「ブランドは、自社のやり方にあまりにも囚われている」: とある フリーランス 広告マンの告白

ブランドがより多くの社内リソースを展開させるなか、エージェンシーはますますプロジェクトベースに向かい、専門業務を手掛けるフリーランスへのニーズが大きくなっている。

ザ・クリエイティブグループ(The Creative Group)は、広告業界のエグセクティブ400人を対象に対して、フリーランス利用に関する調査を行った。概して、大企業におけるフリーランス社員の割合は8%であるのに対して、小規模なエージェンシーでは、23%を占めるまでになっていることが明らかになった。

匿名を条件に本音を語ってもらう「告白」シリーズ。今回DIGIDAYは、5つの異なる企業でユーザー体験プロジェクト業務に携わるフルタイムのフリーランス社員にエージェンシーとブランドの両方の立場に関して話をしてもらった。このフリーランス社員は、増え続ける仕事量、ブランド側に委託プロジェクトに関して明確性が一般的に欠けていること、疎外感を感じていることについて語ってくれた。

――エージェンシーがプロジェクトベースの業務を増やし、ブランドが社内により多くのリソースを抱え込むようになることで、仕事が増えていることに気づいているか?

仕事量が増えていることは認識している。ブランドが社内業務を増やすようになって、エージェンシーはフルタイムスタッフを減らし続けているようだ。この結果、自分にとってはこうしたエージェンシー、特に、常勤チームに時間の余裕がない、より規模の小さいエージェンシーとプロジェクトベースで提携する機会がたくさん生まれている。

――それで報酬単価は上がった?

自分の報酬単価は同じまま。プロジェクトベースで1時間あたり65ドルから75ドル(約7000円から8000円)を請求している。

――報酬の支払いが遅れたことはない?

ほぼいつも期日通りに支払ってもらっている。運がいいと思う。支払いを催促しなければならなかったのが、いつのことだったかも思い出せない。しかし、期日通りに報酬が支払われないことはよくあることだ。大きなエージェンシーではなく、「ただのフリーランス」と取引している場合、多くのことが許されると、誰しも感じているのだと思う。

――全体的な傾向についてはどう思う?

この変化は自分にとって有利であることは間違いないが、エージェンシーやブランドでは、多くのフリーランススタッフを利用することに賛否両論ある。フリーランスはより多くの柔軟性を提供し、費用を削減できる。しかし、そのマイナス面として、エージェンシーやブランドが多くのフリーランススタッフを迎え入れても、そこにコミュニケーションがなければ、時間が無駄なることは明らかだ。

――コミュニケーションが欠如していると感じる?

エージェンシーは、まだマシだ。彼らは社内でのフリーランススタッフの扱いに慣れている。ブランドに関しては、全体的に明確さを欠いおり、行ったり来たりが生じている。ブランドは社内のやり方にあまりにも囚われているために、社外からやってきた人間が、彼らのやり方についてすべての知識をはじめから持ち合わせていないことに気がついていないのだと思う。ブランドが求めているものを達成する方法をまったく知らないという感触を得ることもときにはある。問題の核心を素早く見つけることは、フリーランスにとって決定的なことなので、これは厄介なことかもしれない。

――具体的にいうと?

最初のミーティングで話されたことが、最終的に彼らが求めていたものではなかったという、いくつかのプロジェクトに私は呼ばれている。たとえば、簡単なユーザーインターフェイスプロジェクトだったはずのものに、フロントエンド開発作業を追加することなど。それは、何が必要なのかを知らないクライアントと、彼らが必要だと思ったことを明確に提示する方法を知らないクライアントを足して2で割ったようなものだ。

――フリーランスでいることの利点は?

自分の行為に対して、より多くの裁量権があること。自分はほかの誰かのために、ただ仕事をしているのではない。

――フリーランスでいることの難点は?

任されているメインプロジェクト外で多くの作業をすることになる。新規クライアントを見つけたり、問い合わせに応じたり、ソーシャルメディアで自分を売り込んだり、請求書を作成する必要があり、多くの時間を費やすことになる。自分たちの仕事の本質とは関係のない業務がたくさん出てくることをフリーランスであれば知っている。そのため、時間単価を設定したり、プロジェクトの見積もりを作成するときには、こうした時間を考慮する必要がある。

――提携しているのがエージェンシー、ブランドを問わず、フリーランスとして彼らの文化に自分が溶け込んでいると思うか?

受け入れられていると感じるときと、自分は部外者だと感じるときは半分半分といったところだ。多くの場合、責任者はフリーランススタッフが、社内のハッピーアワーといったものに参加することを望んでいない。ひどく冷遇されたこともかつてある。このエージェンシーのあるプロジェクトで採用されたとき、会社がアウトソーシングしたことで、そこのフルタイムデザイナーたちが自分たちの仕事が奪われてしまうと考えたからだ。もちろん歓迎されて、チームのメンバーのように扱われるほうが良いに決まっている。

――任される業務については?

いろいろだ。すべてオープンにしてくれる雇用主もいれば、より大きな業務では信用してもらえず、重要な会議からは締め出され、制作作業をたくさん任されることもある。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:Conyac