Facebook Japanは10月29日、「Instagram Day Tokyo 2019」を開催。当日一際オーディエンスの注目を集めたのが、ゆうこすが登壇した「クリエイターに学ぶ、Instagram活用術」だ。同セッションの内容を、インフルエンサーの最新「トリセツ(取扱説明書)」としてまとめてお届けする。
インフルエンサーマーケティングも日々進化している。2〜3年前の常識は、すでに非常識となっている場合もあるのだ。マーケターは常に、インフルエンサーに関する知識をアップデートしておく必要がある。
Facebook Japanは2019年10月29日、マーケター向けのイベント「Instagram Day Tokyo 2019(#IGDAYTOKYO2019)」を開催。当日は、マーケターやクリエイターが多数登壇し、Instagramの活用事例や最新トレンドについて議論を交わした。なかでも、ひと際オーディエンスの注目を集めたのが、「モテクリエイター」のゆうこすが登壇したセッション「クリエイターに学ぶ、Instagram活用術」だ。
Facebook Japan クライアントパートナー マネージャー 佐藤太泰氏がモデレーターを行ったこのセッションから得られた知識を、「インフルエンサー」として活動するクリエイターの最新「トリセツ(取扱説明書)」としてまとめるなら、以下の4つとなる。
■ インフルエンサーの最新「トリセツ」
- インフルエンサーの「オタク度」を上げる努力をしましょう
- クリエイティブはメディアの特性に合わせると効果的です
- ブーストは大事。でも、透明性と誠実性は担保しましょう
- 効果指標は「リーチ」だけに頼りすぎないようにしましょう
各項目ごとに、ゆうこすと同セッションに彼女とともに登壇したサイバーエージェント(CA) インターネット広告事業本部 統括 兼 データ事業本部 本部長 羽片一人氏の言葉を交えて、インフルエンサーの最新「トリセツ」を解説していく。

向かって左から佐藤氏、ゆうこす、羽片氏
1. インフルエンサーの「オタク度」を上げる努力をしましょう
セッションの冒頭、「インフルエンサーマーケティングを成功させる鍵は何か?」という問いかけに対してゆうこすは、「本気でその商品が好き」という気持ちや「オタク度」、つまり「熱量」を伝えることだと答えていた。実際、Instagramのライブ配信中、ファンに対して、ブランドに関する投稿についてどのようなものが受け入れやすいかを聞いてみた際、「ゆうこすが本当に好きで使っていることが伝わるブランドに関する投稿はもっと見たい」という回答が多く見られたという。
CAの羽片氏も、熱量の重要性に大きく賛同する。CAは、早くからパフォーマンス系の広告だけでなく、ブランド広告のメディアとして、Instagramの可能性に着目し、これまでトップエージェンシーとして同プラットフォームと並走してきた。
そんなCAで、羽片氏が熱量という言葉と同じ意味で、社内で広めようとしている言葉が「浸透圧」だ。「インフルエンサーマーケティングにおいて、リーチももちろん重要な要素だが、それ以上に大事なのがこの熱量や浸透圧だ」。
続けて羽片氏は、こうした熱量や浸透圧は「ブランドとインフルエンサーの信頼関係」があってこそ生まれると話す。実際、ゆうこすは「インフルエンサーとして企業から依頼を請ける際、先方の要望がなくても、直接会って事前の打ち合わせをする機会をできる限り作るようにしている」という。対面で会って話すことで、プロモーションの対象商品やブランドの裏側にあるストーリーを知ることができ、オタク度が上がったり、その商品やブランドのことをより好きになれるというのだ。
また、羽片氏もエージェンシーとして「広告主とインフルエンサーのあいだに立ち、熱量が生まれる流れをしっかり作って行きたい」と意気込む。そうした思いを体現するかのようにCAは2019年8月、ゆうこすを期間限定でクリエイティブディレクターとして招き、インフルエンサーの持つフォロワーへの「共感力」を重視した広告プランニングを行い、企画・実行までを提供していた。同社がインフルエンサー活用に注力している背景には、こうしたビジョンがあるのだろう。

