ドローン・レーシング・リーグ(Drone Racing League、以下DRL)の2019年シーズンが8月11日に開幕した。同リーグはこれまでの3シーズン、米国内ではESPNで放映されていたが、今シーズンは初めてNBC、NBCスポーツ、Twitterで同時配信された。
ドローンレースは現在、各種ネットワークで配信されている。
ドローン・レーシング・リーグ(Drone Racing League、以下DRL)の2019年シーズンが8月11日に開幕した。同リーグはこれまでの3シーズン、米国内ではESPNで放映されていたが、今シーズンは初めてNBC、NBCスポーツ、Twitterで同時配信された。
今回ケーブルテレビだけでなくテレビネットワークとTwitterにまで配信プラットフォームを広げた背景には、ファンたちの影響がある。DRLのCEOニコラス・ホーバチェウスキ氏は、ファンは無料のテレビやストリーミングでの視聴を望んでいたと明かす。
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NBCとTwitterにおけるシーズン放映以外にも、DRLはスカイ(Sky)、プロジーベン(ProSieben)、グループAB(Groupe AB)と国際契約を結んでいる。最初のシーズンが行われた2016年こそYouTubeで配信されたが、それ以降DRLはデジタル配信を行っていなかった。DRLとTwitterによると、2019年DRLアリアンツ・ワールド・チャンピオンシップ・シーズンが初めてTwitterで生配信された際には600万の視聴数を集めた。
放映直後ということもあり、DRLから返信が得られなかったため、NBCにおける視聴数については不明だ。
変化するファンの捉え方
ホーバチェウスキ氏は「コンテンツの消費について、ファンの捉え方が変化している」と語る。同氏は4年前にスポーツ放送を行う企業の役員らと話し合ったが、当時は役員らもエンタメ放送のように視聴パターンの変化に合わせる必要はないと語っていたという。「だが現実は、スポーツにもエンタメと同じような変化が起きている。エンタメの前には音楽でも変化が起きた。コンテンツを消費したいときに消費できるように、柔軟な提供スタイルがあらゆる分野に浸透しつつある」と同氏は語る。
DRLはデジタル配信プラットフォームとしてTwitch(ツイッチ)やYouTubeではなくTwitterを選択した。Twitterがスポーツの生配信で成功しているためだ。
「DRLが開始してからの3シーズンで判明したのが、テレビで放送されているDRLについてTwitter上ではリアルタイムでたくさんつぶやかれていたことだ」と、ホーバチェウスキ氏は語る。「レースをTwitterで配信するビジネスチャンスだった。TwitterはNBAなどほかの人気スポーツリーグを配信してきた実績があるし、ファンがリアルタイムでつぶやくこともできる。悩むまでもなかった」。
ハリウッド・リポーター(The Hollywood Reporter)の最近の記事によれば、2019年シーズンの折返しまでにTwitterユーザーによるゲームに関するつぶやきの数は5億も増えた。前年度比で20%の増加だ。今シーズンの配信に先駆けて、DRLはTwitter上で過去のレースを配信し1億5000万の視聴数を稼いだ。
シームレスな広告体験
NBCからすれば、DRLの対象オーディエンスは、自局のターゲット層およびNASCARといった放映コンテンツの視聴層と重なる。
DRLはNBCやTwitterとの放送契約条件については明かしていない。いずれにせよブランドに関してDRLは放送各局と提携している。ブランド各社はNBCという従来型テレビ上の広告、Twitter上のデジタル広告、そしてこの2つの組み合わせで広告を行うことができる。
また、DRLのレース内でもブランドとの提携が行われている。たとえばスポンサーのスウォッチ(Swatch)にあやかり、レースコースのゲートは時計の形をしているのだ。ほかにもアリアンツ(Allianz)やアメリカ空軍がスポンサーとなっているが、Twitter上でよくとりあげられており、ホーバチェウスキ氏は「(スポンサーにとって)非常に強力なチャネルとなっている」と語る。
今年はじめにDRLは中国に進出し、ヨウク(Youku、优酷)でデジタル配信を行っている。
ホーバチェウスキ氏は次のように語っている。「DRLの視聴者に対し、商売がコンテンツと混ざり合わず邪魔になっているような感覚は与えたくない。理想は視聴者がシームレスかつ一貫した体験としてブランドを目にし、パートナー企業のメッセージを受け取ることだ」。
Kristina Monllos(原文 / 訳:SI Japan)