年齢を意識する時だ。ミレニアル世代にとりつかれているマーケターの先を行きたいなら、アルファ世代(ジェネレーションアルファ)を主役にする準備をしよう。今回は、一歩も二歩も先を行くために知っておく必要があることを紹介する。
年齢を意識する時だ。ミレニアル世代にとりつかれているマーケターの先を行きたいなら、アルファ世代(ジェネレーションアルファ)を主役にする準備をしよう。今回は、一歩も二歩も先を行くために知っておく必要があることを紹介する。
基本情報
アルファ世代は、「ミレニアル世代の子どもたち」として知られ、21世紀を迎えてから生まれ育った最初の世代だ(Z世代[ジェネレーションZ]は1990年以降に生まれた人を指す)。アルファ世代とは、オーストラリアの世代研究者でコンサルタントのマーク・マクリンドル氏が2005年に作り出した言葉だ。これまでのところ世代予測が行われたことはない。
数字
- アルファ世代は2010年以降生まれなので、その大半はまだオムツをして離乳食を食べているか、まだ子宮にすら宿っていない
- アルファ世代のはじまりを2010年にした理由は、この年にインスタグラム(Instagram)と「iPad」が登場したことにある
- マクリンドル氏のコンサルタントでは、世界中で毎週、250万人のアルファ世代が誕生していると予測している
- この世代の人口は、2025年に一番若い人々が生まれる頃までに、全世界で合計20億人に達するだろう
マーケターの視点
ホットワイヤー(Hotwire)で北米消費者部門を率いるローラ・マクドナルド氏は次のように話す。「(アルファ世代は)どのブランドからも、同じインタラクティブでレスポンシブな体験が提供されることを期待するだろう。だから、衣料品会社が拡張現実(AR)を利用してショッピングの最中にオーダーメイドの体験を作り出そうとしはじめるなら(ナイキ[Nike]はすでにそうしているわけだが)、アルファ世代は、食料品店に対しても同じものを期待するし、自動車保険に対してさえそうするだろう」。
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ホットワイヤーはすでに、ソフトウェア会社のマカフィー(McAfee)やロボット工学会社のアンキ(Anki)のような企業と手を組み、アルファ世代についてわかったことを活用して、彼らの最新キャンペーンのための戦略作りを進めている。
メディアの視点
フルスクリーン・メディア(Fullscreen Media)は、ジェネレーションZのマルチチャンネル使用を念頭に置いてエンターテインメント事業全体を運営しており、若いアルファ世代が成長して同社のターゲットオーディエンスになる前に彼らの調査をはじめ、彼らの注意持続時間にかなりの将来性があることに気づいている。フルスクリーン・メディアの戦略ならびにインサイト担当バイスプレジデントであるクリスタル・サレンシー氏は、ミレニアル世代の親と一緒にコンテンツを視聴しているとき、アルファ世代は8分かそれ以上長くコンテンツを視聴している、という。
変わらないもの
ジェネレーションZに見られる特徴の多くはアルファ世代にも共通してあり、それは彼らが成長するにつれてさらに顕著になると信じている人もいる。カラUSA(Carat USA)のインサイトならびに戦略担当アシスタント、ビクトリア・マリガン氏は、同じことが多文化主義や、さらには性的役割の崩壊に向けての牽引力になると期待している。
アルファ世代が重要な理由
アルファ世代はすでに、家庭内での購入決定の多くを誘導している。ホットワイヤーの依頼を受けワンポール(OnePoll)が7月に行った調査「アルファ世代の理解(Understanding Generation Alpha)」から、4歳~9歳の子どもを持つミレニアル世代の親8000人のうちの65%が、子どもの習慣が購入の最後の瞬間に影響すると回答していることがわかる。この割合は米国のミレニアル世代の親だと81%にまで跳ね上がる。この世代の親たちの31%は、オモチャや休暇の過ごし方、ペットのことよりテクノロジーのほうが子どもたちには重要だと考えており、新しいテレビやノートパソコン、タブレット、携帯電話を買う際には子どもたちの意見を聞くと答えた人が約27%になった。
会計会社グラント・ソーントン(Grant Thornton)によると、アルファ世代はもっとも豊かな世代になるとともに、もっとも長生きな世代になると見られている。
Ilyse Liffreing(原文 / 訳:ガリレオ)