「マーケティング業界は革命期にある」:フットロッカーのCMO、J・バージャー氏

スニーカーを中心とした米・アパレル大手チェーンのフットロッカー(Foot Locker)はここ数年、近代化を積極的に推し進めることで世間の注目を集めてきた。フットロッカーの最高マーケティング責任者(CMO)、ジェド・バージャー氏によると、そのイノベーションによって同社のマーケティング部門は、新たな方法で顧客について考えはじめたという。

「マーケティングはいま、かつてないほど難しくなっている。単純で直線的な人間だと見られたい人はいないからだ。そんな人間は存在しないし、我々がそのような観点からスタートするならば失敗するだろう。人は多才で、多次元だと知られたいのだと認識することが、我々が出発点とすべきところだ」と、バージャー氏は語る。

フットロッカーは、さまざまな消費者向けスタートアップへの投資から、自社の小売りスペースの再考、独自のインキュベーターの立ち上げまで、小売業界の次の進化につながることに向けての取り組みを続けてきた。バージャー氏にとって、こうした前向き思考は、自社のマーケティングのやり方そのものもまた進化しなければならないことを意味している。

バージャー氏はいまや、消費者の注目を集められるものを確実に組み込めるように、デザイン段階から製品作りに関与しており、自身のことをマーケターというよりビジネスパートナーに近いと考えている。

米DIGIDAYのポッドキャストシリーズ「メイキング・マーケティング(Making Marketing)」の最新エピソードでは、シャーリーン・パサック記者がバージャー氏と、フットロッカーでのマーケティングの役割の変化、同社が新ブランドを作りに投資することを選んだ理由、マーケティング業界全体で起こっているシフトについて議論した。そのハイライト部分に編集を加えて以下に紹介する。

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マーケティングはデザインから店の棚まで

「我々は、人々が夢中になる製品を販売している。人々がスニーカーを愛するなら、誰かの生活にとって意味のある何かに関連が深い製品を売るほど、よく売れる。そんなに深刻に考える必要はない。我々がアディダス(Adidas)とコラボした『ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)』コレクションは素晴らしかった。ある人にとってそれはとても大事なものかもしれないが、大きなスキームのなかではそれほど重大ではない。ミュージシャンのファレル・ウィリアムズが『ヒューマン・レース(Human Race)』でやったことは素晴らしいし、これは真剣な取り組みだ。やがて人々は、カニエ・ウェストとのコラボ企画である『イージー(YEEZY)』について話しはじめ、彼の自由な創造性や自己表現に共鳴するようになる。我々が過去数年間にやってきたことのなかでよかったと思うことは、我々自身が進化したことだ。我々は、消費者グループが関心を寄せることをすべて取り込み、先駆けてそれを製品デザインに採り入れようとしてきた。通常は、マーケティングストーリーの最後に何かに触発されるものだが、それではうまくいかないことを終始見てきたからだ。これが我々の業界における大きな進歩だ」。

未来のための開発

「我々の投資話の多くは、インキュベータープログラム『グリーンハウス(Greenhouse)』と同時に進んできた。我々は将来、どのように開発するかを話しているのであって、我々に必要なのはまさにそういうことだ。さらに、業界がどこへ向かおうとしているかに着目するフォーカスチームも作った。このチームは、個性や目的によって導かれるさまざまな種類の才能と、いままでとは違うビジネスモデルで成り立っている。これは、おそらく短期的には、我々のエコシステムに追加すべき部分であるが、長期的には互いに協力しあって、重要な何かをともに開発できるだろう」。

マーケティング機能の進化

「マーケティングというキャリアは進化する。現場にいる高レベルのポジションの人間として、それを考えると夜も眠れなくなる。 ブランドがCMOを最高ブランド責任者(chief brand officer)または最高成長責任者(chief growth officer)に置き換えているという記事をよく目にする。多くの場合、これらは同じ人物だ。履歴書にブランドマーケティングの経歴を書いてくる若者は多いが、私は彼らに、それはやめたほうがいいという。ブランドマーケターを求めている人はいない。製品マーケターになりたい? 素晴らしい。CMOがCEOやプレジデントになったり、役員になったりすることは滅多にない。個人的には、自分はマーケターというよりビジネスパートナーだと思っている。だから、いまは面白いときだと思うし、多くの企業でCMOの役割、組織内でのマーケティング、報告の仕方やその責任を再定義する必要があるときだと思う。マーケティング業界は革命期にある」。

Gianna Capadona(原文 / 訳:ガリレオ)