DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。
2021年にも、新しいトレンドは生まれ、役目を終えたトレンドは忘れ去られていく――。
DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。
サンリオのマーケティング本部 ダイレクトコミュニケーション統括部でチーフデジタルオフィサーを務める田口歩氏の回答は、次のとおりだ。
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――2020年を総括すると、どんな1年でしたか?
個人的には、サンリオに入社してからの宿願であった顧客ID統合を実現でき、とても充実した1年になりました。
一方、会社としては、新型コロナウィルスの猛威にさらされて、大部分の店舗やテーマパークなどで長期の休業を余儀なくされるなど、ビジネス面では非常に厳しい1年でもありました。
ことに、サンリオのキャラクターブランドを直接体験することができる、リアルな顧客接点の場からお客様の足が遠のいてしまったのは、マーケティング活動において大きな痛手であったと思っています。
このような状況のなか、サンリオとファンとつなぐ新たなエンゲージメントプラットフォームとしてサンリオ初の全社CRMである「Sanrio+(サンリオプラス)」をローンチしたのです。
Sanrio+は、ピューロランドを含めたサンリオの共通ポイントサービスとして7月にローンチ後、4カ月間で会員60万人を突破、サンクスパーティーやデザイナーサイン会などファン向け企画との連携を通じて、ファンの理解と絆づくりの重要性を強く再認識する契機となりました。
――2021年、必ず押さえておきたいと思う、新しいトレンドは?
ひとつ目は、月並みですが AIの活用です。2020年、AIはさまざまな業界で画像識別や予測分析などの活用が進みましたが、2021年は導入のハードルが下がることで一段とその普及が加速し、また、より幅広い業務での活用方法が提案されるようになると予想しています。
ふたつ目は新しくはないかもしれませんが、コンテンツマーケティングの進化です。従来のコンテンツマーケティングは主として潜在顧客が好みそうなコンテンツを継続して提供することで、そのファン化を促すという目的で行われているものと私は理解していますが、この対象顧客とコンテンツのマッチングにAIを活用した新たな手法(コンテキストマッチングなど)が取り入れられ、大幅なパフォーマンス向上が実現するのではないかと思っています。ほかにも、コミュニティマーケティングとの連携や新たなコンテンツフォーマット(動画、ボイス、XRなど)の利用拡大などもコンテンツマーケティングを大きく進化させる可能性を感じさせます。
――2021年、もはや時代遅れと思える、既存のトレンドは?
やはりもっとも大きい変化は、クッキーレス(Cookie-less)な時代の到来ではないでしょうか。Cookieに依存したアドテクノロジーは言わずもがな、CMPのような新しいサービスも登場してきてはいるもののの、顧客を特定する技術としてのCookieはすでに時代遅れになりつつあると感じています。
次に、デモグラフィックに基づいたターゲティング。社会、そして個人の価値観やライフスタイルは急速に多様化しており、コロナがもたらしたニューノーマルがさらにその変化に拍車をかけているようにも思えます。もはやデモグラフィックに基づいた画一的なターゲティングでは消費者を正確に捉えきれないと思っています。
– 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Brands の回答一覧
– 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Publishers の回答一覧
Edited by DIGIDAY[日本版]編集部