インフルエンサーマーケティングもいよいよ成熟してきた。そうした流れは、日本も例外ではない。DIGIDAY[日本版]が実施したアンケートにおいてもそれは、とても強く感じ取れた。本記事では、そのアンケート結果を紹介する。【※本記事は、一般読者の方にもnoteにて個別販売中(480円)です!】
インフルエンサーマーケティングもいよいよ成熟してきた。
インフルエンサーマーケティングを専門とするエージェンシー、メディアキックス(mediakix)が2018年3月に発表した予測によると、2020年には世界市場が10億ドル規模にまで成長する可能性があるインフルエンサーマーケティング。その一方、今年のカンヌにおける、ユニリーバ(Unilever)最高マーケティング責任者キース・ウィード氏の発言に代表されるように、偽証行為を働くインフルエンサーに対するマーケターの警戒は、全世界的に一層強まっている。
そうした流れは、DIGIDAY[日本版]が実施したアンケートにおいても、強く感じ取れた。本記事では、そのアンケート結果を紹介する。なお、調査の対象となったのは、9月に実施された「DIGIDAY BRAND LEADERS」に参加した33人のマーケターだ。
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ポイント
- 52%のマーケターがインフルエンサー施策の効果を実感
- 利用するプラットフォームはインスタグラム(Instagram)が43%で一番人気
- インフルエンサーにもっとも期待する効果は「共感」
- 著名人よりも「マイクロインフルエンサー」または「アンバサダー」
- 指標として一番人気なのは「商品販売数」
エージェンシーやメディア企業など、プロの力を借りる従来のマーケティングとは異なり、インフルエンサーマーケティングは、基本的に素人の影響力に頼るものだ。一部セレブリティを利用するケースもあるが、それも従来とは異なり、彼らの周りに存在する多くのスタッフは介在しない。セレブリティ本人のみの力に頼ることになる。そのため、懐疑的になるマーケターも少なからず存在したが、それも少数派になりつつあるようだ。
今回の調査では、「とても効果がある」と「それなりに効果ある」と答えたマーケターは合わせて52%。つまり、すでに半数以上が実施経験があり、効果をそれなり以上に実感しているようだ。また、「興味はあるが未実施」が30%も存在し、さらに拡大する兆しが見えている。
影響力のあるブログやTwitterアカウントを利用したマーケティングは、2000年代からすでに存在していた。しかし、2010年代以降、スマートフォンの普及、さらに新興プラットフォームの台頭が起こり、インフルエンサーマーケティングは加速した。
現在、日本のマーケターにとって、インフルエンサーマーケティングを実施する際に、まず頭に浮かぶのは、Facebook傘下のインスタグラムのようだ。「実施している・実施してみたいプラットフォーム」という問いに、43%もの圧倒的な支持を得ている。それに対して、ユーチューバーという言葉を生んだYouTubeは、19%と意外に少ない。
インフルエンサーマーケティングに期待する効果は、やはり「ブロードリーチ」(8%)よりも「ターゲットリーチ」(16%)。「認知」(14%)よりも「共感」(24%)だ。マーケティングファネルの中間部分に対する期待が大きい。
その一方、「購買」という回答も16%存在した。これは「共感」についで2番目高い期待だ。いまのところ、広告宣伝というより販売促進の施策という印象が強いといえる。
その動向は、利用しているインフルエンサーの種類に対する回答にも現れている。セレブリティや著名人より、「マイクロインフルエンサー」や「アンバサダー」に対する期待が大きい。
「マイクロインフルエンサー」や「アンバサダー」の影響力は、セレブリティや著名人には及ばない。だが、セレブリティや著名人よりも、製品の内容を「正しく」伝えてくれる存在といえるだろう。その先に、「共感」や「購買」という目的があるのは理解できる。
そうなると、KPIとして重視されるのは、「商品販売数」(21%)だ。エンゲージメントを期待されるのがインフルエンサーマーケティングのイメージだが、マーケティングの本質としては、やはり販売実績につなげたいという本音だろうか?
DIGIDAY[日本版]では近々、インフルエンサーマーケティングに関するイベントを実施予定だ。詳細は後ほどリリースするので、しばらくお待ちいただきたい。
Written by 吉田 圭二、長田 真