［ DIGIDAY＋ 限定記事 ］ハイネケン（Heineken）は、アドテクパートナーにテイクレート以上のものを共有するよう求めている。

広告主であるハイネケンが求めているのは、エクスチェンジによるオークションの扱い方に関するさらなる情報だ。そうした情報があれば、落札する可能性がもっとも高いオークションにのみ入札できるからで、このプロセスはサプライパス最適化（SPO）として一般に知られている。ハイネケンはすでに、プログラマティック広告を購入しているデマンドサイドプラットフォーム（以下、DSP）を通じて、こうした決定をある程度下しつつあるが、アドテクが入札のカスタマイズに利用している情報は限られている。オークションを管理しているため、ハイネケンにプログラマティック広告を販売しているサプライサイドプラットフォーム（以下、SSP）のほうが、そういった情報をより多く持っている。

そうした洞察を得られれば、ハイネケンは、価値を付加するアドテクベンダーにプログラマティック支出をまとめることができる。テック手数料がそうした企業の差別化に頻繁に利用されていることを考えると、これはハイネケンにとって常に気がかりな事柄だ。「プログラマティックの費用と手数料に焦点を当てるだけだと、ビューアビリティ（可視性）や詐欺、不適切なコンテンツなどの面で、好ましくない広告枠に行き着く」と、ハイネケンのグローバルメディア担当責任者であるロン・アムラム氏は語る。

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会話につながるデータ

ハイネケンは、割高なプライベートマーケットプレイス（以下、PMP）からより多くのプログラマティック広告を購入しているので、今後12カ月間でそうした情報が非常に有益だとわかる可能性がある。インベントリー（在庫）がキュレートされてきたと知ることによる安心感は、その購入に必要な費用によって差し引きされる。ハイネケンはオープンなマーケットプレイスから広告を購入し続ける意向だが、そうした購入の透明性不足により、入札はPMPでの取引がさらに増えてきた。

「今年は供給をどうキュレートするか考えを練ることが大きな焦点となり、PMPでの取引をどう増やすかに目を向けたり、好ましいインベントリーをより多く確保する方法を理解したりする必要がある」と、アムラム氏はいう。

だが、ハイネケンは、SSPから入手した情報を利用して、オープンなマーケットプレイスでもっと安上がりに同じだけのインプレッションを確保できれば、PMPにそれほど支出する必要がなくなる。

「インベントリーをキュレートする方法については、会話につながるデータがもっと必要だ。インベントリーとそのパフォーマンスがもっとはっきりわかるように、DSPと我々の購入元であるSSP間のデータをもっとうまく統合する必要がある」と、アムラム氏は語る。

SSPに近づくひとつの方法

アムラム氏によると、SSPに近づくひとつの方法は、PMPで数年間行ってきたのと同じように、オープンオークションでの好ましい対応について交渉することかもしれないという。

アムラム氏は、オープンなマーケットプレイスでインベントリーのオークション落札の可能性を高めるために企業が将来探れる道として、デジタル広告企業グッドウェイ・グループ（Goodway Group）のSSP、パブマティック（PubMatic）との取引を挙げた。グッドウェイ・グループの取引では、パブマティックを通じて購入されたメディアはすべて、交渉で決まった単一の手数料がどのパブリッシャーにも適用され、それだけでなく、購入される広告が多くなるほど手数料も下がる。購入枠が多い広告主に報いて、単一のSSPに向けた支出の統合を効果的に促しているのだ。

エージェンシーが仲介した場合にそういった取引で広告主の利益が最優先されるかどうか疑問視しながらも、このモデルは検討する価値があると、アムラム氏は述べた。エージェンシーがすでに、特別料金と引き替えにSSPに対して優遇措置を取っている場合は、確約を得るためにほかに非公開のインセンティブが用いられているのかどうかという点で、疑念が生じる。

「エージェンシーは過去に同様の取引をまとめており、それが功を奏して我々にとって一番有利だったときもあれば、そうではなかったときもある。何かする前に、取引の背後にある詳細についてもっと理解する必要がある。顧客の利益のためにベンダーをまとめるのが、エージェンシーにとって最善だと思う。それがいいことであると願うが、何とも言えない」と、アムラム氏は語った。

Seb Joseph（原文 / 訳：ガリレオ）