フレック・ビューティ(Freck Beauty)の創設者、レミ(Remi)に創立時などのエピソードや、TikTokで「#FreckleTok」が数十億回も視聴されるに至った経緯などを聞いた。Z世代が夢中になる「フレックOG(Freck OG)」を作った彼女は何者なのか。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
フレック・ビューティ(Freck Beauty)というブランドをキックスターター(Kickstarter)で立ち上げたとき、創立者レミ氏のアイデアは斬新なものだった。そばかすの概念を再構築するメイクアップ商品を作ろうーーこのアイデアに、誰もが最初から理解を示したわけではない。コメディアンのジミー・キンメルに至っては、ショーの中でこのブランドのことを揶揄した。それでも最後に笑うことになったのはレミ氏の方だった。
フレック・ビューティは2020年にベンチャーキャピタルから投資を受け、スキンケアやメイクアップ商品の幅を拡大し、2021年2月にセフォラ(Sephora)で発売をした。そばかすを描くペン「フレックOG(Freck OG)」は、美容系のTikTokで大好評を博している。エミリー・ラタコウスキー(Emily Ratajokwski)、ドージャ・キャット(Doja Cat)、レディー・ガガ(Lady Gaga)といった、インフルエンサーやセレブリティーなど幅広い“it”ガールが、この商品のファンなのだ。
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今回のGlossyビューティポッドキャストでは、同ブランドの創立時などのエピソードや、TikTokで「#FreckleTok」が数十億回も視聴されるに至った経緯などをレミ氏が語った。また「そばかすの専売特許」をはるかに超えた商品ラインナップについても紹介。最先端をいくブランドへのアプローチや、今後の製品発売の計画についても明かした。以下は分かりやすさのため要約し、編集を加えたものである。
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そばかすの先駆者であること
「フレックOGを発売した頃、あるいはそれを実現する方法を模索していた頃、誰もが私のことを『そばかすのコスメをどうやって作るのか』、正気を失っていると考えていた。キックスターターのキャンペーン(プロジェクト実施期間)に奔走していた頃には、私がとても憧れていたメディアから『このクレイジーな女の子は何をやっているのか?』と書かれたものだった。なぜなら当時はフルカバーのファンデーションが流行していて、肌の“欠点”やテクスチャを消すレーザー治療の人気が急激に高まっていたからだ。だから、ただ新しいことを試してみたいという好奇心と興奮だったのだと思う。トレンドセッターや、そばかすで繋がるコミュニティにはそれぞれ独自のユニークで美しいスタイルがあるが、彼らに共通するのがまさにこの点なのだ」。
初期のコミュニティ構築
「私にはマーケティング予算がなかった。写真撮影のための予算すらなかった。最初の大きな波は、すべて人々がオーガニックにタグ付けしてくれたユーザ生成コンテンツによるものだった。
私たちのインスタグラムで見られる魅力的な集団のことを、私はフレック・ファム(Freck Fam)と呼んでいる。オルタナティブな美的感覚の持ち主、あるいはメイクアップや自分自身の表現の仕方が多少アバンギャルドで一味違った人たちが、当ブランドにオーガニックに接触してくれるのだ。
フレックOGの初期の頃はメイクアップコミュニティの人々にとって、まさに自分が好きなものを周りの人々に伝えていく時期だった」。
オーガニックのTikTokのバイラル性
「ブランドとしてのTikTokへの参入は明らかに出遅れていたが、同プラットフォーム上ではオーガニックに話題になっていた。友人や若いいとこたちに、『そういえばTikTokであなたの商品を見たよ』と言われ、『え、TikTokで何が起こっているの? まだTikTokに参加していないのに』と思った」。
Z世代のビューティ消費者
「何よりもまず、彼女たち(Z世代)はリサーチがすばらしく、驚くべき芸術性を備えているのは誰もが知るところだろう。それよりも前の世代、そして過去数十年ものあいだ、美容業界は現状と比較して次に何を目指すべきかを提示することを目指していた。メイクアップは自己表現のためのツールであり、スキンケアでさえも自己表現とアイデンティティ、そしてセルフケアのためのツール。『このツールを使って、自分を偽ろう』ではなく、『このツールを使って自身の美学や表現を解放しよう』というのは、前の世代からすると大きな変化だ」。
[原文:Freck Beauty founder Remi: Everyone thought the brand concept was ‘crazy’]
LIZ FLORA(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)