アドベントカレンダーは、12月初旬から白熱した議論を巻き起こしている。#chaneladventcalendarがTikTokで5540万回の視聴され、ダイエットプラダ(Diet Prada)からニューヨーク・タイムズ紙までさまざまなメディアで取り上げられる以前でもアドベントカレンダーは注目の的だった。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
アドベントカレンダーは、12月初旬から白熱した議論を巻き起こしている。#chaneladventcalendarがTikTokで5540万回の視聴され、ダイエットプラダ(Diet Prada)からニューヨーク・タイムズ紙までさまざまなメディアで取り上げられる以前でもアドベントカレンダーは注目の的だった。ローンチメトリックス(Launchmetrics)は、11月30日までで年間でもっともバズったアドベントカレンダーのトップ5を調査、その結果がGlossyに独占で提供された。
このランキングは、メディアの影響値を表すローンチメトリックス独自のメトリックであるMIVに基づいている。MIVは、インフルエンサー、印刷メディア、セレブリティ、公式サードパーティパートナー、ブランド独自のメディアチャネルの影響を追跡するものだ。ラインキング1位はジョー マローン(Jo Malone)のアドベントカレンダー、続いてシャーロット・ティルベリー(Charlotte Tilbury)のビューティドリーム&シークレット(Beauty Dreams & Secrets)アドベントカレンダー、Macのボックス・オブ・トリック(Box of Tricks)アドベントカレンダー。シャネル(Chanel)のものは第4位だった。
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シャネルのアドベントカレンダー開封動画が炎上
これまでの動向をおさらいしよう。12月の初めにエリーズ・ハーモン氏がシャネル初のアドベントカレンダーの箱を開封する一連の動画をTikTokに投稿したが、これが炎上。価格は825ドル(約9.4万円)だったが、中身は、ステッカー、空のダストバッグ(ハンドバッグの収納袋)、ワックス加工のシャネルロゴ付きストリング製ブレスレットなどだった。主要プラットフォームにはこのカレンダーに対する否定的なコメントがあふれたが、その後ハーモン氏はTikTokでシャネルからブロックされたと主張した。シャネルはアドベントカレンダーの実際の中身については触れていないが、同社のTikTokページから誰かをブロックしたことは一度もないと述べて、「当社のフォロワーは、好意的なものであろうと批判的なものであろうと、感情や意見を自由に表現できる」と、ニューヨーク・タイムズ紙に声明を出している。
近年のアドベントカレンダーの人気の理由
アドベントカレンダーは、2021年のビューティ業界における最高と最悪のものである。レビューが好意的か否定的かを問わず、ブランドはソーシャル共有のためにアドベントカレンダーを最適化しているものの、環境への負担もある。それでも、MACやシャーロット・ティルベリー、ドクター・バーバラ・シュトゥルム(Dr. Barbara Sturm)などのブランドにとっては、これは伝統であり、顧客やファンがフルサイズの製品を購入しなくてもブランドに関与して新製品を見つけられる毎年恒例の機会の一環なのである。
MACコスメティックスの最高マーケティング責任者であるエイダ・ムーダシュル=ルボワ氏によると、「MACはホリデーに数量限定でアドベントカレンダーを数年前から制作しており、毎年、24日間にわたって世界中のメイクファンにサプライズを届けている。パッケージ(の選択)から日々のギフトまでコレクターアイテムとしてアプローチしているため、最高に楽しい夢のような製品になっている。ホリデーシーズンの一番人気のギフトで、もっとも高価でもあるので、ビッグでなければ」。同氏は、MACのカレンダーの購入客はまさにそれを期待していると述べている。価格は199ドル(約2.3万円)と安くはないが、シャネルと比較するとリーズナブルだ。ルビー ウー(Ruby Woo)やレディ デンジャー(Lady Danger)などおなじみのカラーのミニリップスティックなど、象徴的なMAC製品を擁している。アイラッシュや顔料などホリデーのパーティにふさわしいアイテムも多く含まれている。
クリスマスの気分を盛り上げるアドベントカレンダー
TikTokでは、#AdventCalendarの視聴回数は14億回に上っている。現時点ではTikTokの公式トレンド用語であり、ハッシュタグのランディングページには「クリスマスへのカウントダウン開始! アドベントカレンダーには何が入っている? 」とある。アドベントカレンダーの箱の開封動画は、うまく機能すればブランドとインフルエンサーに対して同様にユニークなコンテンツの機会を提供するものだ。カイリースキン(Kylie Skin)、ディオール(Dior)、アルマーニ(Armani)、ザボディショップ(The Body Shop)、キールズ(Kiehl’s)、リアルテクニクス(Real Techniques)などのブランドのアドベントカレンダーの箱を開ける動画はTikTokにあふれかえっている。
「ビューティブランドのアドベントカレンダーがこの数年復活しているのは、人々がとくにホリデーに何か楽しいものを望んでいるからだ」とムーダシュル=ルボワ氏。「アドベントカレンダーには毎日小さな楽しみがあり、子ども時代を思い出させるものだが、現代に合わせてアップデートされている。年齢に関係なく、メイクが好きな人なら何が入っているかとワクワクしながら毎日箱を開けて、好きなものを見つけることができる」。
SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)