2020年、ブランドや小売企業は大きな打撃を与えた。しかし、米DIGIDAYの姉妹メディア、グロッシー(Glossy)とモダンリテール(Modern Retail)が発表した最新の調査によると、 メンタルヘルス に対する懸念は依然として残っているものの、これらの業界全体の士気は向上しているという。
2020年、ブランドや小売企業は大きな打撃を与えた。店舗は閉鎖され、従業員は職を失い、チームは離散した。しかし、米DIGIDAYの姉妹メディア、グロッシー(Glossy)とモダンリテール(Modern Retail)が発表した最新の調査によると、メンタルヘルスに対する懸念は依然として残っているものの、これらの業界全体の士気は向上しているという。
グロッシーとモダンリテールが、ブランドや小売企業の従業員を対象に実施した調査によると、回答者の51%が、職場でのメンタルヘルスについて、心配していると答えた。
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しかし、従業員たちの士気は確実に高まっている。
半年前に同僚の勤労意欲について尋ねたところ、「高い」と答えた回答者はわずか29%だった。また、自身の勤労意欲についても、「高い」との回答は29%のみだった。ところが現在、前者に関しては47%にまで、後者に関しては52%まで向上している。
この6カ月間で、従業員たちの勤労意欲が高まった要因は、米国民のワクチン接種が進んだこと、それに伴う店舗や公共スペースの再開などさまざまな変化が考えられる。さらに、これは昨年から起きていたことではあるが、在宅勤務の浸透により働き方の自由度が高まった点なども、一部の人々に良い影響を与えている可能性がある。
そんななか、従業員の士気やメンタルヘルスの向上を目的に、社内プログラムを開発する企業が見られている。たとえば、デジタルエージェンシーのジャニュアリー・デジタル(January Digital)は、ウェルワークス(Well Works)なるプログラムを開始し、全従業員に無制限の無料セラピー・セッションを提供している。
コロナ禍をきっかけに起きた業界規模の変化も、勤労意欲の向上に影響しているようだ。モデルマネージメント事業を展開する、マザー(Mother)の共同創業者であるメアリー・クラーク氏は、パンデミックがファッション業界におけるイベント・スケジュールに与えた影響は、働く人々のメンタルヘルスに良い影響を与えていると述べた。
「ファッションデザイナーたちがスケジュールを見直すことで、業界人が感じるプレッシャーは大きく減った」とクラーク氏。「もはや、数カ月ごとに新しいコレクションを作る必要はない。厳しいスケジュールが、スタッフやモデル、デザイナーにかけるプレッシャーは大きかった。ショーやコレクションをより自然な環境で実施することは、関係者全員の精神的健康に良い」。
[原文:Glossy Research: Half of brand and retail workers are concerned about their mental health]
DANNY PARISI(翻訳:塚本 紺、編集:村上莞)