スマートスピーカー でサンプル配布、ディアジオの挑戦:ピーク時は10件/分のリクエスト

イギリスの酒類メーカーであるディアジオ(Diageo)は、Amazon Echo(エコー)やGoogle アシスタント(Assistant)といった人気のスマートスピーカーを使い、ヴィーガン向けの商品ベイリーズ・アルマンド(Bailey’s Almande)のサンプルを提供する新しいキャンペーンを進めている。

このキャンペーンで使われているのは、M&Cサーチ・ショップ(M&C Saatchi Shop)によって開発された「サンプルを送ってください」アプリだ。アプリをAmazonもしくはGoogleのアカウントと紐付けて、商品購入用の住所を承認しているユーザー向けに、ベイリーズ・アルマンドを無料で配送してくれる。「サンプルを送ってください」のアクションが可能なブランド広告であれば、ユーザーは音声アシスタントのアプリ経由でサンプルをリクエストできる仕組みだ。ディアジオのキャンペーンでは、ベイリーズ・アルマンドの最新広告に、これが活用されたわけだ。

音声分野が台頭するなか、口頭でのコールトゥアクション(行動喚起)を実験的に活用することが、このキャンペーンのアイデアとなっていると、ディアジオのデジタル・イノベーション部門責任者であるベンジャミン・リックフェット氏は言う。

「音声分野はまだ初期段階にあることは理解しているが、音声を使って消費者のための素晴らしい体験を作れるよう、テスト、学習、探求を継続して行っていくと、私たちは決めている」と、リックフェット氏は語った。

トラッキングが大きな課題

9月5日にローンチされたこのキャンペーンでは、第1週だけで6000回ものサンプルのリクエストが行われたと、ディアジオは述べる。リックフェット氏によると、用意していたベイリーズ・アルマンドのサンプルのうち3分の2(75%)は、開始から48時間以内にリクエストされたとのことだ。ピーク時には1分につき10件のサンプルリクエストがあった。

こういった数字は音声キャンペーンのアトリビューション・トラッキングがひと筋縄ではいかないことも明らかにしている。たとえば、サンプルをリクエストした人のうち何人が、その後、音声でベイリーズ・アルマンドを購入したかは、ディアジオは知ることができない。

ロースト(Roast)のSEO責任者であるジョン・キャンベル氏によると、現時点では、ユーザーが従来のウェブ検索を使って音声検索を行い、商品購入をした場合はアトリビューション不可能であるとのことだ。

「すべての行程が、Googleのアクションもしくは、Alexa(アレクサ)のスキル経由で行われた場合はトラッキング可能であり、その場合は明確さを持つことができる。これらのプラットフォームですぐに利用可能なアナリティクスでは、何人のユーザーがアクションやスキルを開いたか、どの行程が選ばれたか、といったことは知ることができる。なので、アプリの(購入後に表示される)「お礼のページ」にたどり着いたユーザーが何人かということを知ることは、技術的には可能なはずだ」と、キャンベル氏は言う。

広まる音声アシスタント

eマーケター(eMarketer)によると、アメリカにおけるスマートスピーカー利用者の数は、2016年から2020年のあいだに48%増加するという予想が出ている。これは1600万人から7700万人への増加という数字だ。彼らの調査では2018年には、アメリカの人口の28%、つまり約9100万人が、ひと月に最低1回は何らかのデバイス経由で音声アシスタントを使うだろうとのことだ。

「多くの大手ブランドたちが、売上やブランド認知の向上のために音声の活用、音声によるデリバリー・プラットフォームの活用、テスト、学習に取り組みはじめるだろう。しかし、音声のみのデバイスを使ったキャンペーンをするには、道のりはまだ遠い。しかし、すぐに得られるものもある。それはモバイル環境だけには限らない。音声のやり取りの大部分は、家庭で行われているのだ」と、オーディオメディアのスペシャリスト、クリエイティブエージェンシーであるトリソニック(Trisonic)の共同ファウンダー、ハワード・ベアハム氏は語った。

Seb Joseph(原文 / 訳:塚本 紺)