米DIGIDAYは9月後半、メディア、マーケティング業界で勤務する156人を対象に調査を実施。政治、文化、仕事といった文脈で、彼らが置かれている状況について質問した。回答者のうち30人は非白人で、そのなかで最もアジア人が多く、次にヒスパニックと続いている。
メディア・マーケティング業界は一般的に、リベラルな思考と価値観が根付いているとされており、業界内部の多くの人間もそう考えている。しかし米国では、非白人従事者は、白人従事者と比べて業界をリベラルだと認識する傾向が低いことが、米DIGIDAYが実施したアンケート調査でわかった。
米DIGIDAYは9月後半、メディア・マーケティング業界で勤務する156人を対象に調査を実施。政治、カルチャー、職場といった文脈で、彼らが置かれている状況について質問した。回答者のうち30人は非白人で、なかでもっともアジア人が多く、次にヒスパニックと続いている(なお、同調査において非白人のグループは、単独で統計的に有意な数を形成していない)。
調査結果を見ると、エージェンシーに関しては、白人と非白人の意識の差が大きいことがわかった。というのも、白人回答者の多くが、エージェンシー業界はリベラルだと答えたのに対して、非白人の回答は60%以下だった。
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また、非白人回答者のうち5分の1ほどが、エージェンシーのカルチャーは、多少は保守的だと回答している。(エージェンシーのカルチャーを「非常に保守的だ」と回答した者はひとりもいなかった)。
対照的に、パブリッシャーとメディア企業のカルチャーについて、リベラルだと回答した割合は、白人と非白人でそれぞれ62%と57%と、ほぼ同じ割合になっている。しかし、どの程度リベラルだと考えるかには違いがあるようだ。非白人の回答者のほぼ40%が、パブリッシャーの企業文化は「非常にリベラルだ」と答えたのに対して、白人回答者は13%にとどまった。
また、エージェンシーと同様、パブリッシャーやメディア企業の文化に関しても、保守的と答えた非白人回答者の割合は、白人回答者のそれをはるかに上回っている。
もちろん、これらの結果に回答者自身の政治的志向が反映されている可能性はある。「政治的に、自分はどのような立場を取るか」という質問に対し、リベラルと回答した白人は79%、非白人は84%と、リベラルと答えた人が多い。その一方で、「強くリベラルだ」と回答した人の割合は、非白人が44%に対して白人は37%となっている。
MAX WILLENS(翻訳:塚本 紺、編集:村上莞)