Z世代とアルファ世代はよく似ているように思えるかもしれないが、これらの若い世代を研究しているいくつかのエージェンシーは、彼らがどのようにメディアを消費し、ゲームをし、ブランドと交流するかについて、ニュアンスや違いを発見している。
7月、ピュブリシス(Publicis)のインタラクティブエージェンシーであるレーザーフィッシュ(Razorfish)は、ふたつの世代の違いと共通点を論じたアルファ世代調査を発表した。この調査は、調査パートナーであるGWIとパイナップル・ラウンジ(The Pineapple Lounge)と共同で、米国在住の両世代の回答者900人以上を対象に行われた。
アルファ世代も「大人」になろうとしている
調査リポートによると、アルファ世代はミレニアル世代やZ世代の中の年長者の子どもたちであり、2024年までに全世界で約22億人に達すると予想されている。アルファ世代は(2010年以降生まれの)17歳以下であるのに対し、Z世代は18歳~25歳だ。
レーザーフィッシュとともに、オムニコム(Omnicom)やWPP傘下のワンダーマン・トンプソン(Wunderman Thompson)などのエージェンシーは、完全にデジタルオンリーのこの世代のやり方と習慣を学ぶために、アルファ世代を調査してきた。レーザーフィッシュのプレジデント、ダニ・マリアーノ氏は、「新たな方法、新たなチャネルで、より高い基準でマーケティングすることを強いる」アルファ世代のデジタル感覚に、企業は不意を突かれたと説明する。
「我々は、この将来有望な世代を調査するのに、適切な時期が来ていると感じた。というのも、現実に、この世代の最年長者はすぐに大人になろうとしている」とマリアーノ氏は言う。「しかし、ほとんどのブランドやエージェンシーは“現在”に集中している」
以下に紹介するものは、Z世代とアルファ世代の違い、そして消費者としての彼らについてエージェンシーが学んだことの一部だ。
プラットフォーム、デバイス、ゲーム
アルファ世代にとって、デバイスやハイテク機器の使用は早い時期から始まっている。3~5歳のあいだにすでにタブレットを持ち始め、43%は6歳までにタブレットを持っている。6歳~7歳のあいだに、ゲーム機、イヤホン、スマートTVなど、より複雑なテクノロジーを使い始める。レーザーフィッシュによれば、ノートパソコンは8歳~9歳のあいだに、スマートフォンは10歳までに利用を始める。
ゲームは(Z世代とアルファ世代)どちらの世代にとっても主要な趣味となる。しかし、アルファ世代には、ゲームは創造性を表現する手段だと考えられている。逃避やリラックスを目的にするZ世代のゲーマーに比べ、彼らは自分の世界を構築し創造することを好む。
YouTubeは、エンターテイメント、検索、商品発見のいずれにおいても、アルファ世代にとってトップのプラットフォームとして際立っていた。レーザーフィッシュの調査によると、アルファ世代の51%が動画プラットフォームを通じて初めてブランドを知るのに対し、Z世代の47%はインスタグラムやTikTokのような従来のソーシャルメディアでブランドを知ることがわかった。
メディアおよびソーシャルエージェンシーであるIMGNメディア(IMGN Media)の最高戦略責任者、ノア・マーリン氏は、どちらのグループも主要プラットフォームを利用しているが、使い方が違うと言う。「実のところ、たとえばYouTubeのような同じプラットフォーム上にいるが、『ショート(Shorts)』を使うことのほうが多く、行動パターンが違う」とマーリン氏は話す。
マーリン氏はまた、ロブロックス(Roblox)のようなゲームとソーシャルを組み合わせたプラットフォーム上で、ブランドが「ブレンド」を目にする機会が増えていると指摘する。「以前のモデルは、人々がテレビを見ながらスマートフォンも使っていることを想定していた。アルファ世代にとっては、スマートフォンの『クイズレット(Quizlet)』で勉強しながら、家族のロク(Roku)でテレビを使ってYouTubeをバックグラウンドで見たり、パソコンを使って友達とマインクラフト(Minecraft)で遊んだりするようなものだ」とマーリン氏は付け加える。
