クリーンなインディーズ・ブランド、LYSビューティ(LYS Beauty)が5月に初のマスカラを発売したとき、チームはそれが「思い切った行動に出るべき」瞬間だということをわかっていた。
ラッシュ・コンフィデンス(Lash Confidence)という販売価格19ドル(約2730円)のマスカラは、全方位に向けたキャンペーンを展開するチャンスだった。さらに重要なことに、インクルーシブで前向きで協力的なブランドであるというLYSビューティの理念に勢いをつけるまたとない機会でもあった。創業2年目となる同ブランドは、クレド(Credo)、セフォラ(Sephora)、サーティーンルーン(Thirteen Lune)、QVCで販売されている。
セフォラの協力、eメールやダイレクトメールでのマーケティング、インフルエンサーやエディターへのプレゼントなどを含む強力なビジュアルキャンペーンの結果、そのマスカラは最初の5日間で、ブランドのeコマースサイトではLYSが販売する120以上のSKUのなかでトップ5の売れ筋商品となった。さらに、マスカラ発売当日の同ブランドのサイトトラフィックは、前年同日比で271%増加した。1月30日に発売された同ブランドの口紅と比較すると、サイトトラフィックは102%増となっている。
「最高のブランディングと最高の販売成績を達成したいくつかの製品のローンチは、進むべき道から外れることなく、ブランドアイデンティティに即していて一貫性がある」とLYSビューティのCEOで創業者のティーシャ・トンプソン氏は語る。「雪だるまを作るようなものだ。ただひたすら雪の玉を転がして、大きくしていく。それが今回のローンチで証明された」。
セフォラ協力の先行独占販売
ビジュアルキャンペーンは、コンフィデンス(=自信)という製品名だけでなく、自信を持つというコンセプトを中心に据えた。トンプソン氏は、これまでブランドの広告に自分自身が反映されていなかったため、ブランドの成長の過程で自信を持てなかったという。そのためラッシュ・コンフィデンスのキャンペーンには、ブランドの多様性とインクルージョンに関する活動や、それが人々に与えたポジティブな影響を称えるという目的もあった。モデルのマーサ・クラフト氏やプラスサイズ・ブロガーのブレネ・コムズ氏など、キャンペーンに登場する人々は、何が自信を感じるきっかけになったのかを語っている。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
クリーンなインディーズ・ブランド、LYSビューティ(LYS Beauty)が5月に初のマスカラを発売したとき、チームはそれが「思い切った行動に出るべき」瞬間だということをわかっていた。
ラッシュ・コンフィデンス(Lash Confidence)という販売価格19ドル(約2730円)のマスカラは、全方位に向けたキャンペーンを展開するチャンスだった。さらに重要なことに、インクルーシブで前向きで協力的なブランドであるというLYSビューティの理念に勢いをつけるまたとない機会でもあった。創業2年目となる同ブランドは、クレド(Credo)、セフォラ(Sephora)、サーティーンルーン(Thirteen Lune)、QVCで販売されている。
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セフォラの協力、eメールやダイレクトメールでのマーケティング、インフルエンサーやエディターへのプレゼントなどを含む強力なビジュアルキャンペーンの結果、そのマスカラは最初の5日間で、ブランドのeコマースサイトではLYSが販売する120以上のSKUのなかでトップ5の売れ筋商品となった。さらに、マスカラ発売当日の同ブランドのサイトトラフィックは、前年同日比で271%増加した。1月30日に発売された同ブランドの口紅と比較すると、サイトトラフィックは102%増となっている。
「最高のブランディングと最高の販売成績を達成したいくつかの製品のローンチは、進むべき道から外れることなく、ブランドアイデンティティに即していて一貫性がある」とLYSビューティのCEOで創業者のティーシャ・トンプソン氏は語る。「雪だるまを作るようなものだ。ただひたすら雪の玉を転がして、大きくしていく。それが今回のローンチで証明された」。
セフォラ協力の先行独占販売
ビジュアルキャンペーンは、コンフィデンス(=自信)という製品名だけでなく、自信を持つというコンセプトを中心に据えた。トンプソン氏は、これまでブランドの広告に自分自身が反映されていなかったため、ブランドの成長の過程で自信を持てなかったという。そのためラッシュ・コンフィデンスのキャンペーンには、ブランドの多様性とインクルージョンに関する活動や、それが人々に与えたポジティブな影響を称えるという目的もあった。モデルのマーサ・クラフト氏やプラスサイズ・ブロガーのブレネ・コムズ氏など、キャンペーンに登場する人々は、何が自信を感じるきっかけになったのかを語っている。
LYSは5月25日の発売に先駆けて、5月15日にティーザー動画でキャンペーンを開始した。インスタグラムとTikTokで紹介されたその動画では、商品のシルエットに黒いどろりとした液体が注がれて「何かがやってくる」というフレーズが映し出される。ソーシャルメディア上で商品が発表されたのは5月20日だが、その2日前の5月18日にも別のティーザーが公開された。5月25日には、LYSはインスタグラムに3つの投稿を行い、顧客にセフォラのアプリ経由で商品を購入するよう指示をした。そのアプリではブランド独自のeコマースサイトに先駆けてラッシュ・コンフィデンスが24時間独占販売となっていた。その日、ラッシュ・コンフィデンスはセフォラのアプリのトップページでベストセラー第3位となっている。現在、ラッシュ・コンフィデンスはセフォラ全店舗の正面に展示されており、これは7月20日まで継続される予定だ。
マーケティングの基本に立ち返る低予算のアプローチを採用
LYSは3000人からなるアンバサダーコミュニティのメンバー100人に無料のマスカラを送っている。アンバサダープログラムはリワードプログラムとして機能しており、応募した人は誰でも参加でき、ゲーム化されている。メンバーは製品レビューの投稿やインスタグラムへの写真の投稿など、特定の条件を満たすとポイントを獲得できる。また、クーポンコードをシェアすることでアフィリエイト報酬も得られる。メンバーはそのポイントをギフトカードやクーポンコードと交換することができる。
「これによって商品を発送する以外のコストを一切かけずに共有可能性を得ることができる。現在のところはまだ予算がないので、有料の(インフルエンサーによる)広告はまったく行っていない」とトンプソン氏は語った。
LYSはその後インフルエンサーやエディターに対して、ピラミッド型の特製の箱(箱の3つの側面を開くと、立てた状態でマスカラが現れるようにデザインされている)に入った200本のマスカラを無料で送っている。同時に既存のeメール購読者にマーケティングeメールを送り、アクティブな顧客と未購入者やしばらく購入していない人々をセグメント化した。また、SMSテキストメッセージも活用した。LYSの顧客の約20%はeメールとSMSの両方を購読している。さらに、LYSはエンゲージメントのない顧客に対してダイレクトメールキャンペーンを展開、マスカラを15ドル(約2155円)の特別価格で購入できるクーポンを送付した。LYSは約1万通のダイレクトメールを送っているが、1通あたりのコストは、現在約63セントの郵便料金を除くと約1ドル(約144円)だった。
「私たちは昔ながらの郵便を送るというアプローチを採用することにした。というのも、人々はもう手紙というものを受け取っていないからだ。だから、郵便はちょっとした驚きと喜び(の瞬間)になる」とトンプソン氏は言う。「マーケティングにおける『基本に立ち返る』ようなアプローチとして、それがどのような成果を上げ続けていくのか、とても楽しみにしている」。
[原文:Inside indie brand LYS Beauty’s successful mascara campaign]
EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)