急成長中の住宅改修ブランド、 キャラクター (Character)は、独学で DIY を学んだ人々の注目を集めてビジネスを勝ち取ることをめざしている。住宅改修をテーマにした番組に出演するミナ・スタルシャク・ホークとの提携や住宅改修のための教育的DIYコンテンツの作成で、将来のさらなる成長を図る。
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
住宅改修ブランドのキャラクター(Character)は、独学でDIYを学んだ人々の注目を集めてビジネスを勝ち取ることをめざしている。
キャラクターは工具箱、ツールセット、プロジェクトキットなどの商品を販売しており、自社ウェブサイトと、インスタグラムなどのソーシャルメディアのチャネルに、新しい住宅改修のアイデアを人々に紹介するDIY動画を毎週投稿している。同社はこの夏、HGTVの番組のグッドボーンズ(Good Bones)に出演しているミナ・スタルシャク・ホークを最高デザインおよび構築責任者に指名した。同氏はキャラクターと共同で新しいDIYコンテンツを作成するとともに、新商品の開発に取り組む。これらの取り組みは、キャラクターを将来的な成長に導くことが期待されている。
Advertisement
これらの企業戦略のおかげで、キャラクターは今年、3倍の成長を遂げる見込みだ。ソーシャルメディアでは、住宅改修ツールの手入れ方法など、ほかにも教育的なDIYコンテンツも作成している。インスタグラムリール(Instagram Reels)でもっとも人気になった投稿のひとつは、キッチンにペグボードを設置すべき3つの理由を解説したもので、5万回以上も再生された。
オールインワン・リソースをめざす
創業者のスザンナ・シューマッハー氏は、住宅改修の愛好家向けに、オールインワン・リソースになることをめざしていると語る。約45のSKU(在庫管理単位)とDIYコンテンツをサイト上で提供しているほか、買い物客に対して、専門家によるリアルタイムでのテキストのサポートも行っている。創業からわずか1年余りで、ザ・コンテイナー・ストア(The Container Store)に注目され、小売販売のパートナーシップを結ぶことになった。
「当社以外では、説明、商品、サポートのすべてがある統一された場所が存在しない。それを実現するには、商品と一緒に、強力な視覚教材とコンテンツによる教育を組み入れる必要があると考えている」と、シューマッハー氏は述べる。
2022年3月に創設された同ブランドは、ミレニアル世代や、年配のZ世代のDIY愛好家を主な対象としているという。ザ・コンテイナー・ストアやフレームブリッジ(Framebridge)の店舗を含む全国125店舗で商品を販売している。ハンマー、ネジ、ペンチなどの標準的なツールのほか、照明器具の取り付け、ギャラリーウォール、穴あけ補修のためのプロジェクトキットも販売している。
DIYのプロセスを支援するコンテンツ
プロジェクトキットには多くの場合、動画による詳細な手順のチュートリアルや、インタラクティブな視覚的ガイドが付属している。たとえばギャラリーウォールキットには、詳細な手順とキットの各部品の使い方を紹介する、5分間のチュートリアルが付属している。一方、穴あけ補修キットには、補修しようとしている穴の種類(壁のひび割れや釘大の小さな穴など)を尋ねてから、正しい作業の進め方を解説する、インタラクティブなガイドがある。
「インスタグラムで当社をフォローしている人々や、ウェブサイトを訪問する人々に対して、何を行いたいのか、そしてどうすればそれを行えるのかのアイデアを提供し、それらを明確にするプロセスを支援するような教育を、人々に与えたいと思っている」と、シューマッハー氏は語る。商品をプロモーションするためのDIYのオンラインクリエイターとも協力している。
「この種の商品に特有な要素のひとつは、多くの場合、商品を消費する人々が、自宅について何かをする方法を理解するために動画を探しているということだ」と、エモリー大学(Emory University)のビジネススクール(Emory University)の助教授を務めるダン・マッカーシー氏は語る。キャラクターのコンテンツ戦略では、人々が購入を決定するまでの購買行動も考慮されていると、同氏は述べている。
キャラクターの対象オーディエンスは、一般に住宅改修の専門家ではないとも、マッカーシーは付け加える。自社商品をプロモーションする高品質のコンテンツを投稿することで、買い物客はより多くの価値を見いだし、商品についてより多くの使用例を知ることができる。
ミナ・ホークとの強力なタッグ
キャラクターのシューマッハー氏は、チームはサードパーティー企業と協力してDIYコンテンツを作成していると語る。ミナ・ホークがブランドと協力することで、同氏の技術がコンテンツ戦略に取り入れられることが期待されている。現在、キャラクターはミナ・ホークが登場するコンテンツを作成しており、これには一部のプロジェクトについての短い特別レッスンが含まれる。また、ホークと共同デザインの商品も開発中だ。
「ホーク氏の技術は比類がないものだ。たとえば建築プロジェクトを一から行い、また非常に優れたデザイン感覚を持ち合わせている。したがって、社内ではホーク氏の意見を非常に重要視している。社外では我々のコアオーディエンスに対して真摯に語りかけてくれている」とシューマッハー氏は語る。
[原文:How home improvement brand Character is using content to attract DIYers]
Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Character