Z世代とアルファ世代はよく似ているように思えるかもしれないが、これらの若い世代を研究しているいくつかのエージェンシーは、彼らがどのようにメディアを消費し、ゲームをし、ブランドと交流するかについて、ニュアンスや違いを発見している。
7月、ピュブリシス(Publicis)のインタラクティブエージェンシーであるレーザーフィッシュ(Razorfish)は、ふたつの世代の違いと共通点を論じたアルファ世代調査を発表した。この調査は、調査パートナーであるGWIとパイナップル・ラウンジ(The Pineapple Lounge)と共同で、米国在住の両世代の回答者900人以上を対象に行われた。
アルファ世代も「大人」になろうとしている
調査リポートによると、アルファ世代はミレニアル世代やZ世代の中の年長者の子どもたちであり、2024年までに全世界で約22億人に達すると予想されている。アルファ世代は(2010年以降生まれの)17歳以下であるのに対し、Z世代は18歳~25歳だ。
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レーザーフィッシュとともに、オムニコム(Omnicom)やWPP傘下のワンダーマン・トンプソン(Wunderman Thompson)などのエージェンシーは、完全にデジタルオンリーのこの世代のやり方と習慣を学ぶために、アルファ世代を調査してきた。レーザーフィッシュのプレジデント、ダニ・マリアーノ氏は、「新たな方法、新たなチャネルで、より高い基準でマーケティングすることを強いる」アルファ世代のデジタル感覚に、企業は不意を突かれたと説明する。
「我々は、この将来有望な世代を調査するのに、適切な時期が来ていると感じた。というのも、現実に、この世代の最年長者はすぐに大人になろうとしている」とマリアーノ氏は言う。「しかし、ほとんどのブランドやエージェンシーは“現在”に集中している」
以下に紹介するものは、Z世代とアルファ世代の違い、そして消費者としての彼らについてエージェンシーが学んだことの一部だ。
プラットフォーム、デバイス、ゲームとの多様な関わり
アルファ世代にとって、デバイスやハイテク機器の使用は早い時期から始まっている。3~5歳のあいだにすでにタブレットを持ち始め、43%は6歳までにタブレットを持っている。6歳~7歳のあいだに、ゲーム機、イヤホン、スマートTVなど、より複雑なテクノロジーを使い始める。レーザーフィッシュによれば、ノートパソコンは8歳~9歳のあいだに、スマートフォンは10歳までに利用を始める。
ゲームは(Z世代とアルファ世代)どちらの世代にとっても主要な趣味となる。しかし、アルファ世代には、ゲームは創造性を表現する手段だと考えられている。逃避やリラックスを目的にするZ世代のゲーマーに比べ、彼らは自分の世界を構築し創造することを好む。
YouTubeは、エンターテイメント、検索、商品発見のいずれにおいても、アルファ世代にとってトップのプラットフォームとして際立っていた。レーザーフィッシュの調査によると、アルファ世代の51%が動画プラットフォームを通じて初めてブランドを知るのに対し、Z世代の47%はインスタグラムやTikTokのような従来のソーシャルメディアでブランドを知ることがわかった。
メディアおよびソーシャルエージェンシーであるIMGNメディア(IMGN Media)の最高戦略責任者、ノア・マーリン氏は、どちらのグループも主要プラットフォームを利用しているが、使い方が違うと言う。「実のところ、たとえばYouTubeのような同じプラットフォーム上にいるが、『ショート(Shorts)』を使うことのほうが多く、行動パターンが違う」とマーリン氏は話す。
マーリン氏はまた、ロブロックス(Roblox)のようなゲームとソーシャルを組み合わせたプラットフォーム上で、ブランドが「ブレンド」を目にする機会が増えていると指摘する。「以前のモデルは、人々がテレビを見ながらスマートフォンも使っていることを想定していた。アルファ世代にとっては、スマートフォンの『クイズレット(Quizlet)』で勉強しながら、家族のロク(Roku)でテレビを使ってYouTubeをバックグラウンドで見たり、パソコンを使って友達とマインクラフト(Minecraft)で遊んだりするようなものだ」とマーリン氏は付け加える。
ブランドとの関係は
