インフルエンサーマーケティング 、その功罪と未来とは?:誠実さを志す「indaHash」

インフルエンサーマーケティングは、新たなフェーズを迎えたようだ。

DIGIDAY[日本版]が去る12月10日、東京国際フォーラムで開催した1DAYイベント「HOT TOPIC」。「インフルエンサーマーケティング」をテーマにした同イベントでは、インフルエンサーの選び方やインフルエンサーとの関係構築方法などが、大きなトピックとなった。そんななか、ブランドマーケターのリアルな声と、先端テクノロジーによるソリューションを示したのが、セッション「インフルエンサー戦略の功罪と未来」だ。

登壇したのは資生堂ジャパン株式会社で、EC事業部 オウンドEC推進室 室長を務める仙田浩一郎氏と、ブロックチェーンをベースにしたインフルエンサーマーケティングプラットフォームを提供するindaHash(インダハッシュ)Country Managerの野村肇氏。このセッションは、フォロワー偏重でマス広告的なインフルエンサーマーケティングに対して、やや懐疑的なディスカッションからはじまった。

新時代が到来しつつある

「我々と直接つながっている会員のお客様たちのなかには、高い熱量を持ったファンの方が多くいる」と、indaHashのクライアントでもある、資生堂ジャパンの仙田氏は口火を切る。「理想としては、そういった会員のお客様とのエンゲージメントを深めることで、自然な形でブランドのコミュニケーションボリュームを高めていきたい」。

資生堂ジャパンでデジタルマーケティング関連のキャリアを重ねてきた仙田氏が、現在担当しているのは総合美容サイト「ワタシプラス」だ。このサイトでは、同社の各ブランドサイトを束ね、商品カタログや店舗検索、美容情報、EC機能などを提供している。2012年4月の開設以来、着実に会員数を増やし、2017年11月には300万人を突破した。また、同氏は2014年4月、クローズドの企業コミュニティ「おめかし会議」もオープン。マス広告的なインフルエンサーマーケティングではなく、コミュニティを重視した施策を打ち出している。

「これまでのインフルエンサーマーケティングは、フォロワー偏重、つまりは有名人・著名人に広告塔になってもらって、マスマーケティングの一種といった形で活用されてきた。しかしいま、新時代が到来しつつある。あえていうなら『インフルエンサーマーケティング2.0』」と、indaHashの野村氏は補足する。「インスタグラム(Instagram)などのSNSの盛り上がりを背景に、いまやブランドコントロールをしているのは消費者だといっても過言ではない。企業にとって、消費者でもあるインフルエンサーとの協業は不可避なものとなった」。

フォロワー数は絶対でない

その一方で、インフルエンサーマーケティングにおいて、フォロワー数を絶対的な評価基準にするのは危険という見方が強まっている。そうした動向は、2018年のカンヌライオンズで、一部のインフルエンサーによるフォロワー数偽証が話題になったことでも明らかだろう。だが、ブランドの特性を理解し、ブランドへの愛があり、質のいいフォロワーを有しているインフルエンサーを探し出すことは、いまだに困難な部分が多い。事実、「マーケターにとって負担が大きい」と、仙田氏も本音を述べる。

  

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「質の高いインフルエンサーを探し出すのは負担が大きい」と語る仙田氏

  

「たとえば、ビューティー系とひと口にいっても、さまざまな方がいる」と、ユーザーの興味が細分化されている現状を、野村氏は分析する。「メイクが好きな人、基礎化粧品に詳しい人だけでなく、ヨガをしている人だったり、サプリメントだったり、そういったことに詳しい人も、ビューティー系インフルエンサーに括られてしまう」。

indaHashのプラットフォームでは、こうしたマーケターの課題に対応して、システマチックで細やかなマッチングを行えるAIを採用していると、野村氏は続ける。Amazon AIとのインテグレートを行い、インフルエンサーの過去の投稿を分析することで、最適なマッチングを効率的に実現しているという。

  

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「今後もブランドに対してモチベーションの高いインフルエンサーとの出逢いの場を提供していきたい」と語る野村氏

  

さらにindaHashでは、よりモチベーションの高いインフルエンサーを探し出すという視点から、現金や仮想通貨だけでなく、広告主の商品やサービスのクーポンなども「報酬」として採用している。「この仕組みにより、ブランドに好意的で、且つ熱量の高いインフルエンサーとの協業が可能だ」。

