「ほとんどの SSP は、長期的なソリューションではない」:とあるマーケターの告白

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最近になり、サプライサイド・プラットフォームたちは広告主への好意を高めているが、これは一方通行かもしれない。

匿名を条件に業界の裏事情を赤裸々に語ってもらう「告白」シリーズ。広告主とパブリッシャーの間の仲介が増えること、を理由にサプライサイド・プラットフォーム(SSP)の価値を疑問視する、とある広告主のグローバル・メディアディレクターに今回は語ってもらった。

以下の会話は読みやすさのために若干の修正を加えている。

──なぜSSPの役割に懸念を抱えているのか?

プログラマティックにとって、ほとんどのSSPは長期的なソリューションではないと私は思う。SSPはロングテールを集めることでマーケットプレイスを作り上げた。SSPが吸い上げた、それらのサイトのなかには、たくさんの「汚い」在庫も存在する。私が感じている、ひとつ目の懸念はそれだ。ふたつ目の懸念はSSPがバイヤーとパブリッシャーのあいだに自分たちを挟み込んできたことにある。これはプログラマティックオークションを管理することで、私の広告予算から一部を受け取ることを意味している。SSPのなかにはパブリッシャーたちを疎外しているところもある。

──なるほど。しかしそれは広告主というよりはパブリッシャーに影響がある問題では?

プログラマティックオークションを展開するために採用するアドテクベンダーを減らすため、パブリッシャー自身のエンド・ツー・エンドのシステムを作る手助けをしているアドテクビジネスがいくつかある。私も彼らと一緒に仕事をしている。私が話をするパブリッシャーたちはSSPを通すのではなく、広告主のプログラマティック予算を管理するザ・トレード・デスク(The Trade Desk)のようなアドテクベンダーに直接組み込んで行きたいと思っている。この方法であれば、プログラマティックが登場する前に行っていたような方法でマネタイゼーションのエンジンをパブリッシャーたちがコントロールしはじめることができる。すべての関係者がデジタル世界が分断されてきたことに利益を得てきたが、パブリッシャーと広告主だけにとってはメリットが存在しなかった。もしも自身の在庫がどのように販売されるかのコントロールをパブリシャーが獲得すれば、我々の予算から一部を抜き取るアドテク中間業者の数を削減でき、我々にもメリットとなる。

──パブリッシャー側のサプライにおける最適化を、広告主が助けることができるのか?

アドテクマーケットをSPO(サプライパス最適化)がより曖昧な状況にしてしまうか、それともパブリッシャーと広告主のあいだに人工的に配置された中間層を取り除くのか、はまだ結論が見えていないと思う。DSPたちは数年前に似た統合プロセスを経ており、それらのアドテクベンダーのほとんどはまだ強力ではないか、仕事の仕方を決めるような力を持っていない。

──もう少し説明をして欲しい

SSPは転換期を迎えている。大手の、グローバルメディアオーナーたちがSSPを迂回しようとしているなかで、SPOを通してSSPのブラックリストを作成するというアイデアが中長期的に成功するビジネスなのか、私には確信が持てない。これが実現して、ディズニーのようなデマンドを大規模に統合することができる企業たちがいると、SSPは劣悪なものばかり売ることになり、昔の広告ネットワークの様相を呈するだろう。SSPはこのことを理解している。だから広告主やエージェンシーたちと協働することでDSP分野に入り込もうとしているのだ。広告主たちにとっては、SSPは必要悪ではあるが、価値を加えるものではない。しかしCPMを高める必要があるパブリッシャーが、十分な入札を得るためにたくさんのSSPを抱えることに依存してしまう構図は想像できる。

Seb Joseph(原文 / 訳:塚本 紺)