ストーリーテリング 、日本のブランドが抱える課題とは?:「DBL 2018 KYOTO」チャレンジボードより

ストーリーテリングとは、とても奥深いテーマであったようだ。

国内有数のブランド企業のエグゼクティブが参加した「DIGIDAY BRAND LEADERS 2018 KYOTO」。今回は「ストーリーテリング」をテーマに2日間にわたり議論が繰り広げられた。また、同イベントのセッション「The Digiday Challenge Board」では、ストーリーテリングにおいて抱えている課題を参加者全員にポストイットへ記入してもらい、ボードに添付して、共有してもらっている。

本記事では、セッション後に実施した個別取材で語ってもらった、それぞれが抱える課題の背景を紹介しよう。なお、読みやすさを重視し、少し編集を加えている。

ストーリーの語り手

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誰がそのストーリーを語るのか、その存在を確立させること

「企業のストーリーは基本的に伝わらないモノであるという基本スタンスのもと、『誰』がそのストーリーを語るのかと同時に『聞いてくれる人・見てくれる人』に対していかにメッセージを届けるのかというファンベースでの発信が必要。ストーリーの語り手、その存在を確立させる事が重要になってくる」(ブランド企業 課長・部長クラス)

タッチポイント、ファンベース、エンゲージメント

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サービス利用時以外の接点の持ち方←課題(低頻度商材)

一方的な発信ではなく双方向コミュニケーションが取れるプラットフォームの醸成←取り組み

「低頻度商材の場合は1回のタッチポイントが重要になってくる。Webでの施策もさらに注力していきたいと考えている。タッチポイント、ファンベース、エンゲージメント、この3つの観点からサービス利用時以外の接点の持ち方を構築して行くことが、低頻度商材の場合は特に重要になってくると考えている」(ブランド企業 課長・部長クラス)

リアル店舗に来てもらう意義

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Customer Engagement

「ただ単に商品を売るだけのお店だとAmazonと差別化が図れないため、『リアル店舗に来てもらう意義』を作り出す必要がある。その店舗で購入する理由・ストーリーを構築しなければ他と差別化が図れないためリアル店舗のあり方を積極的にリファイン(refine:改善)していかなければいけない。またオンライン上のユーザー行動はデータで取得しており、主に離脱ポイントを重視して改善に勤めている」(ブランド企業 課長・部長クラス)

組織内デジタルシフトの加速

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マス広告が当たらない層へのアプローチがうまくできない

「テレビCMはもう届かないということは重々承知してはいるが、年間でPR施策の枠組みがある程度決まっているためテレビCMは打ってる。そんな限られた時間と予算のなか、同時進行でデジタルマーケティングの企画を考え、実施し、効果を検証するのは正直難しい場合が多い。そのため、組織的にもいままで以上にデジタルシフトを一層推し進めていく必要があると感じている」(ブランド企業 課長・部長クラス)

曖昧な効果指標

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自社ブランドの良さを伝えた結果、ちゃんと響いたのかが、よくわらからない(3年に1回の買い替え商品ブランド)

「ストーリー発信は企業からの情報発信なので、結果的に効果があったのかなかったのかは不明な点が多い。各効果指標は多くあるけれど、どのタイミングでどの効果指標を参考にすることがストーリーテリングに効果がある、またはあったと言えるのか曖昧な場合が多い。効果検証に曖昧さが含まれるなかで、社内ではアクションを起こす際に『数値的根拠』を求められるため、思うように物事が進まないことがある」(ブランド企業 課長・部長クラス)

外資企業のシガラミ

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ブランド側が伝えたいメッセージ、思いが伝わるAd creativeではあるが、rocal relevancyが全くない。日本人のconsumerに伝わらない。このGAPを何で、どう埋めたらよいのか? Globalブランドの悩みかも…

「国内で実施できるPRが基本的にタイアップ広告しかなく、オリジナルの施策は本国が管理管轄のため日本のブランチオフィスで実施できることが限られている。こうした制約のなかで、日本ならではのストーリーテリング実現のために何をどう実現して行く事ができるのかが悩み」(ブランド企業 課長・部長クラス)

Written by 吉田 圭二