ビューティーブランドの グロシエ (Glossier)は1月26日、80人以上の従業員をレイオフ(一時解雇)することをスタッフに発表した。これは、同ブランドの全従業員の約3分の1に相当する数だ。
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ビューティーブランドのグロシエ(Glossier)は1月26日、80人以上の従業員をレイオフ(一時解雇)することをスタッフに発表した。これは、同ブランドの全従業員の約3分の1に相当する数だ。
米モダンリテールが入手した、解雇を発表するeメールのなかで、グロシエのCEOであるエミリー・ワイス氏は、「我々はグロシエ・チームの80人以上のメンバーと別れるという信じられないほど厳しい決断を下した」 と述べている。
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ワイス氏は続けて、同社が過去2年間に「いくつかのミス」を犯したと述べた。「我々は、ある戦略的なプロジェクトを優先させ、コアビジネスであるビューティーブランドの拡大という集中すべき課題から目を逸らしてしまっていたのだ」という。同氏はまた、グロシエが「採用において先走りしてしまった」とも述べている。
技術的戦略の見直し
このeメールによると、もっとも影響を受けるのは技術チームだ。「現在社内で維持しているプラットフォームの一部について、外部パートナーを活用するよう技術的戦略をシフトしている」とワイス氏が記載している。
解雇されたある従業員にとって、今回の解雇は会社の新しい戦略を示すものだ。「私は、2020年のレイオフ第1弾を乗り切った」と、元従業員は米モダンリテールに語った。
2014年に設立されたグロシエは、ブランドアンバサダーを起用し、革新的な製品を発売することで、D2Cのビジネスモデルを開拓したと評価されている。同ブランドのベストセラー商品には、アイブロウポマードのボーイ・ブロウ(Boy Brow)があり、2018年には32秒に1本の割合で売れたという。直近では、昨年夏に8000万ドル(約92億円)のシリーズE資金調達ラウンドを実施し、評価額を18億ドル(約2000億円)にまで引き上げている。
2020年8月にもレイオフ実施
同社の戦略的な取り組みがすべてうまくいっているわけではない。2019年2月に発売されたカラフルなメイクアップブランドであるプレイ(Play)は、2020年初頭にはグロシエの主力ラインに組み込まれてしまった。
グロシエはまた、長年にわたってネガティブな報道にもさらされており、特に2020年夏には、小売店の元従業員が店舗での人種差別について発言したことがあった。ワイス氏はこれに対し、有色人種の元従業員に公式に謝罪し、問題を軽減するための計画を概要を示した。この公約には、企業文化を改善する方法について、これら従業員に意見を求めることも含まれていた。
今年は、グロシエの小売店舗の拡大が大きな焦点となっています。ワイス氏はeメールの中で、2021年のグロシエが達成したいくつかの画期的な成果を挙げている。これには、シアトル、LA、ロンドンに新店舗を開設したこと、グロシエ・ウルトラリップ・リップスティックや、モノクローム・パレット、レチノール美容液などの新製品を発売したことが含まれる。
同社は、2020年8月にも大規模なレイオフを実施し、小売店の従業員を手放し、ニューヨークの旗艦店を当面の間閉鎖した。
アップデート:記事公開後、グロシエは米モダンリテールにレイオフに関する声明を提供した。
「我々は今日、80人以上のチームメンバーと別れた。これは困難ではあったが必要な決断だった。我々は、常に人間力を重視した組織であり、グロシエに貢献してくれた現在および過去のチームメンバー全員に感謝している。我々はこのような変化により、将来にわたってブランドを成長させ続けることができると信じている」。
[原文:Glossier lays off over 80 employees]
Gabriela Barkho(翻訳・編集:戸田美子)
Image via Glossier