今年のホリデーセールは10月から? 早期化に備える小売業界

新型コロナウイルスの影響で、小売業界は今年の主要イベントの方針の見直しを余儀なくされている。ホリデーシーズンも例外ではない。

コールズ(Kohl’s)のCEO、ミシェル・ガス氏は、同社が「10月から始まるホリデー需要の早期化」を予想していると述べた。ターゲット(Target)のCEO、ブライアン・コーネル氏も8月下旬、「ベストプライスのホリデーオファーの提供期間を拡大」し、10月からホリデーシーズンの買い物を始める顧客に対応する意向を示した。

結果として、ターゲットなど多くの小売業者が、ホリデーセールを例年より長期間にわたって展開しようとしている。また、小売業者は店舗からの発送やオンライン購入商品の店舗受取といった迅速なフルフィルメントオプションの対象商品を増やし、シーズンに備えている。同時に、従来の購買パターンが大きく変化しつづけるなか、今シーズンの商品の流行り廃りを把握しようとしている。たとえば、ターゲットはハロウィーンに向け、家庭でハロウィーンを祝う家族向けの装飾やコスチュームをより多く扱う予定だ。一方、コールズは「快適で着心地のいい」アパレル商品の販売に力を入れると、ガス氏はアナリストに述べた。

ホリデーシーズンが早まる3つの理由

消費者が今年はホリデーシーズンの買い物を早めに開始するだろうと業界が予測している理由はいくつかある。第1に、秋になっても消費者は混雑の可能性のある店舗への来店をためらう可能性が高い。そのため店舗ではなくオンラインで買い物をする、あるいは比較的混雑していない日に来店することが見込まれる。

第2に、新型コロナウイルスが流行するなか、多くの小売業者は特定商品に対する想定外の需要増加や、工場やサードパーティーロジスティクスの操業状況の変化によって、タイムリーに注文処理をおこなうのに苦労した。これにより、消費者は特定商品を確実に期日までに入手するため、ホリデーショッピングを早めに開始するだろうと、一部のアナリストは考えている。

最後に、Amazonが毎年恒例のプライムデーのイベントを2020年の第4四半期に延期した(同社は正確な日付を明らかにしていない)ことで、消費者がホリデーショッピングの時期をある程度このイベントに合わせる可能性がある。

プライムデーは暫定で10月5日から

これに関してeマーケター(eMarketer)のアンドリュー・リップスマン氏は、プライムデーに合わせてホリデーショッピングを楽しむ消費者もいるだろうが、ブラックフライデーやサイバーマンデーに予想される膨大な売上高を大きく切り崩すようなレベルにはならないだろうと考えを示した。

「eコマースは成長著しく、私の予想では今年の残りの期間も、購入活動の主体は実店舗からオンラインに移行したままだ」と、同氏はいう。eマーケターによれば、米国の総小売売上高は前年比10.5%減の4兆8940億ドル(約521.4兆円)になるものの、eコマースの売上高は18%増加する見込みだ。リップスマン氏は、例年なら実店舗が獲得していたであろう売上の一部がプライムデーに流れると考えている。

セールスフォース(Salesforce)で小売インサイト戦略担当バイスプレジデントを務めるロブ・ガーフ氏によると、同社が選定したオンライン小売業者トップ500のうち、51%が昨年プライムウィークに合わせてセールを開催した。つまり、Amazonが今年のプライムデーセールをいつ実施するとしても(同社はセラーに対し10月5日の週を「暫定」日程として伝えている)、顧客はその周辺の時期にほかのセールも見て回ると考えられるため、小売業者は支出の一部を取り込むために準備しておく必要があるだろう。

購買習慣における2つの大変化

ターゲット、コールズ、ウォルマート(Walmart)、ディックス・スポーティング・グッズ(Dick’s Sporting Goods)など米国の小売業者の多くが今年の感謝祭の祝日に休業することを表明しており、このことも購買習慣に大きな変化をもたらすだろう。リップスマン氏は、感謝祭はショッピングの日という認識はまだ消費者のあいだで根強いため、例年に比べ感謝祭のモバイル・オンラインショッピングは活発になるだろうと述べた。

小売業者が対応に追われている、もうひとつの購買習慣の大きな変化として、今年は多くの顧客が商品の受け取りのための入店をためらい、店内で過ごす時間をできるかぎり短縮しようとすることが予測される。このことから、オンライン購入の増加に加えて、パンデミックのピーク時に急増したカーブサイドピックアップ(店舗付近での受取)の利用が続く可能性が高い。アドビ(Adobe)によると、オンライン購入商品の店舗受取による売上高は7月、前月比で23.3%増加した。

パンデミック以前にしっかりしたカーブサイドピックアップのサービスを提供できていなかった小売業者は、「その場しのぎを脱し、スケール化をはかる」必要があると、ガーフ氏はいう。

「そのためには、カーブサイドピックアップのプロセスを自動化し、実店舗の従業員に研修を受けさせ、店内業務とフルフィルメントのバランスをとれるよう従業員にインセンティブを与える必要がある」と、ガーフ氏は述べた。

[原文:)How retailers are preparing for an earlier holiday shopping season

Anna Hensel(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:長田真)