「ブランドの裏側にあるストーリーを知ることで、オタク度が上がる」と語るゆうこす
2. クリエイティブはメディアの特性に合わせると効果的です
インフルエンサーのオタク度を上げたら、次に考えなければならないのはクリエイティブだ。「インフルエンサーマーケティングに限ったことではないが、メディアの特性に寄り沿ったクリエイティブ作りは必須事項といっていい」と、羽片氏は語る。
ゆうこすも、特に「Instagramは、前向きなもの、見ていて気持ちのいいものを求めるユーザーが多い。投稿する際は、わかりやすく、タメになる内容を盛り込むようにしている」という。また、全方位に好感度が高い内容よりも、『モテたい人にだけウケる』といった、ターゲットに合わせた内容のほうが、反応が良いのだそうだ。
「Instagramのクリエイティブは、やっぱり画像が効果を発揮するかどうかがポイント。ただ、キーワードやタグも、画像と同じくらい重要なメディアだと思う。ただ綺麗な写真を投稿するだけじゃ駄目で、フォロワーが興味を持って検索しているキーワードやタグを想像しつつ『映え』に繋がるクリエイティブを作らなければならない」。
そのためゆうこすは、自分のフォロワー層が何に興味を持ってInstagram検索を行っているのかを考え、そのキーワードにぴったりの写真を撮ることにこだわっているという。また、「Instagramといえば画像」と誰しもが思うからこそ、むしろ、逆張り的に、長文のテキストで印象を強めていると付け加えた。

「メディアに寄り添ったクリエイティブ作りは、必須事項といってもいい」と語る羽片氏
3. ブーストは大事。でも、透明性と誠実性は担保しましょう
このように、ゆうこすをはじめとしたインフルエンサーは、さまざまな工夫を凝らして熱量が伝わるクリエイティブ作りや、フォロワーとのコミュニケーションを心掛けている。そうした思いを生かし、さらに広くユーザーに届けるのが『ブランドコンテンツ広告』だ。
ブランドコンテンツ広告とは、インフルエンサーが投稿したオーガニックコンテンツを広告として配信する、Instagramの広告プロダクトのひとつ。配信アルゴリズムによって、インフルエンサーのフォロワーだけにとどまらず最適なオーディエンスに情報を届けることができるようになる。
広告はクリエイターからフィード広告として配信されるが、アカウント名の下に「広告(Sponsored)」と表記し、キャプション欄の冒頭に「(ブランド名)とのタイアップ投稿」と明記することで、透明性と誠実性を担保しているという。
4. 効果指標は「リーチ」だけに頼りすぎないようにしましょう
羽片氏が、ユーザーがどんな反応をしたのかを知るには、「指標を多角的に読み取らなければならない」と語るように、インフルエンサーマーケティングを成功に導くには、リーチ数だけでなく購買数、保存数、コメント数、メンション数といった指標を、多角的に見ていく必要がある。また、ブランドコンテンツ広告を使えば、より詳細に購買行動に関連した指標を使った効果測定を行うことも可能だ。
これに対しゆうこすも、投稿に対する「保存」数と「コメント」数を、熱量やファンの反応を知るための指標として重視しているほか、自分がどれだけタグ付けされているかどうかや、ストーリーズでのメンション数に関しても、コアなファンの反応を知るために重視していると回答した。さらに「これまで多くの企業のプロモーションを担当してきたが、実際保存数が多いコンテンツのほうが、広告効果が高い傾向にある印象がある」と付け加える。
羽片氏はイベント後の追加取材で、ブランドコンテンツ広告に関してこうコメントしている。「特定のターゲットに熱量を伝えることができたら、それをベースに獲得したいターゲットへ確実にリーチが可能になり、購買までも可視化することができる点に、おおいに可能性を感じる」。
※Instagramブランドコンテンツ広告について、さらなる詳細を知りたい方は、こちらをチェックしてほしい
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Written by 内藤貴志
Photo by Instagram from Facebook