通常、マーケターが音楽カルチャーに足を踏み入れる際、ミュージシャンと協力して楽曲のライセンスを取得するか、キャンペーンでそのミュージシャンを起用するかだ。
しかし近年、それは進化してきており、マーケターは「ブランドが面白い場面を作り出し、煩わしい話題ではなく文化の一部になること」を望んでいる。コカ・コーラ(Coca-Cola)は、それをさらに一歩進めようとしている。
同社は、自社の音楽プラットフォーム「コーク・スタジオ(Coke Studio)」で、広告のためにアーティストと仕事をするだけに留まらず、さまざまな背景を持つ多様なアーティストによるオリジナル曲を制作したいと考えている。同スタジオは6月、この取り組みの一環として2023年9月までにリリースされる約25曲のうちの最初の曲を発表した。全部で19組の異なるアーティストがコラボレーションして、2023年中にリリース予定の楽曲の制作に取り組み中だ。
コカ・コーラにとって音楽は双方向の会話
このプログラムは2022年の開始以来、成長し続けている。2022年にはコーク・スタジオは7組のアーティストとともにひとつの曲を制作した。楽曲やアーティストとのパートナーシップの数を増やす以外に、同スタジオは音楽フェスティバルとのパートナーシップを増やすほか、ブランドの音楽的つながりをさらに深めるためのデジタル体験も創造している。
コカ・コーラの音楽およびカルチャーマーケティング部門グローバル責任者を務めるジョシュ・バーク氏は、以下のように話す。
通常、マーケターが音楽カルチャーに足を踏み入れる方法は、ミュージシャンと協力して楽曲のライセンスを取得するか、キャンペーンでそのミュージシャンを起用するかだ。
しかし近年、それは進化してきており、マーケターは「ブランドが面白い場面を作り出し、煩わしい話題ではなく、文化の一部になること」を望んでいる。コカ・コーラ(Coca-Cola)は、それをさらに一歩進めようとしている。
同社は、自社の音楽プラットフォーム「コーク・スタジオ(Coke Studio)」で、広告のためにアーティストと仕事をするだけに留まらず、さまざまな背景を持つ多様なアーティストによるオリジナル曲を制作したいと考えている。同スタジオは6月、この取り組みの一環として2023年9月までにリリースされる約25曲のうちの最初の曲を発表した。全部で19組の異なるアーティストがコラボレーションして、2023年中にリリース予定の楽曲の制作に取り組み中だ。
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コカ・コーラにとって音楽は双方向の会話
このプログラムは2022年の開始以来、成長し続けている。2022年にはコーク・スタジオは7組のアーティストとともにひとつの曲を制作した。楽曲やアーティストとのパートナーシップの数を増やす以外に、同スタジオは音楽フェスティバルとのパートナーシップを増やすほか、ブランドの音楽的つながりをさらに深めるためのデジタル体験も創造している。
コカ・コーラの音楽およびカルチャーマーケティング部門グローバル責任者を務めるジョシュ・バーク氏は、「ここ数年、我々は音楽に注力し、音楽をかなり優先してきたことは間違いない。我々は音楽を単に広告で使う楽曲ではなく、もっと全体的なものとして捉えている」と話す。また、「我々にとって音楽は、双方向の会話だ。アーティストを起用することはもちろん、プログラムをより豊かにする音楽体験を作り出すことで、コカ・コーラというブランドを通じて音楽カルチャーを創造し、このつながりを真の意味で実現できるように努めている」と述べる。
同社がどのようにそれを実現するかは、さまざまなアーティストたちとコーク・スタジオのさまざまな取り組みで協働するなか、今後も進化し続けるだろう。最近リリースされた楽曲「Be Who You Are (Real Magic)」は、グラミー賞受賞者のジョン・バティステが作詞・作曲し、NewJeans(ニュージーンズ)、J.I.D.、カミーロ、キャット・バーンズといったアーティストと共演した。
「リリース初週に、この曲はスポティファイ(Spotify)で毎週金曜日に更新されるニューリリースのプレイリスト43曲のなかの1曲として登場した」と、バーク氏は言う(「Be Who You Are [Real Magic]」のキャンペーンは、WPPのオープンX[Open X]が開発し、VMLY&Rが主導、オグルヴィ[Ogilvy]、エッセンスメディアコム[EssenceMediaCom]、ユニバーサル・ミュージック・グループ[Universal Music Group]が支援している)。
広告は体験の領域に
コーク・スタジオの取り組みは、ブランドがマーケティング活動をどのように見ているかの変遷を示す一部だ。「広告を掲載する場所は常にある。しかし、我々は哲学的に広告から離れ、体験へと向かっている」とバーク氏は語る。「音楽は、さまざまな市場や地域にわたってスケールの大きな方法で体験に傾注することを可能にしてくれる、非常に豊かなサンドボックスだ」。
コカ・コーラがコーク・スタジオに投資した額は不明だ。バーク氏は、マーケティングの数字や社内でどれだけの人間が関わっているかについてはコメントしていない。しかし、同氏は「コカ・コーラは音楽に多額の投資をしており、我々が音楽カルチャーに貢献し、音楽と本物のアーティストに投資することで価値交換が取引を超えるものになることを期待している」と述べている。
パスマティック(Pathmatics)からの有料ソーシャルデータを含むビビックス(Vivvix)のデータによると、コカ・コーラは2023年第1四半期に広告に1億2820万ドル(約184億6800万円)を費やしており、2022年には6億4540万ドル(約929億7400万円)、2021年には6億240万ドル(約867億7900万円)の費用をかけている。
「従来の広告手法から脱却し、オーディエンスにアートやカルチャーをより身近に感じてもらおうとするマーケターは、ブランドの伝統的色合いを薄め、オーディエンスとのよりよいつながりを育むのに役立つ」と、ブランドコンサルタント会社のプロフェット(Prophet)でエグゼクティブプロデューサーを務めるダミアン・ペライノ氏は言う。「とはいえ、音楽ビジネスの裏表を考えれば、それは巨大な事業になり得る」と同氏は指摘し、「コカ・コーラは巨大なブランドであり、それを正しく行うためのリソースがあるのは明らかだ」と付け加えた。
[原文:Coca-Cola believes in music in ads so much it is growing its own studio to record original songs]
Kristina Monllos(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:島田涼平)