今年のスーパーボウルのハーフタイムショーで、グラミー賞受賞歌手のリアーナ氏が妊娠を明らかにし、彼女はすぐにマタニティインフルエンサーとなった。8月中旬、彼女のランジェリーブランド、サヴェージxフェンティ(Savage x Fenty)はその影響力を活用して初のマタニティカプセルコレクションを発表、授乳に便利なブラジャーを中心に、ブランドのシグネチャーである幅広いサイズ展開と入手のしやすさが特徴となっている。
近年では、コートニー・カーダシアン氏、カーリー・クロス氏、セリーナ・ウィリアムズ氏、アン・ハサウェイ氏といったセレブリティがそのマタニティスタイルで注目されている。マタニティのレンタル・再販会社、フォー・ザ・クリエイターズ(For The Creators)の創業者であるリンジー・メイソン氏は、マタニティファッションによい影響を与えているセレブリティ、特にスタイリッシュでありながら妊娠をオープンに誇示しているセレブリティを高く評価する。彼女はそれを「リアーナ効果」と呼んだ。
「何世代にもわたりハイストリートの片隅では、妊娠した女性のためのファストファッションの選択肢は限られていた」とメイソン氏は言う。「でも流れは変わった。影響力のあるセレブリティが妊娠していることをただ受け入れるだけでなく、それを祝うというリアーナ効果は、ファッショナブルなマタニティウェア時代の先がけとなりつつある。現代の母親は、自分の個性を発揮できるスタイルや自分らしくいられる服を探している」。
今年のスーパーボウルのハーフタイムショーで、グラミー賞受賞歌手のリアーナ氏が妊娠を明らかにし、彼女はすぐにマタニティインフルエンサーとなった。8月中旬、彼女のランジェリーブランド、サヴェージxフェンティ(Savage x Fenty)はその影響力を活用して初のマタニティカプセルコレクションを発表、授乳に便利なブラジャーを中心に、ブランドのシグネチャーである幅広いサイズ展開と入手のしやすさが特徴となっている。
近年では、コートニー・カーダシアン氏、カーリー・クロス氏、セリーナ・ウィリアムズ氏、アン・ハサウェイ氏といったセレブリティがそのマタニティスタイルで注目されている。マタニティのレンタル・再販会社、フォー・ザ・クリエイターズ(For The Creators)の創業者であるリンジー・メイソン氏は、マタニティファッションによい影響を与えているセレブリティ、特にスタイリッシュでありながら妊娠をオープンに誇示しているセレブリティを高く評価する。彼女はそれを「リアーナ効果」と呼んだ。
「何世代にもわたりハイストリートの片隅では、妊娠した女性のためのファストファッションの選択肢は限られていた」とメイソン氏は言う。「でも流れは変わった。影響力のあるセレブリティが妊娠していることをただ受け入れるだけでなく、それを祝うというリアーナ効果は、ファッショナブルなマタニティウェア時代の先がけとなりつつある。現代の母親は、自分の個性を発揮できるスタイルや自分らしくいられる服を探している」。
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短期間しか着ないマタニティウェアのコストを軽減
マタニティファッションの盛り上がりは、ナイキ(Nike)やフリーピープル(Free People)など、このカテゴリーに参入する多くのブランドや、妊娠中の買い物客にスタイリッシュな選択肢を提供することにフォーカスした新しいスタートアップからも感じられる。そうした新興ブランドにはフォー・ザ・クリエイターズ、バンプスーツ(Bumpsuit)、俳優のアーリヤー・バット氏による新ブランドのエダママ(Edamama)などがある。だがブランドのエグゼクティブも新米の母親も、世界中で毎日50万人近くが出産している中で、ファッション業界が妊婦に対してできることはまだたくさんあるとGlossyに語った。
たとえばメイソン氏が2020年にフォー・ザ・クリエイターズを創業したのは、妊娠中の買い物客が抱えるもっとも一般的な問題のひとつである「短期間しか着ない服を購入する」という問題を解決するためだ。フォー・ザ・クリエイターズは、マタニティウェアのレンタルと再販の両方を提供し、顧客にファストファッションを購入させることなくその問題を解決する循環型経済を促進している。フォー・ザ・クリエイターズは、バンプ&ミルク(Bump & Milk)といったマタニティ専用ブランドと、セザンヌ(Sezane)やフリーピープル(Free People)などのファッションブランドによるマタニティラインの両方を扱っている。
レンタルファッションは、妊娠に特化した服を購入する際のコスト負担の軽減に役立つ、とメイソン氏は言う。
「女性は平均して、妊娠中の衣類に500ドル(約7万3000円)近くを費やしている」とメイソン氏は説明した。「ラグジュアリーブランドは市場のニッチを切り開いてきたが、手頃な価格とサステナビリティの両方を求める人には大きなギャップが存在する」。
マタニティファッションを敬遠する女性も
