ビューティーブランドのe.l.f.(エルフ)は、TikTokをはじめとする新たなソーシャルプラットフォームをいちはやく採用し、その名を轟かせている。さらに先日、e.l.f.は Twitch (ツイッチ)上に、自社のブランデッドチャンネルを立ち上げた、最初のビューティ企業となった。
ビューティブランドのe.l.f.(エルフ)は、TikTokをはじめとする新たなソーシャルプラットフォームをいちはやく採用し、その名を轟かせている。
口コミで広まった同社による「#eyeslipsface」キャンペーンは、TikTokファンたちの記憶に残っているはずだ。さらに先日、e.l.f.はTwitch(ツイッチ)上に、自社のブランデッドチャンネルを立ち上げる最初のビューティブランドになった。Twitchはここ数カ月で美容ブランドにとってますます重要になってきており、ゲーム配信プラットフォームの人気は留まるところを知らない。
Twitchの広報担当者は、「米国における13歳以上の人口の79%がゲーマーだと認識している。また、同プラットフォームの平均的な消費者が、2020年にゲームに費やした時間は、1日あたり1時間44分にもおよぶ。ゲームは多くの人々が考えているよりも、はるかに早いスピードで主流になりつつある」と述べた。この事実を鑑みると、Twitch活用は理にかなっているといえる。「Twitchのデイリー訪問者数は平均3000万人で、2020年はじめの1750万人と比べても増加している」。
Advertisement
なぜTwitchを選んだのか
e.l.f.のCMOであるコーリー・マーチソット氏は、Twitchを「次のフロンティア」だと形容する。「Twitchは、インタラクティブでエンゲージメントが高く、嘘がなく、活気がある」。
e.l.f.がゲーミングの世界に進出するのはこれがはじめてではない。2020年11月にe.l.f.は、Twirchチャンネル上に1000万人以上のフォロワーを抱えるゲームインフルエンサー、ルーザーフルーツ(Loserfruit:本名キャスリーン・ベルステン)と提携している。この取り組みで、「ルーザーフルーツとアナ・バイナム氏(e.l.f.のグローバルメイクアップアーティスト)は何時間ものコンテンツをストリーム配信し、圧倒的な反響を生んだ。さらに、現在までにe.l.f.用のコンテンツは、3万7000時間以上の再生時間を記録している」と、マーチソット氏は強調した。
また、コムスコア(Comscore)のデータによると、Twitchユーザーは同プラットフォーム上に長い時間を費やす傾向が見られているという。実際、TwitchユーザーはYouTubeの2倍以上、Facebookの6倍以上、TikTokの4倍もの時間をTwitchに費やしている。
配信コンテンツの中身
e.l.f.による新しいTwitchのチャンネル、「elfyou(エルフ・ユー)」では、メイクアップとゲームが交差するコンセプトである「ゲームアップ(Game Up)」を中心に据えていると、マーチソット氏は述べる。
またe.l.f.はTwitchチャンネルのローンチに合わせて、2021年5月9日から6月6日までTikTokでも、「ゲームアップ」コンテストを開催している。コンテスト参加者は、自分がゲーム配信のために行うメイクアップの動画を投稿。そのなかから、最終的に7人の勝者が選ばれる。この7名は、プロ用のWebカメラやマイクといったハイテクストリーミング機器や、e.l.f.製品、そしてe.l.f.のTwitchチャンネルでルーザーフルーツと一緒にストリーミングを行う機会を得ることができる。
なお、前述したバイナム氏は、今後もTwitchでの同ブランドの認知度向上に関わっていくという。「ビューティとゲームは私が大好きなジャンルだ」と彼女は述べる。「私はゲーム好きであり、ビューティファンでもある。女性ゲーマーであることは、ゲームに勝ったときも『勝負メイクで勝ったぞ!』といった具合に気分が上がる」。
バイナム氏は熱心なゲーマーであり、e.l.f.が「男性中心であるゲームの世界で、女性ゲーマーを支援していること」を高く評価している。「非常に素晴らしい取り組みだと思っている。今回、自分が参加できたことを嬉しく思う」と述べた。なおルーザーフルーツは、米DIGIDAYの姉妹メディアであるグロッシー(Glossy)に対し、ゲーム分野とビューティ分野は、時代遅れの性別ステレオタイプに囚われているという同じ「欠陥」を共有している、と語っていた。
[原文:E.l.f. is launching its Twitch channel with a contest]
SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:塚本 紺、編集:村上莞)