多くのブランドにとって、万人向けの戦略がないSnapchat(スナップチャット)は、使いこなすのが難しいプラットフォームだ。スターウッド(Starwood)やヒルトン(Hilton)などのホテルチェーンは、ブランドジオフィルター機能の実験的な試みに取り組んでおり、アディダスオリジナルス(Adidas Originals)では、ミュージシャンのファレル・ウィリアムスなど、セレブとのコラボに大きく依存している。
一方、オンライン下着ショップのミアンディーズ(MeUndies)は独自のアプローチを取った。Snapchat限定製品や、TVコント風動画といった形のオリジナルコンテンツを作成し、バニティURL(ブランドや個人の名前が入ったURLのこと)につなげてユーザーアクションを喚起しているのだ。
多くのブランドにとって、万人向けの戦略がないSnapchat(スナップチャット)は、使いこなすのが難しいプラットフォームだ。スターウッド(Starwood)やヒルトン(Hilton)などのホテルチェーンは、ブランドジオフィルター機能の実験的な試みに取り組んでおり、アディダスオリジナルス(Adidas Originals)では、ミュージシャンのファレル・ウィリアムスなど、セレブとのコラボに大きく依存している。
一方、オンライン下着ショップのミアンディーズ(MeUndies)は独自のアプローチを取った。Snapchat限定製品や、TVコント風動画といった形のオリジナルコンテンツを作成し、バニティURL(ブランドや個人の名前が入ったURLのこと)につなげてユーザーアクションを喚起しているのだ。このアプローチを通じ、同社は先月、ラウンジパンツ新色キャンペーンでSnapchatトラフィックからのコンバージョン率16%を達成(つまり、キャンペーンのバニティリンクを見たSnapchatユーザーのうち16%が実際にミアンディーズのWebサイトを訪問した)。これは平均的なコンバージョン率の5倍にあたるという。
「ミアンディーズでは、Facebook、インスタグラム、Twitterよりも、Snapchatでのエンゲージメントのほうが高い。人々は、ひと昔前にテレビを見ていたのと同じ感覚でSnapchatを見ていると思う」と、ミアンディーズのマーケティングを統括するダン・キング氏は語る。「ライター、コメディアン、俳優を雇ってSnapchat向けの面白コンテンツを作ってきたが、非常にうまくいっている」。
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カギは笑える要素をもつこと

新色「絞り染め」ラウンジパンツのSnapshat限定ローンチ。
ミアンディーズのソーシャルメディア担当であるボブ・ウォルフレイ氏によると、お笑い要素のあるストーリーテリングがカギだという。ウォルフレイ氏は、2年以上Snapchatでの実験を繰り返し、「1週間に2回から3回、各ストーリーにつき10から15のスナップ」がもっとも効果的な処方であると学んだ。ミアンディーズのコンテンツは、舞台裏ものから製品ニュース、コントまで多岐に渡る。
たとえば、ウォルフレイ氏自身とパートナーシップ&インフルエンサーマーケティング担当のグレッグ・ファス氏が出演する「ラウンジオフ(Lounge Off)」というシリーズを展開。動画のなかで、ふたりはスターバックスのテーブルの上や横断歩道の真ん中といった、絶対にリラックスできないような場所で、ラウンジパンツをはいてくつろいでみせる。各エピソードの最後には、このパンツが買えるミアンディースのサイトのリンクが表示されるのだ。
「我々のスナップの大部分は、TVコマーシャル風にしてある」と、ウォルフレイ氏。「動画一般で、スナップごとに平均8万回の閲覧があり、80%のユーザーは最後までストーリーを見ている」。分析会社のスナプリティクス(Snaplytics)でも、11から20のスナップのストーリーが最後まで閲覧される割合は、平均80%としている。
課題はいかに俊敏に製作するか
今後、ミアンディーズでは、インフルエンサーに頼るのではなく、ライターやコメディアンの数を増やし、もっとオリジナルシリーズを製作していくという。「コンテンツは自分たちがコントロールしたい」と、キング氏。「必要であれば、新製品紹介動画は、これからもインフルエンサーにお願いする。ただし、インフルエンサーのフォロワーをうちのアカウントに向けてもらうのではなく、コンテンツをインフルエンサー自身のアカウントで配信してもらう」。
ミアンディーズのように、Snapchatをテレビのように扱い、ナレーションつきのシリーズを製作している企業は多い。Snapchat、WPP、デイリーメール(DailyMail)がバックアップするエージェンシー、トリュフ・ピッグ(Truffle Pig)のプレジデント、ポール・マーカム氏によると、各スナップはひとつのストーリーとして見られるかもしれないが、Snapchatには「テレビとは違うアプローチが必要。ブランドのプレゼンレベルも異なる」という。つまり、ブランドには敏捷性が求められ、コンテンツを迅速に製作していかなければならないということだ。
「Snapchatで一番難しいのは、頑張った感を見せないことだ」と、マーカム氏。「テレビのような大掛かりなプロダクションは不要だが、Snapchatのオーディエンスと同様、『その場限り』感を出すのがコツ」。
現在のところ、ミアンディーズでは、Snapchatの広告商品に手を出す予定はない。しかし、Snapchatのeコマース広告には関心を抱いており、ユーザーがスワイプアップすると製品詳細が表示され、購入に進めるものには興味があるという。「現在、企画案を検討中であり、今年後半にはSnapchatへの投資を行うかもしれない」とキング氏は述べている。
Image from MeUndies
Yuyu Chen(原文 / 訳:片岡直子)