ルルレモン (Lululemon)は成功し続けており、ほかのアパレル小売業者が低迷するなか、売上を伸ばし続けている。最高財務責任者のメーガン・フランク氏は、2ケタ成長を維持していることについて、「オムニ運用モデルの強みと差別化を示すもの」と述べている。
こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
※モダンリテール[日本版]は、DIGIDAY[日本版]内のバーティカルサイトとなります
ルルレモン(Lululemon)は成功し続けており、ほかのアパレル小売業者が低迷するなか、売上を伸ばし続けている。
2022年の第3四半期の収益は昨年同期比28%増の19億ドル(約2600億円)に達した。既存店売上高は前年同期比14%増、売上総利益は前年比25%増の10億ドル(約1370億円)だった。また同社は、ホリデーシーズンの堅調な売上を予測しており、第4四半期の収益を26億500万ドル(約3570億円)から26億5500万ドル(約3640億円)と予想している。
Advertisement
最高財務責任者を務めるメーガン・フランク氏は、決算発表で次のように述べている。「ダイナミックな事業環境が依然として続くなか、この四半期も堅調な売上と収益の増加を達成したことを誇りに思う。これらの結果は、当社のオムニ運用モデルの強みと差別化を示すものであるとともに、当社のステークホルダーに継続的な価値を提供する上で重要な位置を占めている。今年度も良好な業績で終わらせられることを期待している」。
アスレジャー市場を独占
同社が過去の数四半期にわたって2ケタ成長を維持していることは、ルルレモンがアスレジャー業界において特異な存在である可能性を示唆している。現在はアスレチックブランドにとって厳しい時期で、アディダス(Adidas)やナイキ(Nike)などのブランドは利益の予測を下方修正するか、過剰在庫の清算を行っている。
ウェブアナリティクス企業のシミラーウェブ(Similarweb)でインサイトマネージャーを務めるスニハ・パンデー氏は、ルルレモンのD2Cトラフィックが、このカテゴリーをリードしてきたと語る。「ルルレモンはアスレジャー市場を独占し、業界最大手の何社かよりも多くのユーザーを振り向かせ、ごく最近のブラックフライデー(Black Friday)セールのシーズンにはそれらを超える業績をあげた」と、同氏は述べる。また同氏は、ルルレモンのウェブサイトが11月に2600万回近くの訪問を受け、2021年11月よりも41%増加したことを示すシミラーウェブのデータに言及している。一方で、決済のトラフィックは2021年11月より34%増加した。
「ルルレモンは値引きを行わないことで有名だが、『作りすぎた商品(We Made Too Much)』というセールで過剰在庫問題にクリエイティブに対処し、初期のホリデーショッピングを成功させた」と、パンデー氏は説明する。また9月には、ベルトバッグがTikTokでバイラル化してすべての場所で売り切れるなど、今秋は、いくつかのバイラル化の瞬間から利益を受けることができた。
他カテゴリーへの拡大
過去の四半期と同様、ルルレモンがフットウェアや男性向け商品など、ほかのカテゴリーへの拡大が有望であると、パンデー氏は指摘している。「当社のデータによると、この11月の男性向けカテゴリーのトラフィックは昨年に比べて24%増加し、新しいフットウェアカテゴリーのトラフィックは今年10月から11月に57%成長したことを示している」と、同氏は締めくくった。
オンライン販売は引き続きルルレモンの成長の大きな原動力となっており、D2Cの収益は、2021年の第3四半期には同社の純収益全体の40%だったが、現在では41%を占めている。
第4四半期には、26億1000万ドル(約3580億円)から26億6000万ドル(約3640億円)の純収益を見込んでいる。
[原文:Despite an industry slowdown, Lululemon’s business is still growing]
GABRIELA BARKHO(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Lululemon