皮膚科医としての経験を20年以上積んだ医師、ローズ・イングルトン氏は「彗星のように現れた皮膚科医」として知られ、皮膚科医として現場に立ちながら、2019年に自身のスキンケアブランドを立ち上げた。同氏は米Glossyビューティポッドキャストに参加し、あらゆる角度からスキンケアついて語った。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
皮膚科医としての経験を20年以上積んだ医師、ローズ・イングルトン氏は「彗星のように現れた皮膚科医」として知られる。
イマン(モデル)、クリッシー・テイゲン(モデル)、アドリアナ・リマ(モデル)の皮膚科医とされるイングルトン氏は、思いきって2019年に自身のスキンケアブランドを立ち上げた。同氏の患者たちが抱える肌トラブルに対処するために開発されたローズ・イングルトンMDスキンケア(Rose Ingleton MD Skincare)は現在、セフォラ(Sephora)やネッタポルテ(Net-a-Porter)などリテーラー8社で取り扱われている。
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まだ皮膚科医としても現場に立つイングルトン氏は、マンハッタンに構える自身のクリニックから米Glossyビューティポッドキャストに参加し、スキンケアについてあらゆる角度から議論した。「私のクリニックに誰が来るのかは、出入りする姿を見ない限りは分からないはず」と、訪れるセレブリティについて同氏は明かさない。だが、スキンケアの詳細なアプローチや、ブランドの成長、ラグジュアリーなスキンケアは専門知識を持つ者へとシフトしているという見方を語った。
以下にハイライトをいくつかお届けする。読みやすさのために若干編集を加えてある。
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皮膚科医としてのスタート
「私が卒業したころ、就職口はあまり多くなかった。まず第一に私は、履修していた皮膚科の研修医プログラムを終えた初の黒人だったため、修了したころは、黒人の皮膚科医はまだ珍しく、手本となる人がいなかった。
開業当時は本当にお金がなく、機材もほとんどなかった。万が一、うまくいかなかった場合を考えて、使い捨ての機材を入手し、ビジネスの型も分からないまま立ち上げる方法を探し出した。そして幸運なことに、すぐに大きな注目が集まるようになった」。
スーパーモデルの肌の秘訣
「肌によいレジメンや、フェイシャルケアやマイクロダーマブレーション(ダイヤモンドピーリング)など、肌の代謝を促して毛穴をきれいに保つ施術を行うだけのことが多い。でもモデルにボトックスを施術しないとは、私は言わない。多くの若いモデルは屋外で撮影する際に目を細めてしまい、それをフォトグラファーやプロデューサーは好まないため、ボトックスを施術する必要があるのだ」。
リテールの急速な拡大
「私がこの事業を始めたころは、まだD2Cだった。リテーラーがアプローチしてくるようになったのは、ロックダウン後のこと。私たちの商品はロックダウンの4~5カ月前から市場で流通しただけだったが、こちらからアプローチするよりも先に、彼らの方から連絡してきた。
約6カ月のあいだに、私たちの商品がリテーラー大手6社で取り扱われるようになったのは驚くべきことだった。決定打となったのは、セフォラだった。同社は商品棚の15%を、私のような有色人種が創業した企業を支援するプログラム『15%プレッジ(15% Pledge)』に取り組んでいた真っ最中だったのだ。彼らは単に商品を陳列して、放置するわけではない。さまざまなインフルエンサーやセレブリティーと一緒にインスタグラムライブに参加させてくれるなど、ステップアップのためのサポートさまざまな場面で提供してくれる」。
専門知識が新しいラグジュアリーに
「現在注目を集めるのは、成分に関するストーリーだ。そして『この創業者は私のために何をしてくれるのか? 製品が私の肌にどのように役立つかを私に教えてくれて、納得させてくれるだろうか?』ということ。単に美容ブランドを持つこととは対照的なのだ。
医師だろうとエステティシャンだろうと、ナレッジベースのある人が好まれるのがいまのトレンドだ。スキンケアについて、ハンズオンで得た知識と長年の経験を持つ人が支持される方向へと、ラグジュアリー市場は向かっている」。
[原文:Dr. Rose Ingleton: Luxury beauty is trending toward ‘those with the knowledge base’]
LIZ FLORA(翻訳:田崎亮子、編集:黒田千聖)