FCバイエルン、 インハウス デジタルエージェンシーを設立:クラブ全体のデジタル化が狙い

FCバイエルン・ミュンヘンがインハウスエージェンシーを設立した。

ドイツを拠点とする同クラブのデジタル&メディアラボには、60人のスタッフが所属。それぞれ、ITサービスの提供のほかにコンテンツの制作と配信、コーズ・リレーテッドおよびデジタルマーケティングを担当している。同チームの大半のメンバーは、ドイツのミュンヘンにあるクラブのトレーニング施設に勤務しており、現在、スタジオを含む新たな施設を建設中だ。

クラブが蓄積したデジタルのノウハウのすべてが新しい部門に移動するわけではない。FCバイエルン・ミュンヘンのニューヨークにあるデジタルチームはラボに異動せず、独立した団体としてアメリカ国外での活動を継続する。

FCバイエルン・ミュンヘンのメディアデジタルコミュニケーション部門責任者のシュテファン・メンネリッヒ氏は、「アメリカとラテンアメリカの国々に向けたクラブのメディア戦略を監督するマーケターたちを、ドイツに拠点を置くメディアチームの支配下に束ねることには意味がない」と語る。その代わり、ニューヨークにいる同クラブのマーケターたちは、ラボに所属するメンバーたちと一緒に働くことになる。

命題のプレッシャー

FCバイエルン・ミュンヘンのデジタルチームは、マーチャンダイジング、パートナーシップ、およびテレビ放映権など既存の収益源を最初に評価する予定だ。小売業、スポンサーシップ、および放送は、スポーツに関するコマーシャルモデルであり、この分野はファンがどのようにサッカーをフォローし、その結果として、ブランドがどのようにファンの手元へ届けられるべきかという命題のプレッシャーを受けている。

FCバイエルン・ミュンヘンはこのシフトかなり敏感であり、一方でインハウスエージェンシーは、同クラブが完全に所有権を持つアプリなどのファーストチャンネル、自クラブのロゴを付して他社が取り扱う商品などのセカンダリーパーティーチャンネル、そしてソーシャルメディアなどのサードパーティーチャンネルを利用するファンたちを管理する機能を提供する。その結果、デジタル&メディア・ラボは、ほかの8つのクラブと共同運用しているサイト「ザ・ダグアウト(THE DUGOUT)」と、最近発表された南北アメリカ大陸のESPNとのコンテンツ提携によってクラブの活動を管理することになる。

コンテンツ制作とメディア所有者に対する仲介業務以外にも、FCバイエルン・ミュンヘンのデジタルチームは、拡張現実とモバイルコマースを提供している同クラブのアプリ戦略を監督する予定だ。商取引促進への取り組みとして、同チームは開発者およびスポンサーのSAPと協力し、テクノロジーサードパーティー52社の顧客データを統合し、オンラインストアの訪問者たちに向けてより個々人に合わせてパーソナライズしたオファーを提供できるようにする。同クラブはそれらのデータを使用し、南北アメリカ大陸とアジアの国々の国際的なファンたちをターゲットとしてより適切にとらえたい、としている。

「全体のデジタル化」

同クラブがかつてスポンサー関係の締結によってその価値を高めていこうとしていたデジタル著作権は、今回設立されたインハウスエージェンシーの管理下に置かれることになり、デジタルマーケティング、CRM、テクノロジー、および専用テレビチャンネルであるFCバイエルン・ミュンヘンTVと並行して推進していくことになる。FCバイエルン・ミュンヘンはまた、今年初頭にはじめて開催されたハッカソンイベントに続いてスタートアップ企業との協業を最近になって開始し、インハウスエージェンシー経由で互いの関係を深めていこうとしている。

デジタル著作権は同クラブの商取引促進の取り組みにおいて「言うまでもなくますます重要になっている」が、「クラブ全体としてのデジタル化」が同クラブのグローバルな成長戦略においてさらに大きな焦点である、とFCバイエルン・ミュンヘンのデジタルチームの部門責任者に昇進したメンネリッヒ氏は述べている。メンネリッヒ氏の戦略は、もはや同クラブは、これまでスポーツ界では通例だったサードパーティーのライセンシーとはならず、代わりに、インハウスエージェンシーが開発して収益を上げることができる自前のテクノロジーとメディアを所有して前進を続けることが前提となっている。

Seb Joseph(原文 / 訳:Conyac