2018年創業のシェイパーミント(Shapermint)はシェイプウェア(補正下着)を販売するD2Cブランドだ。現在、同社はソーシャルメディアでのマーケティング活動を拡大しており、特にピンタレスト(ピンタレスト)とTikTokへの広告投資を増やしている。
2018年創業のシェイパーミント(Shapermint)はシェイプウェア(補正下着)を販売するD2Cブランドだ。現在、同社はソーシャルメディアでのマーケティング活動を拡大しており、特にピンタレスト(ピンタレスト)とTikTokへの広告投資を増やしている。
シェイパーミントの創業者で最高マーケティング責任者(CMO)のマッシミリアーノ・ティロッキ氏によると、同社はeコマース企業のトラフィリア(Trafilea)の傘下にあり、現在600万人の顧客を抱えている。ピンタレストとTikTokを活用して新規のオーディエンスを発掘し、この顧客基盤をさらに拡大したい考えという。同氏によると、シェイパーミントのTikTok広告費は昨年末以来、3倍以上増えている。ピンタレストにいたっては、従来の4倍から5倍だという。ただし、具体的な金額は開示されなかった。
「新しいプラットフォームへの試験的な投資には大きな意味がある」とティロッキ氏は話す。「いち早く動いて、新しいプラットフォームの仕組みや効果を理解できれば、先行者利益を手にできる」。
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拡大に貢献しているのは圧倒的に広告
昨年末以来、シェイパーミントのTikTok戦略は、クリエイターやインフルエンサーのコミュニティを中心に展開されてきた。しかし、規模の拡大に貢献しているのは圧倒的に広告投資だとティロッキ氏は話す。そこで、2日もしくは3日おきに新しいキャンペーンを打ち出すことにしたという。ピンタレストについても、インフルエンサーよりも有料広告の出稿に注力している。
一番の狙いは、ピンタレストとTikTokを活用してブランド認知を高めることだ。そして、Facebookとインスタグラムでリターゲティング広告を展開し、実際の購入へとつなげることをめざしている。ティロッキ氏によると、ユーザーはプラットフォームごとに異なるため、ソーシャルメディア全体を俯瞰しつつ、多様なタッチポイントを幅広く網羅して、より多くのオーディエンスに共有を促すことが重要だという。
「消費者は異なるプラットフォームを通じて、我々の広告やコンテンツを週に何度も繰り返し目にすることになる」とティロッキ氏は話す。「結果的に、広告で伝えたいストーリーをより深く理解してもらえるだろう」。
調査会社のカンター(Kantar)によると、昨年の1月から9月にかけて、シェイパーミントは媒体費として40万ドル(約4700万円)以上を支出した。前年同期の130万ドル(約1.5億円)からは減少している(カンターはソーシャルメディア関連の媒体費を追跡していないため、この数字はソーシャルメディアを含まない。また、ネットワークラジオの数字は2021年3月までの数字である)。
「プラットフォームの改善が進んでいる」
2020年の初め、米DIGIDAYはシェイパーミントがマーケティング予算の80%をFacebookとインスタグラムに投じていると報じた。同じ年の秋には、テレビ広告費の増額を計画していた。そしていま、同社がソーシャルメディアでのプレゼンスを強化していることについて、ウェイブメーカー(Wavemaker)でコンテンツのグローバル責任者を務めるアダム・プホルスキー氏は、買い物客がどこにいても捕捉するという強い意志の表れだろうと分析する。
「人々の注目がどう動くかについて、我々は常に議論している」とプホルスキー氏は話す。「TikTokとピンタレストは自社のプラットフォームと広告体験をうまく融合させている。この点は、ブランドもしっかり検討しなければならない」。
デジタル広告費の投資先を多角化し、ピンタレストやTikTokのようなプラットフォームに注目する広告主は増えている。この動きに伴い、CPMは確実に上昇するとプホルスキー氏は指摘する。しかし同時に、広告商品の改善も進み、コストに見合うだけの価値を備えるようになるとも述べている。
シェイパーミントのティロッキ氏も同じことをいっている。ピンタレストやTikTokの広告が期待通りの結果を出しつづける限り、同社の広告投資も続くだろう。
「確かにCPMは上昇しているが、プラットフォームやアルゴリズムの精度も上昇している」と同氏は話す。「誰に、どう広告を表示するかという点で、改善が進んでいるということだ」。
[原文:‘Eyeballs are shifting’: Why a DTC shapewear company is spending big on Pinterest and TikTok]
KIMEKO MCCOY(翻訳:英じゅんこ、編集:長田真)