Facebook Marketplace へ進出する、米・自動車販社の狙い :「会話が発生する場へ」

カーズ・コム(Cars.com)は、Facebook Marketplace(マーケットプレイス:日本では未実装)で商品を売り出そうとしている。自社サイトを見捨てるつもりはないが、Marketplaceを顧客の居場所にしなければならない。

創業20年の自動車販売企業であるカーズ・コムは、早期にeコマースに移行した。サイトに商品を投稿する2万の自動車ディーラーと提携しているが、FacebookユーザーがMarketplaceで自動車を探す傾向を受け入れた。

「Facebookを見ると、平均的な買い物客は自動車[部品]を探す一般人だ。会話が発生する場に移行する必要がある」と、カーズ・コムの最高マーケティング責任者であるブルック・スキナー・リケッツ氏は語る。

日々拡大する存在感

カーズ・コムは、2018年8月にFacebook Marketplaceページを公開した。Facebook Messenger(メッセンジャー)のボットを通じて情報を求める潜在顧客のうち40%は、見込み客になって、顧客のディーラーと連絡を取りたがると、リケッツ氏はいう。

Facebook Marketplaceが8月に導入されて以来、Facebookメッセンジャーを通じて、自動車の購入予定者とディーラーのあいだで、21万8000件のチャットが行われてきたと、カーズ・コムは述べている。チャット件数とリードコンバージョンは毎週増加しているという。

カーズ・コムにとって、Facebook Marketplaceの存在は大きくなっているが、中核サイトを損ねてはいない。潜在顧客基盤を拡大しているだけだ。

これは最新のトレンドだ。マーケターと販売プラットフォームは、リーチ拡大の手段として、Facebook Marketplaceにますます注目している。8月には、eコマース企業のショッピファイ(Shopify)が、Facebook Marketplaceでの販売を目指し、提携業者向けの機能構築をめぐってFacebookとの交渉を開始した。

「自動車小売の未来の推進を助けるというのが、当社の戦略だ。ある程度までは、そうなる場について独断的な意見にとらわれないようにし、Facebook Marketplaceと結んでいるような提携関係をどうやってもっともうまく促進・構築するか、検討する必要がある」とリケッツ氏は語る。

Amazonという競合

カーズ・コムは、AmazonやPinterest(ピンタレスト)のようなプラットフォームでも広告を掲載しており、リケッツ氏は、買い手の行動に影響を及ぼすなかで、その推移を見守っていると述べている。カーズ・コムは自動車分野で幅広い経験があり、顧客はまだ、Amazonでの自動車購入に本腰を入れる準備ができていないという。だが、同氏はAmazonが成長中だと認め、将来的にAmazonでの販売に移行する可能性を除外していない。

「Amazonでは、人々はよく自動車部品を販売しているが、自動車そのものを販売してはいない」と、リケッツ氏は指摘する。ヒュンダイなど一部のブランドは、Amazonストアを展開しているものの、Amazonはまだ自動車購入プラットフォームとしてスタートしたばかりだ。

Facebookは、Marketplaceに商品を投稿する自動車販売業者向けの分析サービスを提供しているが、リケッツ氏によると、カーズ・コムは自社のファーストパーティデータを販売業者が利用できるようにし、潜在顧客への広告のターゲティングを手助けしているという。

リケッツ氏は、販売チャネルとしてFacebook Marketplaceの潜在能力に強い関心をもっているが、一部マーケターは、Amazonの規模には敵わないと指摘し、まだ投資を躊躇っている。

「Marketplaceはいまのところ、Amazonやeコマースプラットフォームよりもオンライン広告サイトのクレイグズリスト(Craigslist)に似ている」と、エージェンシーのヒュージ(Huge)で有料ソーシャル担当アソシエイトディレクターを務めるマーク・シツマ氏は、最近語っている

「魚がいる場所」

だが、ユーザー数が膨大なので、Facebook Marketplaceのリーチは、ブランドにとって無視できないほど大きい、という者もいる。Facebookによると、毎月、8億人の人々がMarketplaceを利用しているという。金融サービス企業BTIGのアナリスト、リチャード・グリーンフィールド氏は、Facebookは自動車ディーラーに大いに適していると語る。

「Marketplaceを利用している人数を毎日見ると、数億人いる。常に利用しているユーザー層がある。誰も午後5時のニュースを視聴していない。売り込みに努めるブランドなら、魚がいる場所で釣りをする必要がある」とグリーンフィールド氏は語った。

Suman Bhattacharyya(原文 / 訳:ガリレオ)