LIFE BEYOND THE COOKIE

「『個人トラッキング』の本質を見つめ直すときが来た」:ビーコンコミュニケーションズ 渡部恭久氏 × ログリー 山崎雅弘氏

サードパーティCookie規制の本義は、個人情報の保護だ。企業は、個人をトラッキングするための新たな広告ソリューションを渇望するのではなく、その行為自体を見直すべきだろう。

Googleも3月3日、個人のトラッキングについて否定的な声明を発表している。その内容は、今後デバイスフィンガープリント(ユーザーのオンライン上の行動を、スマートフォンといった端末の、動作環境を手がかりに追跡するテクノロジー)といった、個人のトラッキング技術の開発や利用は行わないというものだ。この声明によって、今後個人へのトラッキングそのものを問題と見なすムードは、より高まっていくことが予想される。

そんななか、いま改めて注目を集めている広告ソリューションが、Webページのキーワードや文意、画像などを自動解析し、文脈に合った広告を配信するコンテキストターゲティングだ。ネイティブアド配信プラットフォーム、LOGLY liftを提供するログリー(LOGLY)は、はやくからこの技術に注目し、サービス内で展開してきた。そして2020年12月には、その技術をさらに研ぎ澄ませた新たなソリューション、インテントキーワードターゲティングの実装を開始している。

「本質的な問題は『個人のトラッキング』という行為そのものにある」。こう語るのは、ログリーの執行役員、およびLOGLY liftのプロダクトマネージャーを務める、山崎雅弘氏だ。「プライバシー保護を目的とした制限は、これからさらに拡大するだろう。そして、今後は個人のトラッキングではなく、推定によってユーザーのモーメントを読み解く方向に、業界が進んでいくと考えている」。

プライバシー保護の強化が強まり、サードパーティCookieの使用が制限されるなか、広告主はどのように対処すべきなのか。山崎氏と、大手広告主のメディアプランニングを数多く手掛けてきた、仏ピュブリシス・グループ傘下のビーコンコミュニケーションズに所属する、渡部恭久氏に議論してもらった。

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渡部恭久氏(以下、渡部)ログリーさんとのお付き合いがはじまったのは、数年前私がクライアントへ提案するソリューションを探していたとき、LOGLY liftに出会ったのがきっかけでした。

山崎雅弘氏(以下、山崎):そうですね。我々は創業時から、ドメスティックなネイティブアドネットワーク企業として、コンテキストターゲティングに強いこだわりを持ってきました。渡部さんには、その部分に注目していただいた。正直、ネイティブアドの本質的な価値を理解しているエージェンシーや広告主は、国内ではまだ多くありません。ただ渡部さんは、ネイティブアドの特性や強みを理解し、広告主のKPI・KGIにしっかり向き合ってらっしゃいます。

渡部:光栄です。確かに国内では、コンテキストターゲティングの強みは、まだあまり理解されていません。しかし昨今、サードパーティCookieの廃止が差し迫るなか、コンテキストターゲティングへの注目度は高まっていると感じます。

あああ

「コンテキストターゲティングへの注目度は高まっている」と渡部氏

Cookieをめぐる国内の状況

山崎:そのサードパーティCookie規制について、これまでの流れを簡単に整理しておきましょう。まず、GDPR(EU一般データ保護規則)が発効されたのが2016年。その2年後に、同法案はEUに全適用され、アメリカにもこの流れが波及しました。2020年に適用されたCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)はその一例です。

渡部:日本でも徐々に法整備に向けたディスカッションがはじまっていて、この5年で法的なプライバシー規制はかなり強まりましたね。ただ現状、広告主の多くは、何となく対策の必要性は感じつつも、具体的なアクションを起こすまでいたっていない。

山崎:そうですね。ちなみに、サードパーティCookieが使えなくなると、広告主には具体的にどのような影響があるのでしょうか?

渡部:領域や個々の企業の状況によって異なると思います。たとえば製薬会社は、症状別の訴求といったパーソナライズ自体が法的に難しいので、以前からデモグラフィックでターゲティングを行ってきた。それ故、影響は少ないと思います。一方、耐久財や消費財の領域で、ターゲットを明確に定めており、かつファーストパーティCookieが蓄積できていない企業の場合、コンバージョンが取り辛くなるといった影響が予想されます。こうした企業に関しては、新たなソリューションが必要でしょう。

個人のトラッキング自体が問題

山崎:ただ、Cookieに代わる代替手段を探すのは当然ですが、「ほかの手段で、これまでと同じように、個人に対するトラッキングが実現できないか」と考えるのは危険です。本質的な問題は、「個人のトラッキング」という行為そのものにあります。Cookieを使わなかったとしてもそれは同じ。そこは、しっかり認識しなければなりません。

