パンデミックが過ぎ去ろうとしているいま、TikTokでのライブ配信に力を入れるビューティブランドがある。麻の成分「CBD(カンナビジオール)」を使用した製品を販売するトゥルーリー・ビューティ(Truly Beauty)は、パンデミック発生当初に開始したTikTokでのライブ配信を、さらに増やしている。
パンデミックによるさまざまな制限が米国で終わろうとしているなかで、TikTokでのライブ配信に力を入れるビューティブランドがある。
たとえば、麻の成分「CBD(カンナビジオール)」を使用した製品を販売するトゥルーリー・ビューティ(Truly Beauty)は、パンデミック発生当初に開始したTikTokでのライブ配信を、さらに増やしている。現在はすべてのソーシャルチャネルで週2回配信しており、今後は定期的な配信をもっと増やしていく予定だ。
ブランドのチームが成長するのに合わせ、「最終的には週5回、月曜から金曜まで毎日ライブ配信をすることが目標だ」と、同ブランドのソーシャル&マーケティングマネジャーであるタイラー・ムーア氏は語る。
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トゥルーリー・ビューティのTikTokアカウントには現在150万人ものフォロワーがおり、ムーア氏によると彼らのライブ配信は「いつも、かなりクレイジー」だという。「多くの人が、ライブの内容に関係なく、ただ参加している。あのチャネルにおける我々のブランドの、全体的な存在感によるものだと思う」。ライブ配信に最適な時間帯は正午であることが分かり、インフルエンサーとブランド側の両方がライブ配信に出演している。
TikTokがライブストリーミング機能を開発してからおよそ1年が経過した。12月にウォルマート(Walmart)とライブコマースを試験的に実施し、その後3月にはビューティプロダクトのショッピングイベントを開催。トゥルーリー・ビューティ以外にもアーバン・ディケイ(Urban Decay)、タルト(Tarte)、e.l.f.コスメティックス、トゥー・フェイスド(Too Faced)、ミルク・メイクアップ(Milk Makeup)などの美容ブランドが、TikTokでの配信を試みている。
ほかのプラットフォームと比較するとTikTokのライブストリーミングでは、あるタイプのコンテンツが人気を集める。「非常に多くの人が社員、つまりトゥルーリー・ビューティで実際に働く人々に興味を示している」とムーア氏。TikTokのライブオーディエンスは、このブランドで働くということが一体どのようなものなのか、製品がどのように開発されているかといったことに「強い関心を抱く」のだという。トゥルーリー・ビューティは、ほかにもインスタグラム、Facebook、YouTubeライブなどを運営しているが、これらのチャネルでは製品のレコメンデーションや、ルーティンに重点を置いているという。
ライブ配信にサプライズを組み込むことも、視聴やエンゲージメント構築の促進に役立つ。「我々が常に実践しようとしているのは、ライブ配信で話をしているあいだに、何か別のことが起こっているようにすること」と同氏。たとえば、社員が飼うウサギが登場したライブ配信はオーディエンスを魅了し、通常であれば視聴者数が数百人のところが、この回では数千人にまで跳ね上がったのだという。
TikTokでのライブコマース
ウォルマートがショッパブルなTikTokライブ配信を早々に導入して以来、他ブランドも幅広く展開していこうとしている。
TikTokでのライブコマースについて、ムーア氏は「その件については近々話し合う予定で、何らかの形で実現できると思う」と語る。インスタグラムでは現在、CBD製品のアプリ内での販売が認められていないため、トゥルーリー・ビューティも販売することができない。CBD製品の扱いについて、「TikTokのガイドラインがもう少し緩いものになることを期待している」という。
同ブランドは現在、TikTokライブ配信をフラッシュセール(短期間限定のセール)告知のために使い、1時間限定の割引コードを特別に提供している。「エンゲージメントが非常に高いので、(ライブ配信は)いつもとても楽しい。また実際に、売上にも大きく貢献している」とムーア氏。だがコンテンツのバランスの維持には注意を払う。「常にセールスマンのようでいたいとは思わない。人々とつながりたいだけのときもあるので、質疑応答も実施している」。
トゥルーリー・ビューティのペイドソーシャルとオーガニックソーシャルによる売上のなかでも、TikTokによる売上は全体を大きく押し上げており、ブランド認知度にも大きく寄与しているとムーア氏は語る。同ブランドの主な購買層は24~33歳の人々だが、TikTokによって16~23歳にもリーチすることができた。
ライブ配信の人気は衰えない
店舗が再開し始めてもライブ配信の人気は衰えないと、同ブランドは期待している。
中国でのライブコマース市場の盛り上がりを注視し、「ライブ配信を通じた購買力を目の当たりにしてきた」とムーア氏。「おそらく米国でも今後3~4年間で、同様になると予測している。だからこそ一歩先を行き、有利でありたいと考えている」。
[原文:Inside Truly Beauty’s TikTok livestream playbook]
LIZ FLORA(翻訳:田崎亮子/編集:長田真)