2022年は強く健康的で「高級感のある」髪が大流行の兆しをみせており、このトレンドをつかもうと絶好の体制を整えているのがボンドビルディング関連のヘアケアブランドである。いま、オラプレックス(Olaplex)やK18といったブランドは、髪を強くすることで全体の見た目を改善することに力を入れている。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
2022年はとても健康的で「高級感のある」髪が大流行の兆しをみせており、このトレンドをつかもうと絶好の体制を整えているのがボンドビルディング関連のヘアケアブランドである。
ボンドビルディングで注目のトップ5ブランド
オラプレックス(Olaplex)やK18といったブランドは、髪を強くすることで全体の見た目を改善することに力を入れており、一方でレッドケン(Redken)、ロレアル(L’Oréal)、アヴェダ(Aveda)は、ボンドビルディングのために作られた独自のヒーロー製品を有している。ローンチメトリックス(Launchmetrics)がGlossyに独占提供した、2021年1月1日から2021年12月31日のあいだにもっとも話題になったボンドビルディングブランドおよび製品のトップ5ランキングでは、当然ながらオラプレックスが1位の座を獲得している。2位はレッドケンのアシディックパーフェクティング・リーブイントリートメント(Acidic Perfecting Leave-in Treatment)、3位はロレアルのエバーピュア・サルフェートフリー・ボンドストレングスニングコンディショナー(EverPure Sulfate-Free Bond Strengthening Conditioner)だ。4位にランクインしたのはK18、そして5位はアヴェダのボタニカルリペア・ストレングスニング・リーブイントリートメント(Botanical Repair Strengthening Leave-In Treatment)だった。このランキングは、ローンチメトリックス独自のメトリックであるMIV(メディア・インパクト・バリュー)に基づいている。MIVとは、インフルエンサー、印刷メディア、セレブリティ、公式サードパーティパートナー、ブランド独自のメディアチャネルの影響を追跡するものである。
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プレステージヘアケアがムーブメントに
2014年にプロフェッショナル向けチャネルでローンチし、ヘアケアにボンドビルディングを導入することに貢献したオラプレックスが1位になったのは当然といえる。米国内だけでも50万人近くのヘアスタイリストが同社の製品を使用しており、セフォラ(Sephora)やアルタビューティ(Ulta Beauty)などの小売パートナーやD2Cで消費者向け製品の販売もスタートした。同社は2021年10月に上場し、15億5000万ドル(約1780億8000万円)を調達、企業価値は140億ドル(約1兆6085億円)となっている。1月27日現在、同社の株価は月初に29.40ドル(約3380円)の高値に達した後、19.60ドル(約2250円)となっている。
「(我々の成長が示しているのは)ヘア、とくにプレステージヘアケアは、もはや単なる一過性のものではないということだ。いまではスキンケアのようなムーブメントとなっている。髪のスキンケア化、髪のプレミアム化、髪の手入れの習慣化がみられる」と、オラプレックスのCEOジュイ・ウォン氏は以前Glossyのインタビューで語っている。
オラプレックスに対抗するK18
一方、トップ5に躍り出たのがK18だ。同ブランドは、2020年12月に消費者向け製品をひとつ発売したのち、2021年3月にヘアサロン向けのプロ製品へと拡大した。2021年にはベンチャーキャピタルで2400万ドル(約27億5800万円)を調達している。K18はすでに2022年末までに80カ国に進出する計画で、プレステージの美容小売にも参入する予定だ。現在は世界中のサロンの2万店舗で販売されている。K18は2021年12月にセフォラに参入し、最初の2週間で50万ドル(約5745万円)の売上を突破したことから、セフォラでのオラプレックスの地位も侵食していると、ブランドの広報担当者は述べている。2021年8月に提出されたオラプレックスのIPO申請書(Form S-1)には、セフォラでの浸透率が7%であることが示されており、ウォン氏はこれを成長の余地が引き続きあるとして前向きにとらえている。K18の広報担当者によると、K18は2021年に2000万ドル(約23億円)の収益を上げ、2022年には7500万ドル(約86億円)の収益を見込んでいるという。
オラプレックスが自らを「テクノロジーカンパニー」と称しているように、K18は自社をバイオテクノロジー企業としてブランディングしようとしている。しかしまた、K18は、この類では唯一の、どんな髪質の人も必要とするヘアケア製品という位置付けであろうともしている。このラインにはひとつの製品しかなく、75ドル(約8620円)で販売されている。一方、オラプレックスは現在シャンプー、マスク、オイルなど8種類のボンディング製品をそれぞれ28ドル(約3220円)で販売中だ。
髪のスキンケア化にともない成長するカテゴリー
「K18にとって髪のスキンケア化(skinification)とは、レチノールが(皮膚に作用)するごとく(毛髪の)奥深くに入り込むことを意味する。これまでのヘアプロダクトが行ってきた、メイクアップのような表面的なものではない」と、K18のマーケティング・シニアバイスプレジデントのミシェル・ミラー氏は説明した。
一方、レッドケンのアシディックパーフェクティング・リーブイントリートメントも、2021年1月に発売されたばかりの比較的新しい製品だ。ロレアルのエバーピュア・サルフェートフリー・ボンドストレングスニングコンディショナーも同様に、2021年7月にデビューしている。アヴェダのボタニカルリペア・ストレングスニング・リーブイントリートメントは2020年10月発売と、やや古い。NPDグループ(NPD Group)のデータによると、2021年のヘアケア製品の売上は前年比47%増だった。この大きな成長は、少なくとも部分的には、成長しつつあるボンドビルドカテゴリーを含む、この分野の新しいイノベーションによるものである。
[原文:Glossy x Launchmetrics Research: The biggest brands in the hair bond-building space]
EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)