「 D2C はスタートアップの総称になった 」:家具のD2C、インサイドのAJ・ニコラス氏

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直販(Direct-to-consumer:以下、D2C)がついに家具にまでに進出しようとしている。設立1年のスタートアップ、インサイド(The Inside)は、ソファブランドのバーロウ(Burrow)のような企業と同じ道を家具のオンライン販売で歩もうとしている。新しい点は、その家具をカスタマイズできることだ。インサイドの最高マーケティング責任者(CMO)を務めるAJ・ニコラス氏は次のように語る。

「家具業界は昔から、私が『摩擦のない取り引きをする企業(frictionless transaction companies)』と呼んでいるものが支配する世界だった。ウェイフェア(Wayfair)やAmazon、イケア(Ikea)は、製品をすぐに出荷してくれて、価格帯も手頃、ほとんどはオプションも用意しているが、似たようなものばかりでどれを選んでいいかわからなくなる時がある。スペクトラムのもう一方には、高級なデザイン家具を扱う企業がいる。そこでの体験は特別なもので、インテリアデザイナーでもない限りたどり着くことはできない。品揃えは見事に考えられ、何もかもを自分好みにパーソナライズできる。だが出来上がるまでの時間が本当に長いし、値段も高い。誰にでも手が出せるものではない」。

インサイドは、出荷の早さと価格の手頃さにハイエンドなデザインを組み合わせることで、そのふたつの橋渡しをしたいと考えている。米DIGIDAYのポッドキャストシリーズ「メイキング・マーケティング(Making Marketing)」の最新エピソードで、シャリーン・パサック記者がニコラス氏と、D2Cブランドのマーケティングや新しいプラットフォームが重要な理由について議論した。そのハイライト部分に編集を加えて、以下に紹介する。

ブランドへの投資

「我々のミッションは、グロースマーケターを多数雇用したり、Facebookやインスタグラム(Instagram)での有料広告に莫大な投資をするのではなく、よりエモーショナルなブランドを作り上げ、そのブランドをもとにコンテンツ戦略を構築し、多くのオーガニックな顧客獲得を促進することだった。だから、いまのカスタマージャーニーが実現できた。ブランドのマーケターがコンテンツ戦略を考えるといった場合、自分たちが所有するマーケティングチャンネルを念頭に置き、ブログコンテンツをどのように構築するのかを考える。だが、これはかなり現実味のない戦略だと、私は思う。eコマース企業は、世の中にあまたある素晴らしいメディア企業との戦いに苦戦しているのだから。我々には、カテゴリーをいつ公開するかを決めたコンテンツカレンダーがある。創業者が編集者となって、メディアサイトにコラムを投稿したりもしている」。

新しいプラットフォームの理解

「我々のマーケティングの約70%はオーガニックだ。残りの30%はFacebookやインスタグラムの有料広告を通じてのものとなる。Facebookの値段がだんだん上がっているので、D2Cスタートアップとしてすべての顧客獲得をそこで行う時代は過ぎ去った。そこだけに依存するのは非常に恐ろしい案だと思う。我々はそこに少額の予算しか使っていない。Googleショッピング(Google Shopping)でのテストを開始したところだし、ピンタレスト(Pinterest)でもテストをはじめる予定だ。ピンタレストでやろうとしていることはオーガニックだ。このカテゴリーは検索をはじめる人が大勢いるところなので、面白いと思う。ピンタレストは有料のソーシャルプラットフォームになろうとしているが、顧客たちの使い方は実にさまざまだ。広告主にも違った見方をさせようとしていて、その一部はピンタレストに対する我々のイメージを変える試みだ。有料のソーシャルというよりGoogle検索に似ている」。

D2Cは誤った用語

「D2Cという用語がスタートアップの総称になっている。D2Cとは『消費者に直接つながっている』という意味だ。D2Cのなかにはとても多くのものが含まれている。ただひとつのSKU(Stock Keeping Unit:最小単位)ではなく、マーケットプレイス全体だ。ほとんどのスタートアップは、もっとも簡単で資本もそれほど必要ないので、オンラインD2Cとしてビジネスをはじめる傾向にある。オンラインではじめたら、面白いショールーム体験をつくり出すことも簡単にできる。「直接つながる(Direct to me)」とは、顧客を所有することを意味する。だから、オンラインであろうが実店舗であろうが、同じ意味になると私は思う。卸売りチャンネルになったらD2Cは終わる」。

Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)