いまどきの若者は、Snapchat(スナップチャット)のコンテンツを、テレビのコンテンツと同様に捉えていると、ファッションブランドのキット・アンド・エース(Kit and Ace)は考える。そこで、テレビスタイルのオリジナルエピソードを展開したところ、オーガニックなフォロワー獲得に成功したという。
キット・アンド・エースは1年前、実験的にSnapchatへのコンテンツ提供を開始。当時は、多くのブランドと同様、ブランドの舞台裏動画でお茶を濁していた。しかし、それだけでフォローを集めるのは厳しいと気づくまでに、時間はかからなかったという。そこで、Snapchatをテレビと同じように扱い、決まった時間にコンテンツを配信するというアイデアを思いついた。
いまどきの若者は、Snapchat(スナップチャット)のコンテンツを、テレビのコンテンツと同様に捉えていると、ファッションブランドのキット・アンド・エース(Kit and Ace)は考える。そこで、テレビスタイルのオリジナルエピソードを展開したところ、オーガニックなフォロワー獲得に成功したという。
キット・アンド・エースは1年前、実験的にSnapchatへのコンテンツ提供を開始。当時は、多くのブランドと同様、ブランドの舞台裏動画でお茶を濁していた。しかし、それだけでフォローを集めるのは厳しいと気づくまでに、時間はかからなかったという。そこで、Snapchatをテレビと同じように扱い、決まった時間にコンテンツを配信するというアイデアを思いついた。
キット・アンド・エースでeコマースを統括するブレイドン・ホープナー氏は、「一部の層では、Snapchatがテレビの代わりを果たしている」と述べる。「Snapchatではエピソードベースのコンテンツが増えており、ユーザーは定期的にプラットフォームを訪れ、スナップを見るようになってきた」。
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Snapchat活用例
キット・アンド・エースでは、おなじみの舞台裏動画の配信も続けているが、社内のコンテンツチーム、ソーシャルメディアチーム、クリエイティブチームが製作する動画シリーズで「情報に富んだエピソード的なアプローチ」を取っているという。一部のコンテンツはSnapchat独自のもの、ほかはインスタグラムや同ブランドのオンラインマガジン「ザ・ブリーフ(The Brief)」、そのほかのチャネルからSnapchat向けに編集したものを使用している。

「ポケモンGOを」取り上げた健康トピック動画
同メディアのSnapchatの動画シリーズ「トーキング・ポインツ(Talking Points)」には、「ザ・ブリーフ」で同名のコラムを担当する編集者らが出演。話題としては、リオ五輪、上海の賃貸事情、中国について、そして映画「X-メン(X-Men)」に関する話題などを取り上げた。
隔週金曜に、「トーキング・ポインツ」と交代で、健康をテーマにした動画シリーズも配信している。このシリーズでは、最新のおもしろ健康商品やトレンドを試す趣向になっており、「ブレインオクタン」オイルや、シカゴの「ポケモンGO」パレードなどが取り上げられた(「ポケモンGO」はウォーキングを促進するため健康カテゴリに入っている)。
キット・アンド・エースは、健康、フィットネス、食生活を重視するブランド理念をこの動画シリーズで表現。そうすることで、すべてのチャネルを通じて、自社ブランドを人間味のあるメディアにしたいと、ホープナー氏は説明している。

エヴァン・フォックス氏の動画
また、毎週火曜日には、ブランドのエグゼクティブが登場する動画シリーズを配信。直近ではメンズファッションデザインのディレクター、エヴァン・フォックス氏が登場し、Snapchatフォロワーのコメントに対して返答する投稿を行った。「ディレクターのデスクの上にある一番ヘンなものを見せて」「次に発売される商品ラインのネタバレを見たい」などのリクエストがフォロワーから寄せられていたという。
毎週水曜日には、キット・アンド・エースのバンクーバー本社で、「水曜日なんてクソ食らえ(WTF Wednesday)」という、楽しくてカジュアルな話題を取り上げた動画を配信している。キット・アンド・エースでは、Snapchatのオーディエンス数についてはコメントを控えているが、閲覧数、エンゲージメント、フォロワー数は「着実に増加している」という。
ビデオ&電話チャットサービス
こうした動画シリーズとは別に、キット・アンド・エースでは、2016年の3月からSnapchat新バージョンで提供される、ビデオ&電話チャットを顧客サービスに組み入れている。これはブランドでの採用例がまだ少ない、Snapchat活用法のひとつだ。
「電話での問い合わせ増加に対応できるよう、マーケティングチームと顧客サービスチームが協力して担当している。現在、Snapchatも顧客サービスの一要素となっているが、規模はまだ大きくはない」。
キット・アンド・エースの顧客がすでにSnapchatを活用していることは有利なことであり、コンテンツを製作しやすい環境であることは間違いないと、ホープナー氏は述べている。
「予算的な話をすると、ROI(投資の回収)を度外視した、実験するための少額予算も常にマーケティング予算のなかに確保してある。ただし、中核となる予算には幅をもたせている」と、ホープナー氏。「Snapchatの有償サービスも現在検討中だ」という。
Yuyu Chen (原文 / 訳:片岡直子)