オンラインプラットフォームやデバイスへのアクセスが増えたことで、アルファ世代のブランドへの成熟が加速していることが、レーザーフィッシュの調べでわかった。以前は大人向けだったブランドが、アルファ世代の消費者が子供向けブランドから離れるにつれて、彼らを引き込むようになっている。Netflix(ネットフリックス)、ディズニー(Disney)、任天堂、Amazon、ナイキ(Nike)、Appleなどが彼らのお気に入りブランドだ。
マーケティングおよびエンゲージメントのプラットフォームであるコーディアル(Cordial)で戦略コンサルティングディレクターを務めるクリスティー・パリッシュ氏は、アルファ世代はソーシャルメディアに影響されるだけで、購買力はほとんどないという誤解を否定する。現実には、彼らは両親や家族の決断を左右し、小売体験を形成する上で大きな役割を果たしている、と同氏は言う。
「アプリベースの機能を活用することで、ティーンエイジャーより少し年下の子どもが衣類を購入する際に、親たちに送信して承認と資金を得ることができるようにする小売業者さえ見られる」とパリッシュ氏は言う。「つまり、家族中心のキャンペーンは、このグループに向けて行うのが効果的だ」
さらに重要なことは、ブランドとの将来の関係は、特定のブランドの代表者ではなく、インフルエンサーやコンテンツクリエイターといった人々を通じて形成されるということだ。ソーシャルエージェンシーのビリオンダラーボーイ(Billion Dollar Boy)は、ブランドはデータを収集するために、タレントとの戦略的提携を通じて、アルファ世代とコンテンツのテストを始めることができると述べている。
ビリオンダラーボーイのグローバルCEO、エド・イースト氏はこう話す。「ブランドは、より共感できる方法で消費者と効果的にコミュニケーションをとるために、インフルエンサーを必要とするだろう。アルファ世代の消費者は、本物の人間の経験や声を反映しないブランドを見分けるようになるだろう」
アイデンティティーと情熱
アルファ世代は、Z世代に比べて目的意識をより重視しているようだ。Z世代が目的を持つことに関心がないとは言わないが、アルファ世代の約30%が、将来の職業選択として、それぞれ、困っている人たちや動物を助けることを挙げている(レーザーフィッシュ調べ)。対照的に、人助けや動物を助けることが自分のキャリア選択であると答えているZ世代は15%だった。
さらに、レーザーフィッシュは、アルファ世代がサステナビリティ、インクルージョン、オープンな世界観を重視し、これらの価値観においてZ世代を上回っていることを明らかにした。さらに、アルファ世代にとっては、若いうちでさえメンタルヘルスが優先課題のひとつだ。8~10歳の75%がメンタルヘルスについて考えており、運動や屋外での活動、家族や友人との会話を大切にしている。調査では、コロナ禍がアルファ世代のテクノロジーの導入と加速に影響を与えていること、ただしこの世代はオンラインの活動とオフラインの活動の健全なバランスを見つけようとしていることにも触れている。
「アルファ世代にとって、メンタルヘルスのサポートは、ブランドへの親近感や購入検討の大きな原動力になるだろう」とリポートは指摘している。
ジャーニー・ファーザー(Journey Further)のインフルエンサーマーケティングディレクターであるローレン・マクファーランド氏は、アルファ世代がメンタルヘルスとウェルビーイングに対する高い意識を持っていることに同意する。
「だからこそ、ブランドは創造性と順応性を備える必要がある」とマクファーランド氏は付け加える。「バーチャルな世界でも現実の世界でも、アルファ世代にとって意味のある瞬間や体験をどのように作り出せるかを考える必要がある。しかも、スピードが重要だ。この世代は生まれてこのかたずっと、YouTube広告をスキップしているのだから」
[原文:Here are the key differences between Gen Z and Gen Alpha that brands and agencies need to understand]
Antoinette Siu(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:分島翔平)