パーソナライズ の能力で、巨大企業をめざす美容ブランド:ファンクション・オブ・ビューティーが領域拡大

創業から5年を迎えたファンクション・オブ・ビューティー(Function of Beauty)が7月21日、パーソナライズできるヘアケア製品の領域を超え、ボディーソープやローションなどのボディーケア製品提供に進出することを発表した。

ファンクション・オブ・ビューティーの共同創設者で最高経営責任者(CEO)のザヒール・ドッサ氏は次のように話した。「顧客の多くは、我々がファンクション・オブ・ヘアではなくファンクション・オブ・ビューティーだと気づいていて、『なぜスキンケアに手を広げないのか?』『ボディーケア製品をいつ出すのか?』と言い続けてきた。ヘアケア製品を作るブランドが、髪以外の身体のほかの部分に進出していくことは、自然な移行だと思えた」。

ファンクション・オブ・ビューティーは、2017年3月にシリーズAラウンドで1200万ドル(約12.7億円)の資金を調達し、現在は1億1000万ドル(約116億円)の価値があると評価されている。2018年時点でファンクション・オブ・ビューティーは個人向けのヘアケア製品を100万通り以上作っており、現在は、理論上、54兆通りの製品を生産できるとされている。ファンクション・オブ・ビューティーでは(香りや色に関するものは別として)4つの質問を用意し、理想とする髪型や髪質など10のデータポイントを収集する。スキンケアでも、肌の水分レベルに関する実態調査を中心に4つのデータポイントが集められる。ドッサ氏によると、アルゴリズムは常に改良が加えられているという。

「パーソナライズを基準にする」

2020年に入ってから、パーソナライズされた美容製品カテゴリーは急激に拡大している。プローズ(Prose)は7月13日に会員制サービスを開始し、ロレアルUSA(L’Oreal USA)は2020年1月のCESで自宅で使えるカスタマイズされた美容機器を発表した。ドッサ氏は、カスタマイズされたボディーケア製品という領域で競合相手が多くなるとは思わない、と述べる。(8オンスの製品2つで)19.99ドル(およそ2117円)という価格設定は、同ブランドにとっても実現が難しかったからだ。ファンクション・オブ・ビューティーには垂直統合された製造と流通があるので、規模の経済を実現できる。ファンクション・オブ・ビューティーはミシガン州とペンシルベニア州で3つの製造施設を運営しているほか、7月にはペンシルベニア州に13万平方フィート(約1万2000平方メートル)の新施設をオープンした。この施設は2019年に、金額非公開の現金取引で購入した、とドッサ氏はいう。

ドッサ氏は、ファンクション・オブ・ビューティーの売上のうち、ボディーケア製品がどのくらいの割合を占めることになるかはわからないと述べる。ボディーケアへの進出で新たな顧客が獲得できるかもしれないが、このカテゴリーで大々的なグロースマーケティングへの投資を行うつもりはないと、ドッサ氏は話す。ボディーケア製品は主に、ファンクション・オブ・ビューティーの既存顧客を対象に無料マーケティングを通じて宣伝される予定だ。さらに、ボディーケア製品は、ファンクション・オブ・ビューティーのホームページや電子メールによるマーケティング、ブランドのソーシャルメディアのページで、ヘアケア製品と同等の注目を集めるようになるという。7月20日現在、ファンクション・オブ・ビューティーのインスタグラムアカウントのフォロワー数は68万7000人で、2019年から39%増加している。ソーシャルメディアマーケティング企業のフランクス(Phlanx)によると、ファンクション・オブ・ビューティーの(いいねやコメント数で計る)エンゲージメント率は、すべてのヘアケアブランドのなかでもっとも高く1.78%だという。ハーバル・エッセンス(Herbal Essences)がこれに次いで0.69%となっている。

ドッサ氏は、ファンクション・オブ・ビューティーの将来のカテゴリー拡大計画について直接コメントはしていないが、ファンクション・オブ・ビューティーがカテゴリーの追加を継続することを示唆している。

ドッサ氏は、「我々の大きな目標は、パーソナライズをニッチではなく基準にすることだ。自動化技術と顧客ベースを活用して、できる限りフロンティアを広げ続けたい。(我々には)ブランドとしてヘアケア以外に柔軟に対応していく力があり、我々自身が、その能力によって巨大消費財企業になることにフォーカスしようしており、この傾向は続いていくことになるが、これらはパーソナライズの発想の上に成り立つものだ」と語る。

ヘアケア製品がビジネスの柱

ファンクション・オブ・ビューティーのブランドならびにイノベーション担当シニアバイスプレジデントを務めるサマンサ・マン氏は、同社では2017年以来ずっとボディーローションとボディーソープの開発を進めてきたが、今後もヘアケア製品がビジネスの柱であり続けると話す。

「我々のコアは常にヘアケアであり、今年後半はもちろん来年もヘアケア(の新製品)を製造する完全な体勢がある」と、マン氏は述べた。

[原文:Function of Beauty expands personalized approach to body care

EMMA SANDLER(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:長田真)