アクティブウェアブランドのアロヨガ（Alo Yoga）は、2022年9月のニューヨークファッションウィークでの高級アフタースキーコレクションのローンチに続き、高級オケージョンウェアの拡張ライン、アロアトリエ（Alo Atelier）を展開している。

富裕層顧客向けに高級素材を使ったコレクション

カシミアやシルク、アロヨガのエアリフト（Airlift）素材を使った30点からなる同コレクションは、ホリデーシーズンに合わせて10月19日にローンチされた。ドレス、ビーガンフェイクファーを使ったアウターウェア、ラウンジウェアなどのスタイルがあり、価格は248〜1900ドル（約3.7万〜28万円）だ。同社によると、このコレクションはパリの「クチュール」からインスピレーションを得たものだという。コレクションは、アロの43店舗のうち、ビバリーヒルズ、ソーホー、アスペンにある3店舗と、aloyoga.comで購入できる。創業16年になるアロヨガは、2022年の売上高が10億ドル（約1500億円）を超えると報告しているが、担当者からは2023年の予測は共有されなかった。

「デザインチームはパリに旅してインスピレーションを得た。また、ホリデーシーズンが近づいていたので、通常よりも退廃的なコレクションを制作した」と述べているのは、アロのクリエイティブ・ブランドマーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデント、サマー・ナスウィッツ氏だ。スウェットスーツ、スポーツブラ、レギンスなどのコアラインの価格帯は50〜200ドル（約7500〜3万円）である。「デザインチームはファッションメゾンのようにデザインしているが、非常に速いペースで行っている。当社はアスレジャー市場の中でも高価格帯なので、コストの制限がなかったとしたらどれほど最高品質の製品が作れるかを試してみたかった」。

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ナスウィッツ氏は同ラインの売上高については共有しなかったが、2022年の「アスペン（Aspen）」コレクションのほとんどが3週間以内に完売したと述べた。彼女は、アロのアスペン、ビバリーヒルズ、ソーホーの顧客は富裕層であり、価格には左右されないと付け加えた。

「当社にはとても忠実な顧客がおり、このラインは間違いなくリピーターの顧客にアピールするものだ」とナスウィッツ氏。「高級な（アスペン）コレクションは、顧客が製品に触れて体感できる店舗で素晴らしい成果を出している。顧客がすでに持っているデザイナーアイテムや高級品をアロと組み合わせているのを知っている。つまり、当社の定番アイテムよりもさらに幅広い範囲に顧客が興味を持っていることが示されている」。

ライフスタイルブランドを目指すアロヨガ

アロヨガは、ここ数年、完全なライフスタイルブランドを目指して尽力している。2020年にはサプリメントやスキンケア製品を発売。今年3月にはメンズアクティブウェアを、5月にはフットウェアを展開した。アロアトリエは、さらに広範囲のアロをアピールすることで、アロに対する認識を変えてゆく次の段階である。アロアトリエラインは毎年展開され、ホリデーシーズンに先立って毎年1コレクションをリリースするという。

ルルレモン（Lululemon）と同様に、アロはアスレジャーに注力した意欲的なブランドであり、ビバリーヒルズの本社ではウェルネスファンのコミュニティに向けたイベントを主催している。

「アロのロゴは、健康とウェルネスのライフスタイルの象徴となっている」とナスウィッツ氏は言う。「（アロハウス）本社は現在、ロサンゼルスで行くべき場所となっており、ジムはアイコニックだ。音楽スタジオ、凍結療法、コールドプランジもある」。

しかし、本社では10月19日まで夜のイベントが主催されたことはなかった。アロアトリエのローンチに際して、同社はパリ風の夜会を開催した。本社ビルは、ルーブル美術館のピラミッドを手がけた建築家のI.M.ペイ氏が設計したもので、このイベントのインスピレーションにもなった。このイベントのほかにも、アロヨガはOOHキャンペーンやソーシャルメディアを通じて同コレクションをマーケティングしている。

コレクションのために制作されたアイテムの一部は販売されないが、ローンチイベントに出席したセレブやインフルエンサーに贈られた。出席者にはモデルのキャンディス・スワンポール氏やバルバラ・パルヴィン氏がおり、歌手のスウィーティー氏はパフォーマンスを披露した。アロヨガは全員にアロアトリエを着用させた。

アロはヨーロッパでの展開に注力していることから、このコレクションにパリの影響があったことはふさわしいと言える。同社には、11月にロンドン1号店を、2024年6月にはパリ1号店とロンドン2号店をオープンする予定がある。また、2023年末までに店舗数を全世界で100件に増やすという目標がある。

［原文：Exclusive: Alo Yoga launches Alo Atelier luxury collection］

ZOFIA ZWIEGLINSKA（翻訳：ぬえよしこ、編集：山岸祐加子）