破産した フォーエバー21 、eコマースに活路を見出す:「完全に袋小路に陥っていた」

破産申請から4カ月近く経ったフォーエバー21(Forever 21)が、いま戦略の転換に乗り出している。

フォーエバー21は1月初め、ソフトウェアプロバイダーのグローバルe(Global-e)と提携し、各国向けのオンラインストアを再開することを明らかにした。95種類以上の通貨に対応し、チェックアウト機能や返品向けの翻訳ページも提供するという。

大規模な店舗を抱えすぎて倒産したフォーエバー21は、eコマースが復活の鍵を握ると考えている。プレジデントのアレックス・オク氏はプレスリリースで、同社の売り上げの25%を占めるeコマースが「収益性の高い中核的事業の大部分を占めており、自社の新たなグローバル戦略の一部となっている」と語った。フォーエバー21は9月に破産を申請した際、米国の178カ所の店舗を閉鎖すると述べていた。

フォーエバー21のエグゼクティブバイスプレジデントであるリンダ・チャン氏も1月6日、ヴォーグ・ビジネス(Vogue Business)の取材に対し、新しい幹部を何名か招くことを検討していると述べ、最近になって暫定の最高執行責任者と最高マーケティング責任者を新たに採用したことを明らかにした。また、最優先の課題として、自社の販売戦略を見直すことと、持続可能な素材で作られたコレクションを2020年初めにリリースすることを挙げている。さらにチャン氏は、米国内のいくつかの店舗でリース契約の再交渉を行っていると語ったが、その詳細は明らかにしていない(この件についてフォーエバー21にコメントを求めたが、回答は得られなかった)。

「完全に袋小路に陥っていた」

アナリストや業界観測筋は、フォーエバー21が(eコマースにおける)新しい機会をうまく活用できる可能性があるとしながらも、大きすぎる店舗や雑然とした店舗レイアウト、それにファッショントレンドへの対応が競合他社より遅いといった大きな問題はいまも残っているとみている。

「フォーエバー21は完全に袋小路に陥っていた」というのは、コロンビア・ビジネス・スクール(Columbia Business School)で小売業界の調査担当ディレクターを務めるマーク・コーエン氏だ。「『ある場所で成功すれば、どのような場所でも成功できる』というのが彼らの考え方だった」と同氏は指摘した。

フォーエバー21が2018年に報告した収益は33億ドル(約3630億円)だった(2016年の収益は44億ドル[約4840億円])。また、破産申請書のなかで、店舗の数が815店、店舗の平均面積が4万平方フィート(約3720平方メートル)であったことを明らかにしている。最大の店舗は10万平方フィート(約9290平方メートル)に迫り、平均の4万平方フィートという広さは、大型百貨店チェーンのノードストローム(Nordstrom)とほぼ同じだ。このようになった理由は、百貨店チェーンのマービンズ(Mervyn’s)が2008年に倒産した際、同社の所有していた15の店舗を入札によって手に入れたからだ。

「彼ら(フォーエバー21)はスペースを増やすだけでビジネスが拡大すると考えていたのだ」とコーエン氏はいう。

競合に出し抜かれた理由

だが、フォーエバー21の成長は、H&MやZara(ザラ)といった国際的なファストファッションチェーンの急成長によって阻まれることになった。さらに、H&MとZaraが持続可能な素材で作られたウェアのコレクションを数年前から拡大し始めたのに対し、フォーエバー21はサステナビリティ(持続可能性)に向けた大規模なマーケティングを展開できなかった。

チャン氏はヴォーグ・ビジネスに対し、海外展開を急ぎすぎたために「さまざまな国に合わせて商品ラインナップを調整する必要に迫られ、その結果多くの微妙な齟齬が生じて大きな問題に悩まされることになった」とも述べている。同社は今後、米国とラテンアメリカ地域にフォーカスすることを検討している。実際、H&MとZaraが強力なプレゼンスを確立しているアジアと欧州では、ほとんどの店舗を閉鎖している。

チャン氏はこれから注力する事業としてeコマースを挙げているが、ウェブサイトをどのように作り変える計画なのかはまだ明らかになっていない。現在サイトで行われている取り組みは、在庫をなくすための閉店セールの宣伝が中心だ。これに対し、ライバルのH&Mは、Z世代にアピールするためにインフルエンサーやセレブとの契約を拡大に乗り出しており、ミュージシャンのビリー・アイリッシュ氏とのコラボレーション製品も手がけている。

先行き不明なラインナップ

チャン氏はまた、商品ラインナップをどのように変更するのかについてもほとんど明らかにしておらず、2020年後半にサステナブルをテーマとしたコレクションをリリースしたいと述べるにとどまっている。ジェーン・ハリ&アソシエイツ(Jane Hali & Associates)の小売リサーチアナリストであるジェシカ・ラミレス氏は、フォーエバー21が戦略の転換を図るにあたってどのような人物を販売面の幹部に招き入れるか注視したいと語った。

「戦略を転換するなら、販売に熟練した人物が必要になる」と、ラミレス氏は指摘する。「人々がベッドバス&ビヨンド(Bed Bath & Beyond)に大いに熱狂したのは、同社がターゲット(Target)にいた販売の達人(マーク・トリトン氏)を引き抜いたからだ」。

「フォーエバー21は素晴らしいアイデアをいくつか持っている。問題はそれを実行する方法と、状況が好転するまでにかかる時間だけだと思う」と、ラミレス氏はいう。「状況が反転するには1年ほどかかるのが普通だ」。

Anna Hensel(原文 / 訳:ガリレオ)