立つビューティーブランドのひとつだ。
リサーチ企業L2の新しいレポートによれば、カリフォルニアに本拠を置く同社は、Snapchatに投稿されるビューティー関連ブランドのスナップのシェア率で28%を占めており、この割合はほかのどのビューティー企業よりも高い。
ソーシャルメディアでプレゼンスを確立するには、企業の規模が小さい方が良い場合があることを、家族経営のビューティー企業であるアナスタシアビバリーヒルズ(Anastasia Beverly Hills)は証明している。
アナスタシアは、インスタグラムだけでなく、Snapchat(スナップチャット)においても、もっとも目立つビューティーブランドのひとつだ。
リサーチ企業L2の新しいレポートによれば、カリフォルニアに本拠を置く同社は、Snapchatに投稿されるビューティー関連ブランドのスナップのシェア率で28%を占めており、この割合はほかのどのビューティー企業よりも高い。
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Snapchatのシェア率は28%
実際、カバーガール(CoverGirl)は1%、MACコスメティクス(MAC Cosmetics)は5%、ニックスコスメティクス(NYX Cosmetics)は8%だ。また、アナスタシアはスナップを毎日投稿しているビューティーブランド2社のうちの1社でもある。もう1社はタルトコスメティクス(tarte cosmetic)で、スナップのシェア率は21%だ。
アナスタシアのSnapchatにおける戦略は、さまざまな点でインスタグラムにおける戦略(何度も、たくさん投稿する)をそのまま流用しているが、会社のSnapchatアカウントを、同社の共同創設者で社名の由来にもなっているアナスタシア・ソアレ氏の個人アカウントとしても利用している。
これは、投稿内容が他社と重複したり似通ったりするのを防ぐためだ。たとえば、ビューティーインベントに力を入れているニックス、ベネフィットコスメティクス(Benefit Cosmetics)、タルトは、3社とも1月にミッシェル・ファン氏が開催したイベント「Generation Beauty」に参加していたため、スナップが似たりよったりになっていた。アナスタシアはそのような事態を避けているのだ。
Snapchatで語るべきこと
アナスタシアはSnapchat上で、商品の写真を投稿するのではなく、オーランドのイベントに向かう機内で過ごすソアレ氏や、製品発表イベントでゲストと談笑するソアレ氏など、同氏のストーリーを展開している。L2でビューティー業界部門に所属するジェニー・シェン氏によれば、このような取り組みをうまく行えるブランドはほとんどないという。
「ほとんどのブランドにはカリスマ性のある人物がいないが、彼女は華やかな生活を送り、スターたちと一緒にメイクアップの仕事したり、何度も旅行に行ったりするため、共感を得られるのだ」と、同氏は指摘する。
リサーチ企業のNPDグループ(NPD Group)によれば、ハイエンドビューティー市場ではニッチな独立系のブランドがもっとも早く成長しており、アナスタシアは市場全体でもオンライン市場でもこうしたブランドの先頭を走っているという。
美容ブランドのインスタ離れ?
インスタグラムはビューティーブランドに人気の高いプラットフォームであり、アナスタシアはビューティーブランドのなかでもっとも多くのフォロワーを獲得。同社は1日に平均8枚の写真を投稿しているが、そのような写真の約88%は、インフルエンサーやほかのファンによるもので、メイクアップアーティストやブロガーが別の目的で投稿した写真も含まれる。また、製品発表の際には、インフルエンサーと連携した取り組みを実施してきた。
だが、ライバルのビューティーブランドにとってSnapchatは、アナスタシアとの差を縮めてくれる存在になる可能性がある。L2によれば、ビューティーブランドやファッションブランドがSnapchatで写真を投稿する回数は週平均26回で、インスタグラムを上回っているという。また、Snapchatアカウントを運用する、ビューティーブランドの約79%が、Snapchatを積極的に利用しているのだ。
一方、インスタグラムはビューティーブランドの96%が利用している。それでもSnapchatへの関心が高まっている理由としては、近いうちにインスタグラムですべてのアカウントに実装されるフィードへのアルゴリズム導入に備えて、ブランドが手法を変えようとしていることが考えられると、L2でアナリストを務めるクロード・ド・ジョカス氏は分析する。
小規模ブランドだからこそ
以前から調査で明らかなように、インスタグラムの投稿が多いブランドほど多くのリーチを獲得しているが、それも同サービスがオーガニックリーチを提供している間の話だ。以前から言及されているアルゴリズムの導入によって、オーガニックリーチはまもなく終わりを迎える。
「ブランド企業、なかでも小規模なブランドは、数年前にFacebookで痛い目に遭ったため、ひとつのサービスにすべてをゆだねる危険性を理解している。そのため、彼らがインスタグラムだけに向かうことなない」と、ド・ジョカス氏。それに加えて、インスタグラムがうまく編集された写真を投稿する場所であるのに対し、Snapchatははるかに自由な雰囲気があるため、リソースやコストが限られるブランドにとっては、Snapchatのほうが魅力的なのだ。
「興味深いことに、もっともうまく取り組んでいるブランドは、YouTubeでプレロール広告を流したり、Facebookに大量のディスプレイ広告を載せたりするための莫大な予算がないブランドだ」と、デ・ジョカス氏は語る。「彼らはほかのオプションがないため、このようなチャネルのエキスパートになっている」。
Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)