[ DIGIDAY+ 限定記事 ]どんな人間関係でもそうだが、クライアントとエージェンシーの関係も永久に続くわけではない。クライアントがエージェンシーを変える原因となる要因はいくつもあるが、効果的なキャンペーンを提供できないことが関係崩壊のもっとも一般的な理由のようだ。米DIGIDAYが2019年4月に行った調査結果を報告する。
[ DIGIDAY+ 限定記事 ]どんな人間関係でもそうだが、クライアントとエージェンシーの関係も永久に続くわけではない。クライアントがエージェンシーを変える原因となる要因はいくつもあるが、効果的なキャンペーンを提供できないことが関係崩壊のもっとも一般的な理由のようだ。
社内でエージェンシーとの関係を担当するクライアントサイドの幹部を対象に米DIGIDAYが2019年4月に行った調査では、エージェンシーとの関係を終わらせた理由についての質問で、73人のクライアントサイドのマーケターの77%が、キャンペーンのパフォーマンスの悪さまたは質の低さを主原因にあげた。
文化的アイデンティティの違いや経費節約といった問題もまた、ある程度の割合を占めている。低料金のエージェンシーがほかに見つかったので、それまでのエージェンシーから離れたという回答者が45%だった一方で、エージェンシーの企業文化が自社のものとぴったり合わなかったという回答者も約25%いた。
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「隠れたコスト」の問題
さらに、契約や請求、隠れた料金を精査する機会が増えていることも、クライアントがエージェンシーを変えるには十分な理由になる。マーケターの26%は隠れた料金を、29%は過剰請求を理由にエージェンシーとの関係を終わらせている。
IDコムズ(ID Comms)のコンサルタントであるステファン・シュワルツ氏はこう語る。「定期的にパフォーマンス評価を行い、うまく管理ができていれば、パフォーマンスの問題は、取り返しがつかなくなる前に注意を向けることができる。そして、路線修正の明確な期待と行動を設定し、クライアントとエージェンシーのあいだで合わせることができる」。
過剰請求や隠れた料金のような問題は、現在は重要な問題だが、時間が経つにつれて重大さが薄れてくるだろう。
契約条件もより慎重に
メディアセンス(MediaSense)の共同創業者であるグラハム・ブラウン氏は「クライアントとエージェンシーのあいだで、透明性の問題は以前ほど重要でなくなりつつある」と話し、「クライアントは、契約に関してガバナンス責任を引き受けるようになり、契約条件についてより慎重に考えるようになってきた」と付け加える。
だが、クライアントのエージェンシーレビューを支援するコンサルタントのアビ・ダン氏によると、こうした問題が完全になくなることはないという。
「実際に契約を書くのはクライアントだ。持ち株会社には小規模でも弁護士集団がいるが、クライアントサイドにいる1~2人の弁護士は、メディアの専門家ではないケースが多い。クライアントはコスト削減の強い圧力を受けている。そのためにメディアを削るのは明確な方法だ」と、ダン氏は語る。
高い離職率にも難あり
クライアントが新たなパートナーを探す理由として、エージェンシーの高い離職率など、あまり議論されていない問題がある。
「指名されたエージェンシーの担当者が頻繁に変わることは、クライアントサイドとしては、新しい従業員にお金を払ってクライアント自身の仕事の範囲のニュアンスを教えていくという非効率を意味する」と、ロジェック・コンサルティング・グループ(Rojek Consulting Group)の創業者で最高経営責任者(CEO)のロレイン・スチュアート氏は語った。
Mark Weiss(原文 / 訳:ガリレオ)