渡部:おっしゃる通りですね。その点、ログリーさんのソリューションは、コンテキストに合った広告枠にターゲティングを行うわけですから、個人をトラッキングするわけではない。

山崎:はい。ターゲティング広告は、いわゆる「嫌われる広告」の筆頭とされていますが、適切なタイミングで、適切な場所に掲載された広告ならば、許容されるというデータもあります。我々のソリューションは、コンテキストに合わせてターゲティングを行うので、高い関連性を醸成できます。

「高い関連性を醸成することで、広告への嫌悪感を抑えることができる」と語る山崎氏

「高い関連性を醸成することで、広告への嫌悪感を抑えることができる」と語る山崎氏

LOGLY liftの新機能

渡部:ユーザーの興味が高まった瞬間に合わせて、関連性の高い広告を出すことができれば、ユーザーも嫌悪感を持つことなく受け入れてくれると。

山崎:そうですね。ログリーは、自然言語処理と機械学習を組み合わせた独自のアルゴリズムによって、Webサイトのコンテンツの文脈を理解する文脈解析技術をベースに、レコメンドエンジンや広告配信の最適化を行っています。2020年12月には、その技術をさらに研ぎ澄ませたソリューションを、LOGLY liftに搭載しました。それが、インテントキーワードターゲティングです。

このソリューションは、Webサイト上のコンテンツの文脈から特定のキーワードを抽出し、キーワード単位でのコンテキストターゲティングを可能にします。Cookieに頼らず、リスティング広告のように、広告主が任意のキーワードを指定してターゲティングできるのが、大きな特徴です。

渡部:従来のコンテキストターゲティングは、遷移先であるLPや広告クリエイティブの内容を読み取って、それに合うプレースメントを自動でマッチングするという仕組みでしたよね。

山崎:はい。ただインテントキーワードターゲティングでは、キャンペーンごとに任意のキーワードを指定して、リスティング広告のようにお使いいただくことが可能です。

あああ

キーワード配信のイメージ

リスティング広告のような使用感

渡部:いえいえ、インテントキーワードターゲティングには、リスティング広告以上の可能性があるのではないでしょうか。というのも、リスティング広告でアプローチできるのは、自分でキーワードを検索したユーザーです。つまり、ある程度求めていることが具現化している、顕在層がほとんどです。

しかし、Webサイトのコンテンツを閲覧するユーザーは、無目的にサイトを回遊しているケースがある。彼らはWebサイトのコンテンツをきっかけに、潜在的なニーズを自らのなかで無意識に作り出しています。インテントキーワードターゲティングは、リスティング広告のような使い方でこの潜在層にもアプローチできる手段として、非常に使い勝手のいいサービスだと思います。

山崎:ありがとうございます。現在、インテントキーワードターゲティングは、業種問わず、さまざまなクライアントにお使いいただいています。ある自動車メーカーの資料請求を指標とするキャンペーンでは、従来の手法と比較して、CPAが約45%改善した、という例もありました。また、コンテンツの読了率や成約率も向上しています。

渡部:広告主からすると、実際に成功事例があるのは安心感がありますね。

今後の展望と期待

山崎:そう言っていただけると、うれしいです。今後は相性のいい商材やプロモーション内容は何か、そういった条件も突き詰めていきたいです。

また、Googleのリスティング広告(Google広告)には、Googleキーワードプランナーという無料ツールがあって、キーワードを探したり、その検索数を調べたり、入札単価の相場を確認することができます。我々のインテントキーワードターゲティングも、そうした使い方ができるように、プロダクトの改善も進めていくつもりです。

渡部:コンテキストターゲティングは、ますます引き合いが多くなるソリューションとして、非常にホットになっていくはず。今後の展開に大いに期待しています。

   

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▼渡部 恭久(写真左) 
ビーコンコミュニケーションズ株式会社

 

国内/外資系大手広告代理店グループを経て、2017年ビーコンコミュニケーションズ入社。データ活用、分析を重視したコネクションストラテジープランニング、メディアコンサルティングに従事。

▼山崎 雅弘(写真右) 
ログリー株式会社 執行役員 LOGLY lift プロダクトマネージャー

 

CRMサポートを中心とするコンタクトセンター会社での営業を経て2013年ログリー株式会社入、2015年執行役員就任。現在は、「LOGLY lift」のプロダクトマネージャーとして、プロダクトの戦略立案及び広告事業部門の運営を担当。

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Written by DIGIDAY Brand STUDIO(内藤貴志)
Photo by 合田和弘