[ DIGIDAY+ 限定記事 ]米DIGIDAYでは、ブランドマーケター47人に対して、さまざまなマーケティング機能のインハウス化に伴う困難度についてアンケートを実施した。その結果、プログラマティック広告購入のインハウス化は困難と、75%が回答している。また、従来型広告購入、クリエイティブ制作、検索もかなり困難と見られていることが判明した。
[ DIGIDAY+ 限定記事 ]プログラマティック広告購入は、インハウス化がもっとも困難な機能とされているようだ。
米DIGIDAYでは、ブランドマーケター47人に対して、さまざまなマーケティング機能――ブランド戦略、クリエイティブ制作、メディアプランニング&戦略、プログラマティック広告購入、トラディショナル広告購入、検索、PR、ソーシャルメディア――のインハウス化に伴う困難度について、アンケートを実施。それぞれの項目について、「非常に難しい」から「まったく難しくない」まで、それぞれ評価してもらった。
その結果、プログラマティック広告購入のインハウス化は困難と、75%が回答している。その困難の程度については、「非常に難しい」が21%、「難しい」が31%、「少々難しい」が23%だった。
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その一方、トラディショナル広告購入、クリエイティブ制作、検索もかなり困難と見られていることが判明した。以下、回答の全容だ。
良し悪しのあるインハウス化
マーケターがプログラマティック広告購入のインハウス化をもっとも困難と見なすのは当然だろう。技術スタックの構築だけでなく、プログラマティックトレードに長けた人材に対し、仕事相手を無数のブランドから1社に限定するに値するだけの魅力を見せる必要もあるからだ。インハウスチーム構築の際、こうした人材の懐柔はほかのマーケティング機能の場合と比べて厄介になる傾向がある。
また、ブランドのなかにはプログラマティックのインハウス化に伴うスタッフのニーズすら理解しきれていないところもある。「専任のフルタイムスタッフは必要ないと思い込んでいるところもある。いったん設定すれば、あとは放っておいても構わない、コンバージョン件数を上げるシグナルさえチェックすればいい、と思っている」と、オムニコム・メディア・グループ(Omnicom Media Group)CEOスコット・ハゲドーン氏も以前DIGIDAYに語った。
とはいえ、プログラマティック購入のインハウス化にはコスト削減の可能性があり、予算のより効率的な支出および拡大に繋がるため、マーケターがこれを視野に入れる理由も容易に理解できる。以前にDIGIDAYが報じたとおり、大手製薬会社バイエル(Bayer)はプログラマティック広告購入のインハウス化により、少なくとも1000万ドル(約10.7億円)の削減に成功している。
一方、容易とされるカテゴリー
一方、ブランド戦略とソーシャルメディアはインハウス化がもっとも容易だ。近年、ソーシャルメディアチャンネルの重要性が増し、レスポンスウィンドウが短縮されるなか、多くのブランドが必要に迫られ、自社のソーシャルメディアアカウントの運営および同メディアへの投資を自ら担うようになっている。たとえば、米大手ビール製造会社アンハイザー・ブッシュ(Anheuser-Busch)は今秋、インハウスチームのドラフトライン(Draftline)を中心に、同社のアルコール入り炭酸飲料ボン&ヴィヴ(Bon & Viv)とNFLとの提携プロジェクトに必要なソーシャルメディア関連業務の大半に取り組んでいく。
「ブランデッドコンテンツの場合、制作は実際に動かす数カ月も前からはじまっている」と、アンハイザー・ブッシュ社のビヨンド・ビア(Beyond Beer)ブランドVPチェルシー・フィリップス氏は、以前DIGIDAYに語っている。「今回の場合、ソーシャルおよびデジタル環境とドラフトラインの能力を最大限活用すれば、新たなクリエイティブを即時に制作し、アメリカンフットボール界でいま起きている出来事に迅速に対応できると考えている」。
Kristina Monllos(原文 / 訳:SI Japan)