従来のコスト負担や選択肢の少なさから、マタニティウェアを完全に避けている女性もいる。ニューヨークを拠点とするファッションブティックTAのオーナーで、新米ママでもあるテルシャ・アンダーソン=ブーン氏は、妊娠中の買い物は最小限にしていたと語る。ワードローブにすでにあったアイテムに頼ることが多かった。
「ラッキーなことに、クローゼットにはすでにオーバーサイズのアイテムがそろっていた。数枚の新しいブラジャーと新しいトップスを除いては、すでに持っている服を着ることができた。でも最後の方は大変だった。洋服がなかったからではなく、赤ちゃんを産んで寝る以外のことをしたくなかったからだ」。
デジタルコンサルティングエージェンシーのファウンデーション(Foundation)の共同創業者で、現在2人目を妊娠中であるジェニー・リン氏も、「マタニティファッション」はほぼ完全に捨てたと語る。
「1人目と今回の妊娠にあたって、私が購入したのはマタニティの必需品のみだ。ソックウェル(Sockwell)の着圧ソックスや、ブランキ(Blanqi)のお腹をサポートするタンクトップなど、医療グレードの着圧といった重要な機能性が備わっているものだけだった」とリン氏。「下着やTシャツなどはブランドは気にしなかった。ほとんどの場合、マタニティファッションは無視して、出産後にも着用できるアイテムを購入した」。彼女が購入したのはユニクロのプリーツパンツ、GAPのベーシックアイテム、伸縮性のあるシャーリングが入ったリフォーメーション(Reformation)のドレスなどだ。
マタニティウェアブランドのバンプスーツのCEO、ニコール・トルンフィオ氏は、そうした悩みを解決するために2020年にブランドをスタートしたと語る。
「私自身や、女性としての私に語りかけてくれるような商品を求めていた。従来のマタニティウェアブランドは魅力的に思えなかったし、同じように感じている女性はほかにもたくさんいると考えた」。
トルンフィオ氏は、他の新しいブランドや大手ブランドによるマタニティウェアへの新たな関心のおかげで、マタニティウェアの将来について勇気づけられていると語る。アンダーソン=ブーン氏は、マタニティカテゴリーにおいて今後ブランドによるさらなる革新が進むことを期待しているいう。
「ファッション業界がもっとマタニティウェアを取り入れたり、さらにサイズを拡大したりするのを見たい」とアンダーソン=ブーン氏は述べた。「サヴェージxフェンティのようなブランドは、新米ママや妊娠中の母親のために、商品ラインナップを拡大しつつ、オリジナルのスタイリッシュなタッチポイントを維持するというすばらしい仕事をしている」。
妊婦に必要不可欠な製品やサービスはいまだに少ない
世界のマタニティファッション市場は、昨年は210億ドル(約3兆円)だったが、2030年までに300億ドル(約4.3兆円)近くまで成長すると予想されている。それでもメイソン氏は、妊娠中の買い物客にはさらなる障害があると指摘する。
「世界では毎日40万人の女性が出産しているにもかかわらず、必要不可欠な製品やサービスを発見することは複雑で困難であり、数も少ないし、いまだにつまらないものが多い。単純な例としては、妊娠中でも安全なスキンケアがそうだ。主な販売店では、このような重要な選択肢を明確に強調することをいまだに避けており、唯一の選択肢は、おむつに隣接するベビー用品売り場でしか見つけられない」。
トルンフィオ氏は、ジュエリーのような大衆にアピールするカテゴリーと比較すると、マタニティブランドが軌道に乗るのは容易ではないと語った。だがバンプスーツは最初の3年間で年間売上1000万ドル(約14.5億円)を達成し、今後1年から1年半で倍増することを目指している。
チャンスのある分野は産後ファッション
「販売する製品や、洗練されていないか流行に乗っていないルックアンドフィールという点で、マタニティの分野は歴史的にほとんど革新性がなく、多様性に乏しい。(マタニティウェアの発展の遅れは)それが関係しているのかもしれない」とトルンフィオ氏は言う。「小売業者は、この分野のイノベーターにもっと注目し、業界全体を革新してエンパワメントし、盛り上げたいと考えているブランドを表に押し出すべきだ。また出産経験のある女性や妊娠中の女性を採用することも、ブランドに知恵を授けることができるかもしれない。この分野を家族に多くのものを供給する分野にするために、私たちにできることはたくさんある」。
そしてリン氏は、ブランドが考えるべき妊娠に関連する分野がもうひとつあると語った。
「ブランドにとって本当にチャンスのある分野は産後ファッションだ」とリン氏は言う。「妊娠第4期以降は、特に職場や社会への復帰に向かう中で、非常にリアルで生々しく、そして混乱している。ブランドが母親たちの身体的、感情的、精神的な現状に本当の意味で対応することができれば、大いに役立つだろう」。
[原文:Fashion Briefing: The Rihanna effect is still boosting maternity fashion]
DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)