インフルエンサーたちは、少しずつマーケティング予算の取り分を増やし、デジタル空間における影響力を高めてきた。だが、(「だが」といわなければならない状況はいつでも存在する)、DIGIDAYで先ごろ報じたように、ブランドやエージェンシーの幹部たちは、インフルエンサーへのギャランティに関する基準がないため、もうすぐバブルが弾けるかもしれないと懸念している。
しかし、インフルエンサーの側にも懸念はある。業界人に匿名で本音を語ってもらう、今回の「告白」シリーズでは、大手ブランドとも仕事をしたことのあるひとりのSnapchat(スナップチャット)のインフルエンサーに、彼らの側から見た両者の関係について話を聞いた。
インフルエンサーたちは、少しずつマーケティング予算の取り分を増やし、デジタル空間における影響力を高めてきた。だが、(「だが」といわなければならない状況はいつでも存在する)、DIGIDAYで先ごろ報じたように、ブランドやエージェンシーの幹部たちは、インフルエンサーへのギャランティに関する基準がないため、もうすぐバブルが弾けるかもしれないと懸念している。
しかし、インフルエンサーの側にも懸念はある。業界人に匿名で本音を語ってもらう、今回の「告白」シリーズでは、大手ブランドとも仕事をしたことのあるひとりのSnapchat(スナップチャット)のインフルエンサーに、彼らの側から見た両者の関係について話を聞いた。
以下にて、一問一答の形式で、その内容をご紹介する。
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まず最初に、あなたはインフルエンサーの数は多すぎると思う?
まず、誰もが知っておくべき大切なことは、インフルエンサーとは何者かということだ。彼らは、いつも人々を楽しませるコンテンツを提供している人たちだ。そして彼らは、普通ならブランドがリーチできないような人々とつながるために欠かせない存在となっている。
なるほど。だが、この突然のブームはどのように起こったのだろうか?
一夜にして成功を収めたように見えるものでも、実はそうではないことが多い。うまくいくまで何年もかかるものだ。インスタグラムで美しい旅行写真を載せているような人々は、おそらくずいぶん前から写真を楽しんでいたのだ。彼らにとっては、新しい発表の場ができたに過ぎない。YouTubeでファッションを紹介する人たちは、きっと何年も前から流行の仕掛け人だったはずだ。彼らが活躍するようになったのは、ブランドから注目されたからだろう。ブランドはいま、さまざまなプラットフォームに顔を出し、インフルエンサーたちがうまく仕事をしてくれることを理解している。特にSnapchatでは、大勢の若者たちの視線が注がれているので、このことは重要だ。
ブランドはインフルエンサーを必要としている?
我々は人間関係をもたらしている。人々はトム・クルーズを好きになるのと同じような感覚で、インフルエンサーに好意を抱く。インフルエンサーが何かを言えば、それは重要な話になる。フォロワーは我々の話に耳を傾けるのだ。ブランドの話には聞く耳を持たないかもしれないが。
ブランドが間違っていることは何だろうか?
ブランドは、社員を雇うときと同じようにインフルエンサーを採用する必要がある。面接し、調査しなければならない。だが実際には、「この人物はすばらしい。だから採用しよう」といった話し合いだけで決まることも半分くらいある。また、彼らはインフルエンサーという言葉をとてもあいまいに使っている。多くのフォロワーを持つ人はメッセージを発信できる力を持っているのだから、うまくいかなかったからといってがっかりするのは筋違いだ。
では、どうすればうまくいくのか?
ベストなコラボレーションは、ブランドが早い段階でコンタクトを取ったうえで、概略だけを説明したり「こうしてほしい」といったりしない場合だ。たとえば、私はクリエイティブな部分を完全に任せてもらえたときに、もっとも高いエンゲージメントを獲得できる。責任は両者にあるのだ。ブランドは、自分たちの最終的な目標が何なのかを理解する必要がある。そしてインフルエンサーは、その目標を達成するための手段を提供しなければならない。そこには成果物があるはずだ。あるいは、最終成果物がどのようになるのか、その概要を示す必要がある。驚くべきことがあまりにも多く起こっているのは、コミュニケーションをしていないことが原因だ。
インフルエンサーは報酬をもらい過ぎ?
もらい過ぎだと思えるようなケースもある。だが、たいていの場合、ブランドは我々がどのくらいの費用をかけているのかほとんどわかっていない。それに、我々はファンを遠ざけるリスクも負っている。また、どのくらいの時間をかけているのかも彼らは気づいていない。私は週末も含め、毎日働いている。人々を常に楽しませなければならないのだ。それに、我々がブランドの仕事を引き受けている理由は、ほとんどの場合、そのブランドが好きだからというだけではなく、それが唯一の生活の糧だからだ。
あなたはSnapchatのみを利用するインフルエンサーだ。Snapchatでブランドと仕事をする際にもっとも難しいことは何だろうか?
Snapchatはすばらしい。制限があること、つまり編集や並べ替えができないことが、Snapchatに信頼性を与えている。そして、私のSnapchatはすべての人に公開しているため、私は人々に返信する作業だけに毎日数時間費やしている。そのため、仕事量はかなり多い。ブランドは、この価値を正しく測定する方法をまだわかっていない。たとえば、私の考えでは、1枚の写真で2万の「いいね!」を獲得するより、Snapchatの1つのストーリーで2万ビューを獲得するほうが価値がある。この2つの違いを見つけ出し、測定することが重要だ。それには、エンゲージメントとインプレッションの比較を専門に行うリサーチ部門が必要になる。これは大変な労力がいる作業であり、調査だ。私はかつて、ブランドの幹部たちと面会したとき、まずSnapchatのレッスンをしなければならないことがあった。
子供たちからあなたの話を聞いたという理由で、ブランドがあなたの元に来ることはあるか?
それは私にとってあまりにもばかげた話だが、目新しい話ではない。従来型のマーケティングで、自分の子供がショッピングモールに行くと話していたからといって、そのモールにポスターを貼るだろうか。そんなことはない。それなら、なぜSnapchatではそんなことが起こるのだろうか?
インフルエンサーは将来いなくなる?
インフルエンサーがどこかに行ってしまうことはない。今後はブランドが、インプレッションとエンゲージメントの違いを理解するようになるだろう。彼らは単に「いいね!」を集めるだけでなく、行動を喚起するような発言力を持つインフルエンサーを探すようになるはずだ。
Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)