現在、広告キャンペーンはその大半が中断またはキャンセルされている。米DIGIDAYがバイヤーを対象に行った調査によると、クライアントのブランドがキャンペーンを「中断」し、今後を検討中だと答えた回答者は73%にのぼった。そこで、小売、ファッション、ビューティ業界のブランド100社を対象に新たな調査を実施した。
現在、広告キャンペーンはその大半が中断またはキャンセルされている状況だ。米DIGIDAYがバイヤーを対象に行った調査によると、クライアントのブランドがキャンペーンを「中断」して今後の取り組みを検討中だと答えた回答者は73%にのぼっていた。
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そこで米DIGIDAYとその姉妹メディアのグロッシー(Glossy)は、小売、ファッション、ビューティ業界のブランド100社を対象に新たな調査を実施し、彼らがマーケティング戦略をどのように変更しているかを尋ねた。
ブランドが利用を一時的に減少したり撤退したりしているチャネルのトップ5には、紙媒体、ダイレクトメール、屋外広告、テレビ・ラジオ・ポッドキャスト、そして当然ながらイベントが入っていた。また、ブランドが永続的に利用を減少するか撤退することを計画しているチャネルの上位に入ったのは、イベント、テレビ・ラジオ・ポッドキャスト、オンラインディスプレイ広告だった。
それほど大きな影響を受けていないチャネルは、Facebook、 インスタグラム、TikTok(ティックトック)、オンライン検索だった。
いまの危機的状況の影響が今後も永久に続くのかどうか多くの人が議論しているなか、この調査データはマーケティング業界の現時点での考え方を示すものといえる。
さらにこの調査では、特定のチャネルへの支出を増やす計画があったかどうか、またコロナ危機のためにその計画を見直しているかどうかについても尋ねた。
その結果、22%の回答者が、屋外広告に支出する計画を延期したと述べている。また、48%の回答者が、新たなマーケティングイベントの計画をすべて延期する予定だと答えた。
この調査では、新型コロナウイルスに関連して2020年のビジネスでもっとも懸念されることも尋ねた。その結果、30%の回答者が、適切なマーケティングチャネルミックスを見つけ出すことを最大の懸念事項として挙げていた。一方、58%のブランドは、新しい顧客の獲得だと回答している。
この状況が業界にもたらす影響はかなりシビアだ。現時点で得られているデータは、そのほとんどが広告支出の落ち込みを示しているが、広告への影響はカテゴリーによって比較的異なっている。インタラクティブ広告協議会(IAB)が行った以前の調査によると、広告支出の見直しが行われるなか、デジタルメディアへの支出は33%、従来型メディアへの支出は39%減少していた。もっとも大きな影響を受けていたのは、プリントメディアと従来型テレビ、それにディスプレイ広告だった。この結果は、米DIGIDAYの各種調査と一致している。
Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)