今年もショッピングのシーズンがやってきた。そんな収穫期を迎えた小売各社はいま、ショッピング体験のシームレス化を推し進めている。実店舗へのモバイルチェックアウトの導入に目を向けている企業が増えているのだ。
今年もショッピングのシーズンがやってきた。
そんな収穫期を迎えた小売各社はいま、ショッピング体験のシームレス化を推し進めている。実店舗へのモバイルチェックアウトの導入に目を向けている企業が増えているのだ。
レジ以外の場所で決済を完了
店員介在型モバイルチェックアウトのテストを半年間にわたって行ってきたウォルマート(Walmart)は11月、Apple Storeスタイルのモバイルチェックアウト「チェックアウト・ウィズ・ミー(Checkout with Me)」を公開。顧客は列に並ぶ代わりに、ハンドヘルド端末を持った店員にその場で精算を手伝ってもらえる。
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ギャップ(Gap Inc.)はホリデーラッシュの「ラインバスティング(レジ以外の場所で店員が決済を完了できるようにすること)」に向けて、モバイルチェックアウトをギャップ、オールド・ネイビー(Old Navy)、アスレタ(Athleta)、バナナ・リパブリック(Banana Republic)のほぼ全店に拡大、合わせて顧客が店内で商品を見つけるのを手伝うモバイル機能も追加した。ターゲット(Target)とコールズ(Kohl’s)もホリデーシーズンのレジ列を解消すべく、同様の機能をローンチする。
また、サムズ・クラブ(Sam’s Club)とメイシーズ(Macy’s)もモバイル「スキャン&ペイ」機能を公開している。ただしサムズ・クラブとメイシーズに関しては、顧客は店を出る前に、係員に購入を確認してもらう必要がある。
「すべてが至極簡単であるべき」
ウォルマートの広報担当者レイガン・ディケンズ氏は、「目的は、顧客を急いで店から出すことではなく、彼らに選択肢を与えることだ。従来式の精算がいいのか、それともほかの選択肢がいいのかという」と話す。
店員の介在の有無を問わず「スキャン&ゴー」はシンプルさが売りだが、Amazonが展開するレジ係のいない「ジャスト・ウォーク・アウト(just walk out:出て行くだけ)」モデルの域にまではまだ到達していない。こうしたツールのなかには、カートの再チェックが要求されるものもあれば(例:サムズ・クラブ、メイシーズ)、混雑した店内で店員を追いかけなければならないものもある。また、スキャン&ゴーは旧来の精算モデルを改善したものである一方、その展開により、精算のステップを完全に排除する「Amazon Go」スタイルの技術を消費者が求めるようになるかどうかはまだわからない。
「このプロセスに関しては、そこにはまだ至っていっていない」と、ターゲットやナイン・ウエスト(Nine West)などの企業を顧客に持つコンサルティング会社、フルーエントコマース(Fluent Commerce)のバイスプレジデントを務めるビル・フレンド氏は語る。「すべてが至極簡単であるべきだ。店内を物色し、商品をカバンに入れ、そして立ち去るという」。
Written by Suman Bhattacharyya(原文 / 訳:ガリレオ)
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