アスレジャー関連の男性向けD2Cブランド、レジェンズ・ブランド(Legends Brand)は、有名人やプロスポーツ選手、インフルエンサーを用いたアフィリエイトマーケティングにさらに重点を置き、成長を促進しようとしている。同社は同時に、インスタグラム(Instagram)への支出を減らしてきた。
アスレジャー関連の男性向けネット直販(direct-to-consumer:以下、D2C)ブランドであるレジェンズ・ブランド(Legends Brand)は、有名人やプロスポーツ選手、インフルエンサーを用いたアフィリエイトマーケティングにさらに重点を置き、成長を促進しようとしている。同社は同時に、インスタグラム(Instagram)への支出を減らしてきた。とはいえ、インスタグラムはまだ、同社のマーケティング支出の50%を占めており、これまでと同様にブランドの情報を知らせることに利用し続ける。
レジェンズ・ブランドの共同創業者でCMOのチップ・ネフ氏は、次のように語る。「最初はおそらく、Facebookとインスタグラムに50%ずつ支出していた。アルゴリズムやCPA、広告の費用対効果の目標について学びはじめたので、インスタグラムによりシフトした。当時は、インスタグラムに85%、Facebookに15%の割合だった。いまは、ブランドの知名度が上がったことにより、アフィリエイトが拡大しはじめ、最初の頃よりもインスタグラムへの支出が減っている」。
レジェンズ・ブランドの戦略
レジェンズ・ブランドは、NBAの元選手スティーブ・ナッシュ氏やクリーブランド・ブラウンズのクオーターバックであるベイカー・メイフィールド氏のような有名投資家をアンバサダーとして起用してきた。
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レジェンズ・ブランドは、フォロワーが1万5000~30万人と少ないインフルエンサーも利用して、ブランドにテコ入れしている。「(フォロワー数が少ないインフルエンサーによる)コンバージョンが、一部の大物スポーツ選手をはるかに上回ることもある。(大物有名人からは)期待するほど利益が上がらないこともある。オーディエンスが非常に多くても、大きな数字になるとは限らない。だから、両方を行っている。ブランドの認知度向上と実際の広告の費用対効果目標のようなものだ」と、ネフ氏は言う。
当初は靴下メーカーだったレジェンズ・ブランドは、2018年7月にアパレル市場に進出した。この1年間にマーケティング支出に「100万ドル(約1億円)以上」を費やし、ネフ氏によると、来年には支出を3倍に増やす計画だという。ネフ氏は、正確な広告支出は明らかにしようとしなかったが、日によって、1日あたり5000~1万5000ドル(約53万〜160万円)をマーケティングに費やす予定だと語った。
リターゲティングの方法
インスタグラムに回すマーケティング支出約50%以外に、レジェンズ・ブランドは、約10~15%をFacebookに、20%をアフィリエイトマーケティングに、15%をeメールマーケティングに配分している。
発見とブランド認知度のためにインスタグラムを重視するのは、D2Cの専門家で投資家のニック・シャーマ氏から見て理にかなっている。シャーマ氏は、インスタグラムのストーリー(Stories)には、情報を広めるのに役立つインベントリー(在庫)がもっとあると付け加えた。そこから、レジェンズ・ブランドのようなブランドは、Facebookでインスタグラムの広告を目にした消費者をリターゲティングでき、そうした消費者の方が実際にコンバージョンにつながる可能性が高いかもしれないと、シャーマ氏は語る。
レジェンズ・ブランドは、草の根イベントを利用して、ブランドに関心がある人々のメールを収集し、そうしたメールを利用して、潜在的な消費者のリターゲティングを行っている。イベントは、デジタルチャネル向けのコンテンツの作成にも役立つ。レジェンズ・ブランドは今年、2チェインズ(2 Chainz)氏、クエヴォ(Quavo)氏、フロイド・メイウェザー氏のような有名人とともに、彼らによるバスケットボールの試合を主催した。この試合はTwitch(ツイッチ)で配信された。
さらなる拡大に向けて
2019年春、レジェンズ・ブランドは、マンハッタン・ビーチに同社初のポップアップストアを開店した。ネフ氏は、消費者にとって製品に触れて感じられることが重要だと信じており、ポップアップストアは、躍進するブランドにとってより大きなフォーカスになると期待している。来年には、ジムやトレーナーと提携する計画もあるという。
レジェンズ・ブランドはいまのところ、マーケティングをすべて社内で扱っている。とはいえ、現在、あるメディアエージェンシーでテストを行い、ほかの数社と対話しているところだ。マーケティングを社内で行い続けるか、エージェンシーと協力するか、同社は決断を下そうとしているからだ(レジェンズ・ブランドは、テスト中のメディアエージェンシーの社名を明らかにするのは避けた)。「支出を管理できるので、社内で行うのは常にすばらしいことだ。支出するのが自分の金である場合には、明らかにエージェンシーよりもさらに気に掛ける。それは自分の金だからだ」と、ネフ氏は語った。
Kristina Monllos(原文 / 訳:ガリレオ)