インスタグラムが、ティーン向け小売ブランドの注目を集めている。
デジタルマーケティング企業のエルツー(L2)が発表した新しいレポートによると、ブランドは2015年下半期、前年同期に比べてFacebookよりもインスタグラムに投稿する回数を増やし始めたという。
その理由は明らかに、Facebookのアルゴリズムが変更され、企業の投稿がユーザーに見てもらえる可能性が低くなったことにある。だが、一部のブランド、特にティーン向けのブランドが、投稿を増やせば増やすほど多くの人とエンゲージメントできることに気づいたことも理由の1つだ。
インスタグラムが、ティーン向け小売ブランドの注目を集めている。
デジタルマーケティング企業のエルツー(L2)が発表した新しいレポートによると、ブランドは2015年下半期、前年同期に比べてFacebookよりもインスタグラムに投稿する回数を増やしはじめたという。その理由は明らかに、Facebookのアルゴリズムが変更され、企業の投稿がユーザーに見てもらえる可能性が低くなったことにある。
だが、一部のブランド、特にティーン向けのブランドが、インスタグラムの投稿を増やせば増やすほど、多くの人とエンゲージメントできることに気づいたことも理由のひとつだ。
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エルツーが30万人以上のフォロワー(同社が言うところの「大規模な」コミュニティ)を抱える155のブランドを調査したところ、1週間に約10回インスタグラムに投稿しているという。これに対し、Facebookへの投稿回数は1週間に約7回だ。
だが、ジェネレーションZと呼ばれる世代(特にティーンエージャー)をターゲットとする小売ブランドは、インスタグラムへの投稿頻度とエンゲージメントの間に正の相関関係があることに気付いている。それも当然の話で、投資銀行のパイパー・ジャフリー(Piper Jaffray)が最近行った調査によれば、ティーンの33%がインスタグラムをもっとも重要なソーシャルプラットフォームと考えているという。
また、インスタグラムの重要性が増している理由としては、小売ブランドがユーザーの作ったコンテンツを集めてキュレーションできることも挙げられると、広告会社のマッキニー(McKinney)でソーシャルメディアディレクターを務めるローラ・ティアニー氏は指摘する。さらに、「ライク・トゥ・バイ(Like2Buy)」のようなサードパーティー製プログラムを使ってリンクやショッピングフィードを作成できることも、小売業者がコンテンツを商売に結びつけるのに役立っている。
エルツーによれば、アバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch)、エアロポステール(Aeropostale)、そしてアーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)は、投稿数を増やしながら、いまも高いエンゲージメント数を維持しているインスタグラム上のトップブランドだ。エンゲージメント数は平均で投稿1件あたり10万人以上だという。そこで、彼らがどのような取り組みをしているのか見てみることにしよう。
アバクロンビー&フィッチ:270万フォロワー
売上不振に見舞われたアバクロンビー&フィッチは、デジタルファーストのアプローチに移行し、オンラインで消費者にリーチすることに重点を移した。現在、同ブランドはインスタグラムで1日に平均で3枚の写真をアップロードしており、1週間の投稿数は25件を超えているが、2014年第4四半期には1日に1枚だった。
「ティーンエージャーは常にオンライン状態で、短い間しか物事を記憶していない。そのため、ブランドのWebサイトで何かを買おうという気にさせるには、1日に何度か投稿することで、ティーンエージャーとの関わりを保ち、彼らに刺激を与え続けることが有効なのだ」と、小売専門エージェンシーであるロー・ニューヨーク(RO NEW YORK)の創設者ロニー・ゼイダーン氏は言う。
また、ティアニー氏によれば、彼女がともに仕事をしているティーンたちにとって、インスタグラムは「もっとも重要なアプリ」なのだという。
アバクロンビー&フィッチのソーシャルプレゼンスは、同社の企業全体としての変化も反映している。同社は2015年12月、最高経営責任者(CEO)であったマイク・ジェフリーズ氏を追放し、半裸の男性モデルや大きいサイズの服を減らすといった新しい取り組みを開始した。
ゼイダーン氏によれば、これはブランドの再構築であり、同社が投稿しているファッションの画像は、競合他社と比べてオーソドックスなものになっているという。
エアロポステール:320万フォロワー
エアロポステールのインスタグラムページには製品の写真がほとんどない。その代わりに、深夜のピザパーティーの写真や海岸で過ごす友人どうしの写真が掲載されている。ゼイダーン氏によれば、このアプローチはティーンに対して有効だという。
ティーンは何かを買うためではなく、好きなものを記録するためにインスタグラムを利用しているからだ。エアロポステールは「彼ら(ティーン)の言葉を話している」のだとゼイダーン氏は説明する。
同社はインスタグラムで1日に4回コンテンツを投稿しており、投稿1件あたりのコメントやシェアの数は平均で10万を超える。ティアニー氏によれば、同社は実際のモデルのスナップ写真を織り交ぜることで、自社のブランドイメージをあこがれの対象にしているという。
ゼイダーン氏によれば、ストーリーを語りたがることの多いエアロポステールのようなブランドにとってインスタグラムが有効な理由は、リソースが比較的少なくて済むことだという。
「ほとんど言葉を使わずにストーリーを1枚の写真で語ることができ、感情的なリアクションをすぐに得ることができる」とゼイダーン氏は言う。「自分のブランドが共感を呼び、エンゲージメントを生み出すようにするには、そのブランドが象徴しているものをとても誠実なやり方で表す必要があるのだ」。
アーバン・アウトフィッターズ:410万フォロワー
アーバン・アウトフィッターズは、「UOコミュニティ」と呼ばれる専用Webページでインスタグラムユーザーがショッピングをめぐる投稿を提供できるようにしている。インスタグラムのフィードに投稿されたコンテンツがまとめられており、各コンテンツをクリックすると直接購入画面に行くことができる。
アバクロンビー&フィッチよりも若いティーンをターゲットにしているアーバン・アウトフィッターズは、インスタグラムとSnapchatに重点を置いているという。
アーバン・アウトフィッターズのインスタグラムプロフィールには、Snapchatのアカウント情報が上部にわかりやすく掲載されているほか、同社は単なる商品画像だけでなく、美しい山々の写真やヘルシーなサラダなど、さまざまな画像をあちこちに散りばめている。たとえば、同社は「#UOGoals」というキャンペーンを開始し、2016年の健康やフィットネスの目標を投稿するようユーザーに呼びかけた。
Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)
Image via UO Community