チャールズ・ハービソン氏は、ラグジュアリーファッションブランドを一時休止してから6年後の2022年にハービソンスタジオ(Harbison Studio)をリローンチした。そして今回、彼は明らかにこれまでとは違うやり方を試みている。
「もっとオーセンティックなブランドを構築している最中だ」とハービソン氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語った。「以前は、みんながそうやるべきだと言うようなやり方でやろうとしていた。でもそれは自分には合わなかった」。
ハービソン氏は仕事の合間に予期せぬ出来事が続いた後、2013年にハービソンスタジオをローンチし、ファッションブランドを指揮することになった。マイケル・コース(Michael Kors)やビリー・リード(Billy Reid)などのブランドで7~8年働いたのち、ポートフォリオに穴が空くのを避けるため、ハービソン氏は小さなファッションコレクションを制作して撮影した。それを2人のアドバイザーに見せたところ、そのアドバイザーが『Vogue』の編集者に見せたことで『Vogue』9月号に掲載されることになり、それが影響力のあるシカゴのブティック、イクラム(Ikram)からの注文につながったのである。
「ある意味では、馬の前に荷車をつなぐといった具合で、物事の順番が逆だった」とハービソン氏。「言いにくいのだが、自分が思う完璧な世界では、才能、技術、ファッションへの愛が馬に該当する何よりも先にあるべきものだ。だが、いまのファッションの世界では、つねにお金が馬だ。大好きな服を作りながら、ちっともビジネスにはならなかったこの2年間で、私が即座に学んだことがそれだ」。
やがてハービソン氏は、ミシェル・オバマ氏やビヨンセ氏といったファンをすでに獲得していたこのブランドから離れることを決意した。だが、彼はずっと戻ってくることを計画していた。「LAに引っ越したのは再編成と健康のためだったが、自分のやっていることを気に入っている女性たちがいるという事実を忘れることは決してなかった。また、この世界にはそれに共感してくれる人がとてもたくさんいる。いつか戻ってきて、服を通じてそうした人たちとの会話を再開する日が来るとわかっていた」。
ニューヨーク・ファッションウィーク直後の10月上旬、ハービソン氏はGlossyのインタビューに応じ、ファッション界への復帰がどのようなものになるのかについて語った。バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman )との新たなパートナーシップを示唆するとともに、友人や家族からの積極的な資金調達も推進した。その資金を活用して、チームとブランドの商品カテゴリーを拡大する計画だ。ブランドは最近ジュエリーやハンドバックへと手を広げており、次はシューズへと進出する。
続きを読む
チャールズ・ハービソン氏は、ラグジュアリーファッションブランドを一時休止してから6年後の2022年にハービソンスタジオ(Harbison Studio)をリローンチした。そして今回、彼は明らかにこれまでとは違うやり方を試みている。
「もっとオーセンティックなブランドを構築している最中だ」とハービソン氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語った。「以前は、みんながそうやるべきだと言うようなやり方でやろうとしていた。でもそれは自分には合わなかった」。
ハービソン氏は仕事の合間に予期せぬ出来事が続いた後、2013年にハービソンスタジオをローンチし、ファッションブランドを指揮することになった。マイケル・コース(Michael Kors)やビリー・リード(Billy Reid)などのブランドで7~8年働いたのち、ポートフォリオに穴が空くのを避けるため、ハービソン氏は小さなファッションコレクションを制作して撮影した。それを2人のアドバイザーに見せたところ、そのアドバイザーが『Vogue』の編集者に見せたことで『Vogue』9月号に掲載されることになり、それが影響力のあるシカゴのブティック、イクラム(Ikram)からの注文につながったのである。
Advertisement
「ある意味では、馬の前に荷車をつなぐといった具合で、物事の順番が逆だった」とハービソン氏。「言いにくいのだが、自分が思う完璧な世界では、才能、技術、ファッションへの愛が馬に該当する何よりも先にあるべきものだ。だが、いまのファッションの世界では、つねにお金が馬だ。大好きな服を作りながら、ちっともビジネスにはならなかったこの2年間で、私が即座に学んだことがそれだ」。