コンテンツの品質担保

また、現在のインフルエンサーマーケティングで重要視されるのは、ブランドセーフティの担保だろう。どんなに多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーでも、ブランドにフィットしていないインフルエンサーに依頼してもマイナスのブランディングにしかならない。

indaHashでは、こうした危険を回避するために、インフルエンサーの登録に厳しい条件を課している。たとえば、日本においてはインスタグラムの場合、フォロワー300人以上、投稿数70以上のほか、ある一定のエンゲージメント(条件は非公開)を達成したユーザーでないと、インフルエンサーとして登録できない。その確認は、システムだけでなく、人の目を使った定性評価でも行われており、徹底的にフェイクインフルエンサーを弾く仕組みとなっている。

また、実際に投稿されるコンテンツも、同社が提供するプラットホームが備えているダッシュボードを活用することで、インフルエンサーが下書きした投稿を事前にレビューし、承認可否の判断を行うことができる。そのため、限りなくブランドの意図を汲み取ったインフルエンサーマーケティングが可能になっているのだ。

「いままでのインフルエンサーマーケティングは、人を先にアサインするので、依頼をしたあとは、手放しになってしまうケースが多い。我々はダッシュボード機能を提供することで、より的確にブランドの意図を反映することもできる」と、野村氏は説明する。これに対して仙田氏も、「コミュニティーマーケティング的なアプローチをする際には、投稿の質をそこまでコントロールしないケースが多いが、プレステージブランドなど、世界観を重要視する広告主にとっては、非常に嬉しい機能だ」と語る。

  

本投稿前に専用ダッシュボード上でインフルエンサー、コンテンツの両方を可視化した上で キャンペーン管理していくことが可能

本投稿前に専用ダッシュボード上でインフルエンサー、コンテンツの両方を可視化した上で キャンペーン管理していくことが可能

  

IGC*をブランドコンテンツとして再利用

さらにindaHashは、インフルエンサーが投稿したコンテンツを二次利用できるような仕組みを構築。資生堂ジャパンをはじめ、すでに国内外の大手ブランドがこの取り組みを実施している。また広告コンテンツ制作最大手のamana(アマナ)と提携することで、ライツチェックも可能となっている。下記の図にあるように、反応が良好だったインフルエンサーが投稿したコンテンツを、公式アカウントや広告クリエイティブとして、二次的にブランドコンテンツとして再利用できるのだ。  

  

コンテンツを二次利用した事例

コンテンツを二次利用した事例

  

「ワタシプラスのランディングページにIGCを活用し始めているが、コンバージョンレートが向上している」と、仙田氏は語る。「安心安全なIGCは、ひとつの解決策として、うまく活用していきたい」。

消費者が創造主であり発信者になったいま、「彼らはもはやターゲットではなくパートナーだ」と、仙田氏は話す。このように、インフルエンサー、つまりは消費者をパートナーとして捉え、彼らから発信されるコンテンツをいかに活用していくか、という点も今後、焦点になっていくのだろう。

オールウェイズ・オン

「インフルエンサーは、ブランドと消費者をつなぐ、無くてはならない存在」と、indaHashでは定義していると、野村氏は強調する。継続的に消費者とつながりを持っていくためには、インフルエンサーマーケティングを、「従来のワンショット的なキャンペーンではなく、オールウェイズ・オン型に大きくシフトしていく必要がある」のだ。

そのために、消費者にとっても、ブランドにとっても誠実なプラットフォームでありたいと、野村氏は締めくくった。

*IGC:Influencer Generated Contentsの略。ブランドの意図を汲み取ったインフルエンサーが生成するコンテンツ。プロシューマである彼らが代弁者としてブランドメッセージを発信していくマーケティング手法は、UGC(User Generated Contents)と異なり、再利用承認のやり取りや肖像権、著作権の問題を事前にクリアに出来ている利点がある。自然発生するコンテンツを待つ形となるUGCに不向きな、新商品やラグジュアリーブランド、無形商材を中心にコンテンツマーケティングの新手法として注目されている。

Sponsored by indaHash

Written by 内藤貴志
Photo by 渡部幸和