実店舗の販売代理店を支援する、オンライン小売企業たち

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オンライン小売企業のあいだで、実店舗を閉じている販売代理店をオンライン販売で支える動きが広がっている。

現在D2Cブランドとプラットフォームは、実店舗での売り上げの減少をECで補填している。たとえば高級時計プラットフォームのホディンキー(HODINKEE)、持続可能なドリンクボトルブランドのコークサイクル(Corkcicle)、服のレンタルサービスのワードローブ(Wardrobe)といった企業はそれぞれのECプラットフォームを活用し、自社製品の販売代理店を支援している。

ECプラットフォームを立ち上げ

4月にホディンキーは、これまで販売提携してきた実店舗中心の企業が店を閉じているあいだ、各社や自社が展開する時計ブランドが参加できるECプラットフォームを立ち上げた

ホディンキーの最高商業責任者ラッセル・ケリー氏は「時計業界は家内工業であり、実店舗への依存度が非常に高い」と語る。現在収益の減少に苦しんでいるのは時計ブランドだけではなく、米国のカスタマーにブランドを広めるため協力してきた小売企業も同様だ。

16のブランドが展開する数百の時計を扱う同社では現在、小売企業のために注文へのフルフィルメントに対応する倉庫を提供しているという。さらに「いま積極的に小売活動を行いたい」企業のために、ホディンキーのオンラインショップも販売チャネルとして利用できるようにしている。

エディトリアルコンテンツ制作も

ケリー氏によれば、このソリューションはスイスのブランドのノルケイン(Norqain)など、EC機能を持たない時計企業に向けたものだという。また、もともとエディトリアルのプラットフォームとして出発したホディンキーは、こういった小売企業用にエディトリアルコンテンツ制作も請け負っている。たとえば実店舗のプロフィールや購入を考えているオーディエンス用の連絡先などだ。

ホディンキーはほかにも売り上げの10%がコロナウイルス救援基金(Coronavirus Relief Fund)に入る限定版の販売も行っており、状況が落ち着くまで継続していく予定だという。ケリー氏によれば高額な限定版は時計愛好家によってすぐに売り切れる傾向にあり、店舗が閉じているあいだの収入源となりうる。

ケリー氏によればこの発表後、同社のECプラットフォームのトラフィックは20%上昇したという。ニッチなカスタマーベースを抱える同社は、流通経路を確保できないブランドにECプラットフォームを提供することとでトラフィックの増加という恩恵も受けているのだ。

ドライクリーニングの受け渡し

服のレンタルサービスを提供するワードローブでは、ドライクリーニングのパートナー企業を支援する活動を行っている。ドライクリーニングを注文するカスタマーのための服の受け渡しサービスを提供しているのだ。

「当社のストアでドライクリーニングの服の受け渡しを無料で行えるようにしている」と、CEOのアダーシュ・アルフォンス氏は語る。また、同社のレンタルしていない服についても、このサービスを広げる予定だという。

ワードローブは2019年秋にニューヨークで立ち上げられた企業だ。ニューヨークではドライクリーニングは日常に欠かせない業務に指定されているため、追加業務とすることに支障はない。アルフォンス氏によれば、同社ではビンテージの服レンタルサービス全体が減速しているなか宅配サービスは「コスト負担が大きい」という。

地元の実店舗に収益を還元

一方、ドリンクボトルを販売するコークサイクルでは3月第4州に#SupportLocal(地元を支援しよう)という取り組みを開始した。これは「パートナー企業のオンラインプラットフォームでの収益を、地元の実店舗に還元する」仕組みとなっている。

「4月10日から、コークサイクルで買い物をしたカスタマーが、米国を拠点とするコークサイクルの販売代理店から好きに選んで支援できるようになる」と、同社は説明している。このキャンペーンが終了するまで販売実績は算出されないが、同社は地元の店舗から「直接購入したのと同様」になるよう取り組んでいるという。

Gabriela Barkho(原文 / 訳:SI Japan)
Photo by Shutterstock