やがてハービソン氏は、ミシェル・オバマ氏やビヨンセ氏といったファンをすでに獲得していたこのブランドから離れることを決意した。だが、彼はずっと戻ってくることを計画していた。「LAに引っ越したのは再編成と健康のためだったが、自分のやっていることを気に入っている女性たちがいるという事実を忘れることは決してなかった。また、この世界にはそれに共感してくれる人がとてもたくさんいる。いつか戻ってきて、服を通じてそうした人たちとの会話を再開する日が来るとわかっていた」。
ニューヨーク・ファッションウィーク直後の10月上旬、ハービソン氏はGlossyのインタビューに応じ、ファッション界への復帰がどのようなものになるのかについて語った。バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman )との新たなパートナーシップを示唆するとともに、友人や家族からの積極的な資金調達も推進した。その資金を活用して、チームとブランドの商品カテゴリーを拡大する計画だ。ブランドは最近ジュエリーやハンドバックへと手を広げており、次はシューズへと進出する。
以下では読みやすさのために若干編集してポッドキャストからのハイライトを紹介する。
Subscribe: Apple Podcasts • Stitcher • Google Play • Spotify
持続可能な規模の拡大
「再利用やデッドストック、すでにある素材を使ってもっと美しいものを作るという考え方は、ひとりのアーティストとしてだけでなく、文化的な意味でも私自身に内在するものだ。私は貧しいブルーカラーの労働者階級の出身だ。だからこそ再利用とサステナビリティは、自分たちの世界の核となる原則だ。したがって最初にハービソンを始めたときは、いつもすでにそこに存在しているものを探していた。論理的にも小さなブランドにとってはそれがベストだ。大きなミニマムオーダーをオプトインしたり、たくさんの生地や在庫を抱えたりする必要がない。また、特注(のスタイル)もできる。これらのビジネス構築の原則はすべて、じつはもっともサステナブルなものなのだ。ファッションが企業の規模の拡大の世界に入るたびに、環境への配慮は不可能に近いものになる。そこでハービソンの再出発では、基本的に最初の頃に大切にしていたことを取り入れている」。
顧客との直接的な関係の重要性
「卸売り(パートナー)を通して販売することで、カスタムビジネスやクライアントビジネスの重要性がよくわかった。すべての卵をひとつのカゴに入れるなということわざにもあるように、誰かの企業や店に自分の製品のすべてを賭けることはできない。重要なのは、気に入ったもののために何度も何度も私のもとに戻って来てくれたり、私と一緒にものづくりをしてくれたりといった、熱狂的なクライアントの支持を築くことだ。それが重要なのは直接的な関係だからだ。私は方向転換して学ぶことができるし、そのようなクライアントは私の学習ラボになる。その後、その学びを店舗にもたらすことができる。だが、実際には店舗を介してそうした学びを得ることはあまりない。マーチャンダイジングや店員など、さまざまなフィルターがあるからだ。最終的にはいくつかのメッセージを得ることができるが、自分自身で学んで、その学びを店舗にもたらすことがもっとも重要だとわかった」。
困難なファッションシステム
「この業界には実際に確立されたシステムが存在するので、新しい方法で(入手できる)リソースを活用することは大きな挑戦だ。ほとんどの業界にはすでに確立されたシステムがある。そして率直に言うと、私たちを取り巻くほとんどすべてのシステムが、全員にとってマイナスの結果をもたらしている。だからこそ、関心を寄せる業界や世界、組織に参入する全員が、新鮮な視点でこれらのシステムを見つめ、愛情と優しさを持ちつつも効果的に批判し、物事をさらに改善する方法を見つけ出せるように、積極的に努力していくことが非常に大切なのだ。具体的な決断を下し、具体的な行動を起こさなければならないということだ。年内に100万ドルを調達できれば、ハービソンのために使う。だが、ビジネスの最終的な収益向上や世界にとってプラスになるような方向へとシステムを転換させるためにリソースを注入することに関しては、さらなる課題と支援の必要性がある。どちらも実現可能なのだ」。
JILL MANOFF(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)